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京都 圓光寺(前編)

今回は圓光寺について。
こちらも以前行った時のものです。

京都市左京区にある圓光寺は、
一乗寺駅から徒歩15分と少し距離はありますが、
周りには金福寺・詩仙堂・八大神社、さらに足をのばせば狸谷不動院や曼殊院門跡など沢山の見所ある場所に囲まれています。

まずは正門からスタート。

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圓光寺は、臨済宗南禅寺派の寺院です。
圓光寺の始まりは、徳川家康が伏見に開いた洛陽学校といわれています。
圓光寺はその後、伏見から相国寺山内へ移り、最終的には1667年に現在の地である一乗寺に移転されたそうです。
圓光寺は多くの学僧や絵師たちを育て、日本文化の発展に大きな役割を果たしました。

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石畳を進むと、

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着いてすぐに水琴窟があります。
この日はたしか、桔梗が飾られていました。かわいい ( ´ ▽ ` )
水琴窟の音って、すごく落ち着く素敵な音ですよね。
私は大好きです。

そういえば、なんで「水琴窟」っていうのかな?
気になったので、ちょっと調べてみました。

水琴窟とは何か?を考えるにあたり、洞窟をイメージするといいかもしれません。
洞窟に行くと、天井などからしみ出てきた水が床の水たまりに落ち、エコーのきいた音を立てます。あの、響くようななんともいえない不思議でいい音。あれを人工的に再現したものが、水琴窟ということになります。

水琴窟の構造は、手水鉢の下の地中に壷のようなものを配置し、空洞を作り出します。手水鉢に入っている水が下に落ちるとその空洞(壷)に水が滴り落ちて音が響くように設計されているそうです。

計算された設計なのに、それを外には見えないように隠して、見える部分は手水鉢のみというシンプルで無駄のない姿にしている所に、とても「美しさ」を感じます。そして、あの水音。
本当に癒されるんですよね…
川の様にずっと流れのある音も清々しくて好きですが、水琴窟の音は水滴と水滴の間の余韻を楽しむ感覚がなんとも言えず、ゆったりとしていていいですよね。
ちなみに私はこの水琴窟、動画まで撮っちゃいました。すごく気に入ったのでね。家でまた楽しもうっと。
ひたすら水琴窟の姿と水音をおさめている動画ですが(笑)

その後は、有名な池泉回遊式庭園「十牛之庭」をゆっくり歩いてみました。

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あ、なんだか可愛らしい子がいます。

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なんて優しい笑顔。
しかも、この子のポーズがなんだか妙に好き。

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私は圓光寺のこの竹林の雰囲気がすごく好みでした。
特に新緑の時期の緑の色合いが本当に良い。
見ているだけで、なにか、全てが洗われるような透き通る気持ちになるんです。

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どの角度から見ても本当に美しい。

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緑という色の美しさを、これほどかという位に思い知らされます。

この「十牛之庭」は、「十牛図」を題材にして造られた池泉回遊式庭園だそうです。
なのに私は「十牛図」のことを全く知らず。

調べてみると、「十牛図」とは、逃げ出した牛を探し求める牧人の様子を段階的に描いた十枚の絵からなり、そこには詩がつけられていて禅の考えや絵の説明が書かれているそうです。

十牛図には題名の通り一頭の牛が登場するのですが、牛は普段は大人しくて物静かでありながら、暴れると非常に強く手がつけられなくなります。その姿はまるで人間の心の様子に似ている…
実は、この「牛」とは「本当の自分」を意味しており、牛を探し求める牧人は「自分のほんとうの心を探す」ことをたとえたもの。
俗世間の生活の中で自分を見失い、ほんとうの自分を探すために旅に出る若者の物語なのです。

この「ほんとうの自分とは何か」を探し求める旅物語の様子を描いた絵は、禅の悟りにいたる道筋を表しているといわれています。
ちなみに「十牛図」は、禅を学ぶための入門書として、中国・北宋時代の禅師「廓庵(かくあん)」により創作されたそうです。

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こうして、改めて意味を考えてから「十牛之庭」を見てみると、さらに深く入り込んで風景をとらえられそうです。
さっきまで見えていなかったものが見える、そんな気がしてきますね。

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十牛之庭の奥に続く道を進んでいくと、最も高台になっている所に徳川家康公のお墓があります。

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こちらには家康公の「歯」が埋葬されているそうです。

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そして、この高台からは洛北を一望できます。
普段は上から景色を見られることはなかなかないので、こういう場所は有難いですね。

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つづく。

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