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【映画レビュー】とうとう生まれてしまった!中国アニメ映画に年間ベスト級の大傑作が誕生!『紅き大魚の伝説』

※この記事は2016年にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開しております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12194325068.html

『紅き大魚の伝説』のざっくりとした感想

『大魚海棠(紅き大魚の伝説)』を中国の映画館で見てきました。

紅き大魚の伝説
(原題:大鱼海棠)
制作年:2016年 / 制作国:中国
監督:梁旋、張春

製作期間12年を費やし、満を持して登場した大作中国アニメ映画。

前年の「西遊記ヒーローイズバック」にまでは及ばないものの、それに準ずる大ヒットのアニメ映画となっています。というか、キッズ受けを完全に捨ててるので、その分の興収差かな?

日本ではNetflixでの配信が実施されています。

見てきた感想をざっくり一言で言わせてもらえば……

また来たか今年ベスト級!
大傑作すぎ!!

……というかなり良かった映画です。

失礼ながら、中国アニメ映画でベスト級の作品に出会える日が来るとは、数年前まで思っておりませんでした。本当に良かったです。

もうちょっと詳しい感想を書いていきます。


『紅き大魚の伝説』のもっと踏み込んだ感想


■美術が圧倒的に綺麗!どういうことだよ!

前評判がやたら良かったので、『まぁ良い映画なんだろう』ぐらいのある程度の傑作テンションで臨んだのだけど。想像を超えるほどの今年ベスト級映画でした。

蓋を開けてみたら綺麗、綺麗の連べ打ち。
シーンひとつひとつが美しすぎて思わず声が出そうになる……っていうか私出てました。それぐらい本当に綺麗!

山も海も建築物まで綺麗すぎてため息しか出てきません。

“画のスケール感”がいままで見てきたアニメ映画の中でもぶっちぎりのデカさ。スクリーンがデカいことにこれだけ意味のある映画って私は今まで出会ったことがないんじゃないかというぐらい。これはスクリーンサイズで見てナンボの作品でしょう。それぐらい映画館で見れて本当に良かった映画だったと思います。

本作は3D版も存在。私はその3D版を見てきまして空間体験物としても意外と3Dオススメ案件な気がします。3D効果も良かったです。

大きなスケールで美しい世界をスクリーンで見れる格別な体験!


■画に負けないスケールアップしていくストーリー

で、この映画、画だけじゃない。
ストーリーも面白い!

物語はなかなかシリアス。
異世界の住人である主人公の椿が自分の命を救ってくれた人間世界の男の子を死なせてしまったので、禁忌的な術を介して男の子を救うとする話なので基本的に事態が悪い方向に進んでいく……

主人公が禁忌を犯すタイプの映画ってどうしても、なんらかのしっぺ返しが主人公側に降りかかるわけですが、この映画はやっぱりスケールが大きいから、ハラハラする度合いも段違い。
「これ・・・どうなっちゃうの・・・」
とガチで先が読めない展開に突入していくので、見入ってしまうこと間違いなしだと思います。


そして、そのオチの付け方にまたやられた。

ラストでこう泣かされるとは!という不意打ちのボロ泣き展開が用意されていて、個人的な私のツボをビシッと突いてくる展開に私の頭部は吹き飛びました(明らかな嘘)。本当に参りました。『そういう視点の映画だったのか!』という気付きがラストにあって、より一層この映画の良さを噛みしめられる着地だったと思います。

一体どうなるんだ?という不穏な物語の「なるほど」というオチのつけ方がいい!


■暗めの物語に明かりを添える登場人物たち

前述のとおり、話の中身がシリアスな分、やや暗めな話ではあるのですが、うまくその暗さを緩和してくれてるのが椿の友人の男の子湫くんの存在と、独特なモブキャラクター達です。

湫くんに関しては冒頭でいきなり馬糞を喰らうシーン(中国アニメ映画はなぜかウンチネタやるよな)や、中盤でうっかり蛇に襲われるシーンでは『お前なにやってんだよ』って殺意が湧きかねないウザっぷりでしたが、よく考えみると彼が居てくれたおかげでこの映画が暗すぎない雰囲気になります。この映画を見終えた人はきっとこの映画になくてはならない存在だったと実感できると思います。

不思議な生き物達の数々も楽しい

綺麗過ぎる世界に負けない個性的な造形の人物や生き物たちがいいアクセントになっていて、暗いストーリー中でもおもしろく感じられる瞬間のある映画になっていました。ストーリーとのバランスをとった絶妙な世界観だと思いました。

いろんなバケモノとか妖怪の類がでてくることもあり、作風的に否が応でも『千と千尋の神隠し』を連想してしまうのですが、それは中国人も同じみたい(友人談)です。ただ、本作に“パクリ”的な印象は感じませんでした。むしろ、かつて海外映画『やぶにらみの暴君』を宮﨑駿が『ルパン三世カリオストロの城』に昇華したように、「千と千尋」を見事に次作に昇華したのが本作だったのでは?ぐらいに思っているくらい。

中国に非常にジェラスを感じるのも事実なんですが、悔しいけどすっげー良かったですよそれぐらい私は入れ込んでしまっている映画でした。

この三手さんとか見ている全員が『千と千尋』を思い出すのでは。

キャラクターたちの造形は『千と千尋』も思い出しちゃうけど不思議で素敵。


まとめ

●圧倒的なスケールで描かれる美術が素晴らしい
●どこに向かうのかわからないストーリーのなるほど、という好きな着地
●『千と千尋の神隠し』のにおいは強いけど別物、別物!

というわけで、かなりよかった映画です。

配信のみは絶対もったいないので、しっかり大スクリーンでの公開をもっと日本でも実施して欲しかったです、(イベントでは実施経歴あり)

『紅き大魚の伝説』、おすすめです!!


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