【映画レビュー】これ恋愛映画か?...いやマジで恋愛映画だ!『金の国 水の国』の感想
出来るだけ新しい作品のレビューを先行して用意したいのですが、好きな作品ほどまとめるのに時間がかかるのですよ……。
『金の国 水の国』のざっくりとした感想
『金の国 水の国』を観てきました。
岩本ナオ先生による同名コミックをアニメーション映画化した長編作。
なんでも手に入る金の国のおっとり王女サーラと、自然に恵まれながらも貧しい水の国の建築士ナランバヤルが両国の思惑に巻き込まれて、偽りの夫婦を演じることになっていく……という物語。
サーラ役には浜辺美波さん、ナランバヤル役には賀来賢人さんが起用されています。原作の評判が良いだけに、楽しみにしていました。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
ちょー、好き。
王子役に連れてきたランバヤルがキレ者だったことから、国交結ぼう派が大きく動き出すスムーズさが気持ちよく、そうして国のことを考えてたら不意打ちで少女漫画の部分が溢れだす。
「す、好きぃぃぃぃ。」
私はなんだかんだ言って恋愛アニメ映画が大好きなことを思い出しました。
もっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『金の国 水の国』のもっと踏み込んだ感想
■協力者たちが頼もしい!優しい物語
『金の国水の国』は、主人公のサーラとランバヤルの二人の恋愛物語と金の国と水の国の両国が国交を開くという二つの軸が同時にドライブしていく映画となっていまして、後者の国交を開いていくというお話がしっかり面白い。
性格は悪そうながら実は国の将来のことを真面目に考えている第一王女のレオポルディーネや、そんなレオポルディーネの愛人である元遊牧民の左大臣サラディーン、そして王女派の護衛として神出鬼没のライララなど、すでに金の国の友好派が手練れだらけ。
「ランバヤルがキレ者」というだけで両国の国交が開いていくのではなく、すでにキレ者たちが揃っていて、ランバヤルの登場によって国交を開く狼煙が上がる……というバランス感がしっかり地に足ついた設定で楽しめました。
金の国の王女派の面々は村人も含めて、本当に頭が良くて、足を引っ張る様なキャラクターがいないのが観ていて本当にストレスフリーですね。
細かいですが主人公二人よりもやけにリアル寄りのレオポルディーネが出てきたり、かと思ったら、ライララはおじゃる丸にでも出てきそうな超シンプルデザインなのにもびっくり。キャラクターデザインの差が凄まじいです。
ただ、こういったデザインの幅が美醜のグラデーションをより顕著に見せてくれます。サーラの抱く見た目のコンプレックスが際立って、作品に合ったアプローチになってるんですよね。狙ったのかな?すごい。
■しっかり恋愛物語と国交問題がクライマックスに頂点で重なる!
「もはや物語の本筋が国交を開く話になってるじゃん!」とツッコミを入れたくなるぐらいよくできている、国交の話なんですが、この映画がさらに流石なのは、忘れた頃にサーラとランバヤルの恋愛シーンを入れてくれるところ。
純粋な二人がおたがいのことをしっかり大切に思っているんだけど、思わぬ事件による勘違いや、ナチュラルに相手のピンチを救う瞬間などで、しっかり恋愛をしてくれるところが……最高。
サーラもランバヤルもすっごい良い人なので、終盤には早く幸せになってくれー!と思うわけですが、その感情をまさにクライマックスに高ぶらせて、ついにはしっかりラストステージとラスボスを用意して、二つの筋が頂点で交錯する瞬間が待っているんですよ。
うますぎない!?って具合のまとめ方に、新年早々、いろんな感情の涙に溢れる体験となりました。『金の国水の国』、大好きです。
■主役のボイスキャストが良い仕事をしてくれている!
そして忘れちゃいけないのが、主役のボイスキャストの二人!
すっごく良かったです。
サーラ役の浜辺美波さんは、『HELLO WORLD』の一行さんや『名探偵コナン緋色の弾丸』のゲストキャラなど、これまでも何度か「上手い」と思ってたけど、今回も安定の活躍でした。
一方のランバヤル役の賀来賢人さんの印象といえば、新幹線のケンジぶりだったので、びっくり。賀来さん、こんなに上手かったのか、と今更気づかされました。
ちなみにケンジがダメなわけじゃない。
そんなにセリフなかったしな、あいつ。
まとめ
というわけで、傑作映画でしたよ、傑作映画!
前評判も、原作の評価も高かったので、変なものは出てこないだろうと思っていたけど、それどころかめっちゃ好きな映画が出てきちゃいましたよ。
もっともっとお客さん入っても良かったのに!
公式サイト
関連記事
公開が発表された際の予習記事(↓)
で、いつもならここで記事が終わりなんですが、購読者向けに一つだけオマケの話を。
映画『金の国 水の国』の制作を担当したMADHOUSEは、本作の制作過程や応援イラストをTwitterアカウントで投稿してくれているので、ぜひ観て欲しいのですが、そんな中で一見やらかす事件を起こしています。
あるイラストが問題を起こしていたようですが、
この事件はどんなイラストが問題となり、
どんな人の反感を買ったのか、を解説していきます。
ここからはマガジン「読むと アニメ映画 知識が結構増えるラブレター」の購読者(月480円)、もしくは単品(198円)でこの記事をご購入いただいた方向けの内容です。
マガジン購読で月20記事〜の更新が読み放題になります。
過去記事はアーカイブのマガジンを購入しても読むことができます。
★マッドハウスのアカウントが問題のイラストを投稿!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?