【映画レビュー】『BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!』の感想!この映画が「そんなの夢物語だってわかってんだ!」と叫んでる
今年もしっかり元旦をファーストデー利用してきましたよ。
映画館のスタッフさんも正月早々お疲れ様です。
『BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!』のざっくりとした感想
なんと元旦公開映画!
ガールズバンドをテーマにしたメディアミックスプロジェクトである“バンドリ”のアニメシリーズ『BanG Dream! 3rd Season』の後を描く劇場版。武道館でのライブを成功させたPoppin'Partyのメンバーたちが、海外進出するドラマが描かれる…….ってそんなスケールのバンドなんですね。昨年の映画はロゼリアが主演だったり、フィルムライブもどこが舞台か把握していなかったのでびっくりです。
総監督はこれまでのシリーズにも長く携わってきた柿本広大氏。監督を植高正典氏が務めます。
バンドリについて大して詳しくない私が観てきた感想をざっくり一言で言うと……
割とドラマパートにあまり興味ないかも
という身も蓋もない感想を抱いてしまったり。
というのも、前作にあたる演奏パートのみがひたすら続く『BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』がむちゃくちゃ良かったのですよ。
それと比べると、演者達のドラマが描かれるパートはそんなに興味がなかったというか、話もそこまで面白くなかったりとか、思ってしまったのは、キャラクターへの愛着の薄さですかね?
とはいえ、最低限ストーリーの筋はしっかりしていたと思うのですよ!
その辺り、詳しく書いていきます。
今作と『映画けいおん!』の決定的な違い
この『BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!』はバンドリシリーズでもシリーズの顔であるPoppin’Partyを始め、MorfonicaとRAISE A SUILENという3つのガールズバンドがグアムでライブをする姿を追った物語。
10代のガールズバンドが海外へ行く映画といえば『映画けいおん!』を思い出さざるを得ないのですが、『映画けいおん!』との違いは、彼女達が武道館アーティストであることが圧倒的に違います。あくまでもアマチュアに過ぎなかった『けいおん!』の放課後ティータイム(バンド名)に対し、Poppin’Partyは確実にプロであり、すでにひと段階分は成功者となっています。
世の中、音楽の道に進みながらも、夢半ばどころか鳴かず飛ばずのまま、その道を諦める人も多いわけで。そんな中で彼女達はまだ成人すらしていないのに早々に大成功を収めているという、天才少女達ですよ。実力なのか魅力なのか運なのか……とにかく何かを“持ってる側”の物語ですよ、これは。正直そんな10代の天才少女達の物語なんて夢物語すぎて、全然響かないよなぁなんてことを思いながら冒頭を見ていたわけですが、実は製作陣もそれを見越してか、バンドリシリーズにおいて彼女達がどういう存在かを描く映画となっていました。
バンドリシリーズにおいて彼女達は何者なのか?
もう武道館まで成し遂げてしまったら、悩むことなんてないんじゃないか…..なんて嫌味の一つや二つ思ってしまうわけですが、この映画ではバンドリという作品においてもセンターのような立ち位置である戸山 香澄ちゃんに「夢」とは何かについて考えさせる展開を用意しています。
今のPoppin’Partyに何ができるのか。
演奏を聴いている人にどう思って欲しいのか。
といった命題に大して、香澄ちゃんが星空を夢にたとえ、自身、そしてバンドメンバー、さらには演奏を聴いている観客にまで「夢を見ようよ」と謳う、もとい歌う、物語となっていたわけです。
「夢物語」と思ってくれて結構!
バンドリは皆に夢を見させる作品なんだ!
というメッセージは、斜に構えて「所詮夢物語」と軽んじていた自分には、良い意味で刺激を与えてくれた体験となりました。彼女達は架空の存在でしかないかもしれない。だからこそ、そこに意味があるのだと、しっかり言いくるめられましたよ。
ちなみにこの星ってモチーフはTVアニメを観ると、もっとちゃんと意味が乗ってくるみたいですね。
素朴すぎる大ピンチには正直ポカーン
一方で気になったのが、クライマックスのマスキングちゃんにまつわるとある事件。シリアスなのか、ギャグなのか、ナマコを踏んでしまったばかりに大事件に発展する下りが用意されてます。
この事件、すごく根本的な部分で言うと、単純に連絡不十分という凡ミスにより、メンバーが揃わないかもしれないという、しょうもないピンチが起きます。って言うか、本番直前はいくらなんでもメンバーに声をかけるでしょって展開が起こるので、正直「なんだそりゃ」という展開には少し萎えました。
映画の山場で持ってくるようなピンチじゃないし、このくだりは正直そんなに前述の夢に関するエピソードには大して絡んでこないどころか、映画の軸である香澄ちゃんとはちょっと距離を持って展開していってしまいます。おかげで全体のバランスが歪に見えてしまっていたりと、全体的に映画の足をひっぱりすぎ。
このくだりを入れるぐらいだったらバンド演奏のパート増やしてくれた方が、満足度は高かったなぁ……というのが正直なところ。マスキングちゃんや沙綾ちゃんが人気キャラだったりするのかな?それぞれにも随所でスポットを当てなければいけないのは、キャラ物映画の苦労する部分だとはわかってますが、それにしてもナマコって。
まだ見ていない人はナマコを踏むことがどんな大ごとにつながるのかを、ぜひ映画館でお楽しみください。
相変わらずサンジゲンさんが作るバンド演奏シーンは、カメラもグイグイ動くし、3DCG特有の違和感のあるカク付きもないしで、安心して観て入られます。それを楽しみに観に行くだけでも十分観る価値大!
(あとはにわかの私も知っているってぐらいのアンセムが一曲でもあれば嬉しいかも。)
海外進出までしたPoppin’Partyの面々が、今後どんなステージへ進んでいくのか、引き続き見守って参ります。
というわけで、そろそろTVアニメシリーズにも手を出してみようかな。
と言いつつ、やはりTVアニメ3期分は重い。
そういうとここそ、ナマコを踏むぐらいの軽いノリでいけるボリュームであって欲しい。
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