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【映画レビュー】フィリピン生まれの実写+アニメーション映画『サリーを救え!』の感想

※この記事は過去にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開としております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12326186595.html


新千歳空港国際アニメーション映画祭にて上映された映画です。

『サリーを救え!』のざっくりとした感想

『サリーを救え!』を観てきました。

サリーを救え!
(原題:Saving Sally)
制作年:2016年 / 制作国:フィリピン・フランス
監督:アビッド・リオンゴレン

https://eiga.com/movie/88394/

フィリピン生まれ映画。12年の月日をかけて制作された青春恋愛映画です。

新千歳空港アニメーション映画祭では監督のアヴィッド・リオンゴレン監督が登壇してプレゼンもしてくれたので、その模様はいずれ改めてレポート書いておきますね。


で、まずは本作を観てみた私の感想をざっくり一言で言うと

ちょー、大好き!

というかなりのお気に入り作品でした。

もう少し詳しい感想を書いていきますね。


『サリーを救え!』のもっと踏み込んだ感想


■私にクリティカルヒット!大好物の青春恋愛映画!

いやー、ほんと今年ベストに迫る私の大好きなやつでした!

この映画では青春恋愛映画と述べた通り、主人公であるマーティくんと、家庭にある問題を抱えるサリーちゃんの高校生二人の恋愛模様が描かれます。で、このマーティくんの恋愛下手っぷりや、サリーちゃんが結局一足先に育っていってしまう感じとか、私の実体験と照らし合わせて逐一すっごく気持ちが分かる!のです。高校生ぐらいのやつの恋愛の“甘さ”がこれでもかと見事に再現されていて、思いっきり古傷をえぐられる様な映画体験でした。

いっけん仲の良い彼氏と彼女に見えるのですが・・・世の中そんなに甘くない。

そしてそんな世の中の辛さを表現するだけじゃないのもまた素敵なところ。

漫画みたいなキッチュな世界で、『漫画みたいに恋はうまくいかねーんだよ!』と叩きつけておきながら、最後にはその世知辛さも含めて人生って漫画みたいにドラマチックになり得るんだぞ、と優しく締めてくれる着地を見せてくれます。

なんだかんだを経ても最後はみんな背中を押してくれるような、人生を肯定的に思わせてくれる、ポジティブなパワーの溢れる映画でした。


■アニメっぽい“あいつら”の隠し味

忘れちゃいけないこの映画の特徴が前述したような“漫画みたいなキッチュな世界”

主人公たちは実写なのですが、背景やモブキャラクターがアニメーションとなっている不思議なイメージの映画となっています。

フィリピンってこんな国だったんだなー。(違う)

映画本編ではあまり深く言及はされないのですが、主人公のマーティくんには世界ではいろんな怪物が共存しているように見えているという設定があります。この怪物が何者なのかは映画でははっきり名言はされません。ですが、映画を観ていけばこの怪物というのが、マーティくん自身の中にあるフィルターを通した世界だというのが分かります。

この陰茎ヘッドも、たまに『良いヤツじゃん』って思わせる瞬間があるのが憎い。


で、フィルター自体が前述したような“漫画みたいな世界”の味としてビジュアル面でもストーリーの面でも非常に活きているのが見事です。このアイディア、すごく良いですよ!


■サリー役の女の子が可愛い!!

そしてこちらもちゃんと取り上げておかなければいけないのがヒロインのサリー役のリアン・ラモスさん。

このリアン・ラモスさん演じるサリーが、ちゃんとすっごく可愛いのです!

元気で活発で健康的でありながら、どこか危うく未熟的な部分もある。だけど一歩先を行くお姉さん感もある、だけど小悪魔ではない・・・そんなサリー像にバッチリハマっているのです。リアンさんにサリー役をやってもらうまでに、多くのオーディションを重ねて、半年かけてマネジメントしたそうなのですが、それをやるだけある、見事な配役だと思いました。

マーティくんはこのサリーちゃんの言動に振り回されるわけですが、映画を観ている私自身もサリーちゃんの魅力にゾッコンになっちゃっているので、映画のマーティくん同様、サリーちゃんに思いっきりジャイアントスイングされていました。いや、むしろされたい。そんぐらい、サリーが最高でしたよ。


“キッチュ”という言葉を使った通り、漫画っぽさの域を超えて、作りを安っぽく感じてしまう瞬間もゼロではなかったのですが、まあそんなの重箱の隅の米粒でございます。


私はこの映画、超超超大好きでございます!

是非、これは全国上映して、中高生のみんなに見てもらいたい青春物語でした!!オススメです!


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