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【映画レビュー】いつもと違う変則トーマス映画!『映画きかんしゃトーマス オールスター☆パレード』の感想!

今年もトーマスが帰ってきましたね。

『映画きかんしゃトーマス オールスター☆パレード』のざっくりとした感想

『映画きかんしゃトーマス オールスター☆パレード』を観てきました。

映画きかんしゃトーマス オールスター☆パレード
制作年:2022年 / 制作国:イギリス
監督:デビッド・ストーン

https://eiga.com/movie/96330/

春の風物詩であるトーマス映画が今年もやってきたわけですが、今年はなんと参加型映画に挑戦!歌のコーナーがあったり(これは実は最近の映画でもやってる)、手拍子を推奨したり、クイズのコーナーを用意。
それに加えて『The Sodor Springtime Parade』というエピソードを劇場版用に再構成したものも上映されます。

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……

THE珍品。

といった感じの、決して人に勧めやすい映画ではないのですが、その仕上がりの珍しさはかなり貴重品。

これまでの映画シリーズは大人の鑑賞は結構厳しいぐらいの退屈さがあって、苦手意識が強かったのですが、今作はバラエティ番組を見ているようなノリで見られるので、例年よりはかなり見やすい映画となっていました

(C)2021 Gullane(Thomas)Limited.

以下、ざっくりではなくネタバレありで詳しい感想を書いていきます。

ちょっとびっくり劇場版の総集編

今回の映画ではクリスとヒラリーという人間のオリジナルキャラクターの司会のもと、歴代のトーマス映画(厳密にはこれらも元はTVアニメシリーズですが)のエピソードや歌を追っていくパートと、新作のアニメパート、そして、その間にミニコーナーが設けられているという、これまでの映画シリーズとは違った構成の作品。

TVアニメシリーズの総集編映画こそ山のようにあるわけですが、“劇場版シリーズ”の総集編といった体裁になっている本作のような映画は総集編映画の中でも珍しいケースでしょう。

異例の劇場版の総集編……その理由は?

おさらいにはなりますが、そもそも今作がいつものような長編(厳密にはTVシリーズを長編に見せている)でなくなったのは、以前記事にもした通り、そもそものTVシリーズの制作が終了していたことから。

その分、今作はその尺を埋めるために旧作のエピソードを再編集したものとなっています。

3DCGシリーズ終了に伴い、もしかするとこのルックのトーマス映画は今年が最後になるかも……?

手拍子でしっかり楽しめる参加型トーマス映画

素晴らしいのは、ただ総集編映画にまとめるだけではなく、しっかり参加型にするアレンジを加えているところ

発声は禁じながらも、手拍子を率先して進めていたり、画面上で手拍子させるべきところを表示させたりと『しまじろう』映画を思わせるUI(ユーザーインターフェース)が気が利いています。

加えて、ミニコーナーであるクイズコーナーでも、この手拍子を採用。

加工が加えられた『きかんしゃトーマス』のキャラクター画像を見て、誰の画像かを答える3択形式のクイズが何問か出題されるのですが、「①番だと思う人は手拍子ー、②番だと思う人は手拍子ー……」というくだりで、ちゃんと映画中で手拍子音を入れてくれいるので、もし会場の反応が悪くても、冷めた感じにならない工夫ができておりました。(しかも正解の選択肢の時は手拍子音が若干大きめになるとことか細かい。)

実際私が足を運んだ回では、平日の回ということもあって、来場者も私以外に親子が二組居るぐらいで、手拍子をして参加するキッズも居なかったのですが、この演出のおかげで「盛り上がっていない妙なきまりの悪さ」みたいなものがなくて良かったです。

イースターのエピソードはそこそこ

そして作中でも新作のエピソードとして紹介されるイースターのエピソードもそこそこの尺があって、映画全体のメインディッシュ感がちゃんとあってなにより。面白いか?といえば、従来通りの水準の内容なので、大人の鑑賞に耐えうるようなものではない一方で、

イースターエッグを運搬するために、きかんしゃ達が工夫を凝らして着飾るのですが、全然その運搬している様子を見に来る観客がいなかったり、トップハムハット卿がゴリゴリのスプレーアートを披露していたり、不意打ちでツッコミどころをぶつけてくるのはズルかったです。

意地悪な見方ですけどね。

(C)2021 Gullane(Thomas)Limited.

パーシー達が虹を見て、レインボーカラーを思いつくシーンで、虹の色を歌うシーンがあるんですが、なぜか6色しか歌わないところに違和感があったのですが、そういえば海外って7色じゃなくて6色扱いしている国もあるんでしたね。

あえてそこは海外準拠なところは、海外生まれのトーマスらしい演出ですね。

注目はスペシャルコーナーのしりとり

そして忘れちゃいけないのが、スペシャルコーナー。
何が始まるんだと思ったら、「トーマスとパーシーがしりとりしているところを覗いちゃおう」という謎の試み。

(C)2021 Gullane(Thomas)Limited.

なんだそりゃ、と思いきや、このしりとりがトーマスキャラ縛りで妙にレベルが高い。そんなキャラクター知らないよ!ってマニアックキャラの名前をあげるところとかシュールでかなり良かったですね。

アニメ素材がないので、欠席写真のようなスタイルで誰が喋っているのか示すチープな感じも、一周回って味わい深かったです。


以上、そんな感じで、意地悪な見方ではあるものの、例年のトーマス映画に比べると見所は多かった変則トーマス映画でした。

本編とは関係ないですが、私が観た回の二組の親子のうち、一人のキッズが先行して退場する際に手を振って退場しており、もう一人のキッズが手を振り返す心温まるシーンに遭遇。

知り合いなのかと思ったら、どうやら今日が初対面のようで、驚異の友達作りのスピード感を見せつけられました。あれこれ言いながらもキッズが楽しめたらそれで良いのですよ、未就学児向け映画は。


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