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【映画レビュー】中国アニメにルフィがゲスト出演!?侮れない実力作『劇場版十万个冷笑话』の感想!

※この記事は2015年にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開としております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-11978888853.html

2015年最初のアニメ映画鑑賞は中国の人気作品の劇場版でした。

『劇場版十万个冷笑话』のざっくりとした感想

十万个冷笑话
制作年:2014年 / 制作国:中国
100分
監督:卢恒宇、李姝洁

https://www.maoyan.com/films/246067

この映画、興収1億“元”を突破したことでも話題となっておりました。

この当時の1億元って日本円で考えると20億円に迫るぐらいの額。
なかなか越えようと思って越えられない規模のヒットです。

興行的には大成功を収めた本作、実際に劇場で見た感想をざっくり一言で言うと……

手堅くおもしろい!!
粗はあるけど嫌いになれない出来映え!

って具合でございました。

ざっくりではなく、もっと詳しい感想を書いていきます。


そもそも「十万个冷笑话」とはなんぞやって話

まず根本的に「十万十万個冷笑話」とはどんな作品かという話。
中国で連載されている漫画を原作に2012年よりネットにて発表されたショートギャグアニメ作品。アップされた動画は瞬く間に大ヒットとなり3日間で1000万再生を突破するなど、ブームにつながりました。

本作の魅力はキレッキレのギャグ
可愛い顔して筋肉ムキムキの哪吒(naja)を皮切りに著作権を決して恐れないデザインの ピノキオ白雪姫など保守的な中国のアニメ界に、進んで切り込んでいく危険なキャラクター達が続々登場します。

物怖じしないからこそ非常にギャグが面白いし、そもそもここ中国ではそんなアニメ、珍しい!!その勢いにのって人気はどんどん高まっていき、
見事今冬劇場版が公開となったわけでございます。

パロディ作品としてのポテンシャルがそもそも高い!


著作権を恐れぬからこその魅力?まさかのルフィ登場

……でついに上映された劇場版の本作。
いつもの勢いに負けないなかなかのキレッキレ具合をかまします。
上記にも書いた様な著作権を恐れぬ反則ギリギリの演出が多数用意されております。

中でも注目はあるキャラクターをそのまま登場させるという演出。
それはONEPIECEに登場するモンキー・D・ルフィの出演!

実際どんな感じで登場したかというと
こんな感じです。↓

冒頭で世界を破滅させてしまった主人公を、「まだ海賊王になれてないのに!」と責め立てたり……

ピノキオをウソップと勘違いして引き止めたりと、日本じゃできないようなギャグをかましてくれます。

登場は上記の2シーンのみで、ちょっとしたギャグとして挟まれてるだけですが前情報では全然知らなかったので、なかなかの衝撃でした。

どうしてもこういうのを見ちゃうと中国の海賊版風土みたいのを感じてしまいます。が、日本じゃなかなか見る事ができないであろうものを
見れたと思うとすごく貴重な体験だったかもしれないと思います。

この他にも『トランスフォーマー』『パシフィックリム』など、所々にパロディが挟まれておりまして使い方も上手くてなかなか楽しかったです。

ルフィをそのまま出したりと攻め方がエゲツなくて最高


パロディだけじゃない!十万个冷笑话の魅力

つい日本人的な見方として、そのいきすぎたパロディぶりに目を引かれてしまうのですが。一通り見終えて、一つ感じた事がありまして、パロディ特化の珍品扱いするのはもったいないぐらいキャラクターが活き活きしているという点

この映画、しっかり一キャラクター、一キャラクターが魅力的に描かれおります。

他の中国アニメでもルフィ程大ネタではないけど、割と躊躇なくパロディネタを使ったりしますが「出せば笑う」みたいなインスタントな雑な扱いに
感じるパロディも少なくないのですが、この『十万个冷笑话』はいろんな評価や工夫を経てきているであろう事がしっかり分かるぐらいに、キャラクターの掘り下げ方やドラマを描ききっているので終止、楽しく見る事ができました

特に終盤、思わず「おぉっ」と感動してしまうピノキオと白雪姫の“ある”やり取りには、ピノキオだからこそのうまい見せ方が用意されており、本作が評価されるべくしてされた作品だと思い知りました。

しっかりキャラクタームービーとして楽しめる上質な内容


総括

●元の「十万十万個冷笑話」と言うシリーズがそもそもちゃんと面白い
●パロディギャグが日本じゃできない域に突き抜けて見応えがある。
●キャラクタームービーとしてしっかり上質

というわけで、全然楽しい映画でした。

日本のアニメにすっかり慣れている日本人にとっては、どう考えても画の粗さなんかが目にはつく作品だとは思うのですが、キャラクター映画としてマチガイなく頭一つ抜けたブランドだということを今回の映画で思い知りました。

当初こそあまり興味のなかった作品でしたが、すっかり今回の映画で応援したくなる側になりましたよ。

ルフィを出しちゃうことに怒っちゃう人もいるかもしれませんが
ちょっと、許して欲しいかな。

馬鹿にした様な描き方じゃなかったよ。
むしろ中国の人、ワンピース大好きだよ。


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