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【映画レビュー】『バック・トゥ・ザ・アウトバック〜めざせ!母なる大地〜』の感想。ヘビにクモにトカゲにサソリ...ゲテモノアニマル大集合映画!

2021年12月10日よりNetflix配信スタートしたばかりの一本。
早速観ましたよ。

『バック・トゥ・ザ・アウトバック〜めざせ!母なる大地〜』のざっくりとした感想

バック・トゥ・ザ・アウトバック〜めざせ!母なる大地〜
(原題:BACK to the OUTBACK)
制作年:2021年 / 制作国:アメリカ・オーストラリア
監督:クレア・ナイト、ハリー・クリップス

動物園を脱走した危険動物たちが、アウトバックと呼ばれるオーストラリアの砂漠地帯へと冒険する物語となります。監督を務めるのは、『カンフーパンダ』シリーズの編集を務めたクレア・ナイトさん『ペンギンが教えてくれたこと』で脚本に名を連ねているハリークリップスさんがタッグを組んで、それぞれ初めて監督を務めます。

そのあたりは以前、こちらの記事でも紹介しました。

作品自体の存在は、昨年末には明らかになっていたのですが、結局公開は1年後となってしまいました。

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……

そこそこ

といった感じの特筆しておすすめしたいわけではないけど、決してそこまで悪くもない感じの映画となっていました。

もっと詳しい感想を書いていきます。

この映画は危険動物好きのための映画だ!

本作はヘビ・サソリ・トカゲ・クモの危険動物たちが動物園を脱走して故郷へ帰るコメディ作。動物園を出る際には、半ばアクシデント的に動物園の人気者であるコアラを巻き込んでしまい4匹+1匹の大冒険が始まります。

動物脱走物は『マダガスカル』といった大ヒット作の前例がありますが、本作はその動物たちがいわゆるゲテモノ系の動物たちなのがポイント。こういった動物たちがいわゆるメジャーな人気は持っていないながらも、逆にその危険性に惹かれて“好き”な人も多いはず。そんな人にこそ『バック・トゥ・ザ・アウトバック』は刺さるのではないでしょうか。

中でも主人公的な立ち位置にあるのが、ヘビのマンディ。
自身は純粋な心を持ちながらも、危険動物として人間に怖がられるショーに出ることになりショックを受けることになるわけですが、この映画で描かれる逃走劇にて、ある人物とその“誤解”を取り除くに至るストーリーは感動的に描かれています。

しっかり可愛く描かれている動物たちが秀逸

今作、この時点で勝ちだ、と思わされたのが、動物たちのルックの可愛さ。
嫌われ者であるはずの動物たちを、見た目からもしっかり可愛く魅力的に描いていて、自然に共感できるところが見事です。

中でもヘビのマンディはシンプルな見た目ながら、その可愛さが伝わる仕上がり。吹き替えを担当した沢城みゆきさんもかなりその可愛さに貢献しておりました。キャスティングの采配も見事です。

また大の虫嫌いなのでアニメの昆虫描写に結構敏感な私は、クモ描写とか心配だったのですが、その点も強くディフォルメしてくれていて助かりました。

一方で、登場こそわずかですが歯にフジツボがぎっしり住み着いてるサメが、トライポフォビア的に結構強烈に嫌でした。みんな、あれ大丈夫でした?クモの嫌悪感を通過できるなら、そっちももっとソフトにしてほしいよ!

あと、可愛いはずのコアラが、そんなに可愛くないのは、わざとですかね?
もっとルックの可愛さが抜群であればギャップが際立って、もっと笑えたような気がします。後任の人気者がクアッガワラビーなのは最高でしたが。

とは言え、このあたりまでくると、好みの問題なのかな。

展開が荒いのはどうしても否めない

キャラクターの掘り下げにはあれこれ、良いところも悪いところもあって取り上げたくなる魅力はある一方で、この映画の致命的なところは展開があまりうまくないところ

いなくなってしまった母親がわりのワニの顛末や、動物たちを捕獲しようとする親子の背景、ひねくれ者のコアラの改心などなど……面白くなりそうな要素は無数にあるのですが、どれも変な着地の仕方で終わってしまうのが、致命的に残念

前述のヘビのマンディのドラマが辛うじて起承転結が成り立っているから、最低限の整理はされているように見えるものの、クライマックスの全員集合の流れも、唐突さの方が強くて熱くなりきれないのはかなり引っかかりました。

Netflixマネーが充実してきたのかルックは申し分なかったのですが、全体としてはもうひと押しが足りなかった惜しいアニメーション映画でした。

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