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【映画レビュー】『モンスター・ホテル 変身ビームで大パニック!』の感想!我々は世代交代を試されているのだ!

1月14日(金)よりプライムビデオにて配信がスタートしましたので、早速観ましたよ。

『モンスター・ホテル 変身ビームで大パニック!』のざっくりとした感想

『モンスター・ホテル 変身ビームで大パニック!』をプライムビデオで観ましたよ。

モンスター・ホテル 変身ビームで大パニック!
(原題:Hotel Transylvania Transformania)
制作年:2022年 / 制作国:アメリカ
ソニー・ピクチャーズ・アニメーション制作
監督:デレク・ドライモン ジェニファー・クルスカ

ソニー・ピクチャーズアニメーションの人気シリーズ『モンスターホテル』の長編第4弾がプライムビデオ独占で登場。当初アメリカでは、2021年秋に劇場公開予定だったのですが、配信での全世界同時配信作となりました。
これまで監督を務めてきたゲンディ・タルタコフスキー監督が離れてしまったのがどんな影響を与えるのかも気になるポイントです。

本作を観てみた感想をざっくり一言で言うと

すごくお利口さんな正当続編!

と、いった感じ。

個人的には『モンスター・ホテル』シリーズは『2』以降、話はとりあえず進めながらも、ひたすらハチャメチャにギャグをかましていって刹那的な面白さ優先作品と言う印象だったのですが、本作は違う!

ただの変身パニック物でなく、原点回帰というか懐かしい感じのするドラさんとジョニーの物語にフォーカス!散々イカれ尽くしてシラフに返ったのか?という程、よく言えばまとまりの良い作品となっていました。

詳しい感想を以下より書いて参ります。
ネタバレ気味なので、以下は鑑賞後に読むことを推奨します。

『モンスター・ホテル』版次世代継承映画

『モンスター・ホテル』シリーズはもともと、ドラキュラのドラさんがヨソ者であるジョニーをいかにして迎え入れるかという物語から、モンスターと人間の隔たりを取り除くといった作品となっていました。

そんな『1』から、ジョニーを家族に迎え入れ子供にフォーカスした『2』、ドラさんの新しい恋にフォーカスした『3』と、すっかりドラさんとジョニーは仲良しだと思っていたのですが、『4』に来てまさかのドラさんとジョニーの仲に亀裂が。ホテルという家族の思い出の建物を、ジョニーに引き渡すことに躊躇が生まれる……というまさかの実はまだジョニーを受け入れられてなかったという話になっていました。正直「また!?」という感じではあります。

すでに『2』の時点でがっつりジョニーが経営に介入していただろ、ってツッコミも入れたくなったのですが、今作はあくまでもドラさんが引退するという前提。

ジョニーを輪の中に入れるというよりも、自身の後を継ぐものにできるか、といった筋なんですよね。『トイ・ストーリー4』『カーズ クロス・ロード』といった作品で描かれた世代交代映画になっているというのが肝でした。

ただ、ちょっと残念なのは、その面が強く語りきれておらず、どちらかと言えば『1』で描いたことのリフレインのような作品に。『1』で娘の彼氏としてジョニーを迎え入れたように、『4』では後継としてジョニーの人格を認めるという、割とそこまでテーマの変化を感じない、軸自体の焼き直し感が拭えてないところが残念なポイントでした。

変身パニック物としては十分楽しい!……楽しい?

物語の軸の弱さはあった一方で、予告編でも披露されていた、変身パニック要素は手堅い面白さだったところはさすが。おなじみのキャラクターたちの人間モードのビジュアル的な面白さは、わかっていてもやっぱり強いですね。

一方でモンスター的なアクションを封じられてしまったのがまた残念なポイント。透明人間が普通の状態に戻ってしまうのなんて完全に出落ち。フランケンみたいなナルシストキャラになってしまう……みたいなギミックがないと、意外と持続力ないネタなんだな……なんて冷静になる瞬間もあったりしましたよ。

その分、ジョニーのモンスターになった時の爽快感みたいなものが出ているという意味では正解なのかもしれませんね。思えばドラゴンネタを直球で持ってくるのが『4』までなかったのも意外でした。

一方で、ギャグのキレっぷりというか、面白いのか面白くないのかよくわかんないぐらいのテンションでギャグを乱れ打つ『2』〜『3』に比べると、そのハチャメチャぶりが落ち着いていたように感じたのはやはり監督がゲンディ監督から変わってしまったとこにあるのでしょうか。

話のまとまりは『2』〜『3』よりもあるはずなのですが、ゲンディ監督なら話はめちゃくちゃだろうけど、もっと面白い映画になっていたんじゃないかという予感がしてしまうのは、私がゲンディ監督のセンスに飲まれているせいですかね。

意外と今作でもがっつり関わっていたゲンディ監督

で、
そんなゲンディ・タルタコフスキー監督は、すっかり『モンスターホテル』の新作から離れてしまったのかと思いきや、意外にもクレジットには多数名前が登場していました。原案だけでなく、制作総指揮や脚本にも連名ではあるもののその名前を見ることができます。

ゲンディ監督が離れた作品という認識も違うのかなぁ……と思いつつ、エンドロールで流れる2Dアニメパートのタッチが違う感じがして、「やっぱりこれもゲンディさんじゃない影響?」と気になってしまいました。

変わった……?よね?

思った以上にゲンディじるしの『モンスター・ホテル』を私が好きでいたことを、今作で思い知りました。

ある意味、鑑賞者自身も世代交代を認めていくべきっていうのを、伝える映画だったのかもしれませんね。今後『モンスター・ホテル』シリーズが続くのかはわかりませんが、メイヴィスとジョニー、そして新たな製作陣によるシリーズの今後のご多幸をお祈り申し上げます。

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