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アピールの方法

「日本のものづくり」と聞くと「良いものをつくってる」と考える人は多いと思います。その「良いもの」とは「精度の良いもの」と考える方も少なくないでしょう。

「当社はミクロン単位の精度で製品をつくる技術がある」
そういった製品を使わざるを得ない箇所へは会社の立派なアピールポイントになるかとは思います。しかしながら、元々そういう精度が必要ない箇所向けの業種の場合はあまり意味は無いポイントです。

当社はどこにでもあるような一般的な「ねじ」の量産メーカーですが、JIS規格品のねじの場合、元々寸法公差がきついものはなく、言ってみれば「さほど精度は必要ない」ものばかりです。
ですので必然的にそれ相応の機械類での製作、となっています。

よく「うちは精度の良いものなんか作れないんですよ」なんて言うと、いやいやご謙遜をなんて言ってこられる事ありますが、謙遜でもなんでもなく本当に作れません。今の金属加工業界ですと公差の単位は100分台(0.01とか)も珍しくないとは思いますが、そんな図面がきたらうちは即お断りです、絶対無理ですから。あと公差の幅もたまに0.2ぐらいの幅での指定があるんですが、場所によってはこちらも無理になります。ちなみに、ねじの頭部の外径だったら0.4はいただきますし、タッピンねじの1種(先端がとがってるもの)は、元々JIS規格で長さの公差が±0.8ですから、それ以下の指定があってもやはりお断り案件です。

ではどのように会社をアピールすれば良いか、と考えた時に当社で行っている1つが「仕事以外の部分でとにかく目立つ」という事です。

大きく「ねじや」と書かれた暖簾もそう、元々「こうば見学」は積極的に受け入れていましたので、そのきっかけの1つになればとクラウドファンディングで費用をあつめて作った「のぞき穴」もそう、共に仕事に直接のかかわりはほぼ無いものになります。

また比較的最近は、知人にウォールアートを描いていただき、その流れでSNS上で他の場所にも描いて欲しいと募り、計4ヶ所のアート作品がこうばの壁に完成しました。

「こんな事して何になるでしょ」などという揶揄も聞こえてきそうですが「何になるかわからないからやってる」という自身の考えのもと、結構色々と楽しんでいるのが正直なところです。

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