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『影と刻罪のテュシアス』マルラの背景①

空想嬉劇団イナヅマコネコ作品No.6
『影と刻罪のテュシアス』

舞台公演は無事に駆け抜けることができました。
ご声援、ご観劇、誠にありがとうございました。

初日公演を撮影・編集した映像の配信はまだやっておりますので、
気になる方はこちらから↓

今回もまた、
自分のキャラクターについて語ってみたり、
初めての衣装担当としてのあれやこれやなどを綴ってみたりしようかと思います。

◼️あらすじ

二つの大陸があった。

多くの国が入り乱れ、争いが絶えなかった大陸を「東レイジアス大陸」といった。

その大陸をついに統一した「ソルディニア」
国王となったオーキッド・ソルディス一世は、新たなる平和な国の統治のため、奔走し、また悩んでいた。

「私が生きている間はいい。だが、この先何代も平和と繁栄が続くものだろうか……」

世襲王政でありながら1000年にもわたり、一つの国「フレイルーディア王国」が統治している大陸を「西レイジアス大陸」といった。

平和で豊かな、戦乱も革命もない、千年王国フレイルーディア。
王も貴族も民に愛される国、フレイルーディア。

オーキッド王は、フレイルーディア王国へ遣いを送る。

目的のひとつは同盟の為。
そして、千年王国の統治の秘密を知るために。

こうして、ソルディニアの宰相グレミオ・バーシーと、王近騎士のアメリア・メルグリットは、フレイルーディア王国へと渡った。

二人は、2つの仕事と引き換えに、フレイルーディア王城に滞在し、留学することを許される。

一つ「3年後の“ダムナートの儀”まで、3人の王子たちの教師を務めること」

一つ「そのダムナートの儀において、相応しいものを選定する“選定者”となること」

こうして、二人のフレイルーディアでの日々は始まった。しかし……

グレミオもアメリアも、この王国の長期統治の秘密は分からなかった。

「世襲制の絶対王政で、千年以上の善政の統治が続く。歴史においてはそれ自体が異常なんだ……必ず何かある」

そして、フレイルーディア王国の“特殊”な制度。

【テュシアス制】

その秘密が明らかになったとき、グレミオとアメリアは、その是非、そして国の正義の在り処に苦悩する。

二人の出した結論とは。

今回は魔法も特殊能力もない人間同士のドラマ。
中世ヨーロッパ風の架空の国を舞台にしたロイヤルダークミステリーです。

◼️マルアリエラという女性

今回の私はオールダブルキャストのteamSoldeniaにて、
マルアリエラ・フレイルーディアという女性をやらせていただきました。
長くて発音も難しいので、愛称でマルラとも呼ばれています。

その名の通り、フレイルーディア王室の人間です。
現国王トリスタン・フレイルーディア23世の妹にあたり、
西レイジアス大陸のとある領地にて領主を務めています。
国王トリスタンとマルラの間に一人、別の領地で領主を務める次兄ユーグリスがいます(作中では名前のみ登場)。

しかし、当人はあまり貴族らしい生活や振る舞いを好まず、
領民と交流を深めつつ、時には領民たちと共に農作業など労働する日々を過ごしております。




(以下重大なネタバレあり)



実は、彼女たち兄妹は王族の出自でありながら、
貧民出身の王子王女専属小間使い「テュシアス」として育成されていました。
(王子・王女として育てられていた子供たちが実は貧民出身)
あえて権力財力地位に甘えて堕落していく様を近くで見届けさせることで「反面教師」とし、
「自分はこうはなるまい」という意識をもたせて善き王族として育てる、
というのがテュシアス制度の意図です。
そして長子が成人になる頃合いに、堕落しきった王子王女はまとめてダムナートの儀で処刑されます。
(奇跡的に良心を失わずに育った場合は処刑されず、そのまま王城で優秀な人材として働くことになります)

マルラはテュシアスの頃の感覚や考えが染み付いてしまっているため(あとその他諸々の理由のため)、
自分が王族・貴族であることの誇りを持てずにいるのです。

◼️テーマ

役づくりでまず私がやるのは、キャラクターのテーマを決めること。
今回は「信頼とカルチャー」としました。

マルラは、相手が少しでも歩み寄れば相手に心を開くタイプだと思われるので「信頼」、
農耕だけでなく裁縫や料理などの労働作業、読書や音楽などの娯楽も好むであろうと思い、それらの活動を包括する意味での「カルチャー」としました。

カルチャー…
文化的活動…

これは場当たり前にふざけるオバサン

推し活も文化的活動か…
だからああなってしまったのか…


続く。



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