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小学校教員資格認定試験の勉強③~一次論述問題編~

小学校教員資格認定試験の勉強、シリーズ第3回目ということで、かなりマニアックな記事になっております。
今回は、一次試験のⅠ~Ⅳの試験のうち、Ⅲ・Ⅳの論述問題の対策について振り返って書きます。


論述問題ってどんな内容?

令和2年度の試験から試験内容が変わりました。
受験案内に書いてある文言から、どんな問題が出そうか予測を立てて勉強するしかありません。

与えられた情報はこれだけ・・・

教科及び教職に関する科目(Ⅲ)
小学校の各教科の具体的な授業場面を想定した指導法及びこれに付随する基礎的な教科内容(小学校の 10 教科の中から 1 教科を選択して受験する)
教科及び教職に関する科目(Ⅳ) 
教職への理解及び意欲,児童理解,実践的指導力等,小学校教員として必要な能力等の全般に関する事項


Ⅲ【生活】論述:私の対策

教科の論述は、過去問があるので、もちろん過去問を分析して傾向をつかむことができます。
ですが、試験内容が変わるということで、❝ 具体的な授業場面を想定した指導方法 ❞ というのが、今までと違うポイントとなりそうです。。
ということはわかっても、最初は何をどう勉強すればよいかわからず、とりあえず、学習指導要領解説を読み始めました。

そういえば、私が小学生の頃は、「生活科」なんてありませんでした。
生活科がどんな教科なのか、何を目指し、何を大切にしているのかを、学習指導要領解説を読み込むことで理解していきます。
論述でアウトプットするには暗記しなくては!と思いがちですが、まず理解することが大事です。
理解するには、どれだけ学習指導要領解説と向き合うことができるかだと思います。

▼理解を助けてくれた生活論述対策の仲間たち

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学習指導要領  改訂のポイント(兵庫県教育委員会)
学習指導要領解説の理解を深めるために、何かよい方法はないかなとネット検索して見つけたのがこの資料です。
論述対策するのに、「自分でQAをつくるとよい」という勉強法がありますが、理解が進んでいないと自分で問題をつくるのは難しいですし、時間もかかります。
この資料は、改訂のポイントがQA形式で載っているので、学習指導要領解説に書いてある内容をざっくり理解するのにとても役立ちました。
学習指導要領解説にも書き込みつつ、ここに書いてあることはアウトプットできるようにしようと何度も見返しました。

せいかつ教科書
教科書!これは絶対見ておいた方がいいです。
「がっこうたんけん」「はるのはな」「いきもの」など、オールカラーの写真やイラストが目に飛び込んできます。
楽しげな雰囲気とともに、単元で学習する内容がよくわかります。
学習指導要領解説の文章だけだと、なかなか湧かない、子どもの姿がイメージできます。
生活科の学習は、活動や体験をすることを前提としているため、子どもの姿を想像できることがとっても重要になってきます。
教科書に載っている様々な活動から、具体的な子どもの姿のイメージが広がります。
教科書に載ってる花の名前を意外と知らなかったり、勉強するモチベーションも上がるかもしれません。

小学校教育課程実践講座 生活
こちらは、実際に授業をする教員向けに書かれた本です。
❝ 具体的な授業場面を想定した指導方法 ❞ をカバーするのになにかいい本はないかなと探して購入しました。
学習指導要領解説のポイント理解にも役立ちますし、単元の構想や実際の活動事例が多数載っているので、とても参考になります。
勉強の息抜き(?)に読んでいました。


Ⅲ【生活】論述:試験問題と有効な対策

Ⅲの論述問題は、10科目分が1冊になっていました。
わき目もふらず、生活のページを開き・・・青ざめました。
・設問数が多い!(いくつ書かせるんだよー)
・例示が多い!(そんなに数浮かばないよー)
・解答用紙の指示がわかりにくい!(どうやって書けばいいんだー)
と、こころの中で叫んでいました(汗)。

▼実際の試験問題(Ⅲ)※生活はP17~19
https://www.nits.go.jp/menkyo/shiken/2020/files/mondai_shogakko1_003.pdf


なんだか、当てがはずれました。
指導方法といえども、学習指導要領解説に書いてあるようなことが問われるだろうと思っていました。
まさに、❝ 具体的な授業場面 ❞ ではありますが、具体的、いや、細かすぎませんか?!
頭に入れた知識を引っ張りだして、半分は想像をふくらまして創造して書くしかありませんでした。
教科書に載っていた活動風景を思い出して、絞り出して。それらしく。
それでも、全部は書ききれませんでした(時間切れ 涙)。

また、ややこしくしているのが、解答用紙の記入の仕方です。
Ⅲの解答用紙は、マス目のものが2枚配られるのですが、解答項目が多いと書き方の指示が複雑になり、とばして書くのに戸惑いました(時間がないので焦るばかり)。

有効な対策としては...
Ⅲの試験は、かなり細かい実践レベルでの解答を求められているようです。
学習指導要領解説の内容を理解したうえで、教科書の活動内容を頭に焼き付けておく必要があると思いました。
解説だけ完璧に覚えたとしても、不十分です(悲)。
それこそ「小学校教育課程実践講座 生活」に書いてある内容をまるっと覚えていたら、もっと楽に解答できたのかもしれません。
単元ごとに実施する具体的な活動について、目的や成果、どんな働きかけをするのか意図も含めて書けるようにしておく必要がありそうです(すべてを網羅するのは時間的にも厳しいけど)。
ネットで生活科の指導案を検索して、見ておくと単元での活動がイメージできてよいと思います。

それから...
全10科目の問題を見るとわかるのですが、設問の数や、解答の文字数は、教科によって違います。
教科によって答えやすさに差がありそうです。
科目選択が、合否の鍵を握ることになるかもしれません。
一次試験の中で、Ⅲの論述が一番難しいと思います。


Ⅳ教職論述:私の対策

Ⅳの論述は、令和2年度の試験で新設されたものなので、過去問から予測することはできず、手掛かりは、受験案内の文言と、試験内容見直し資料にあった次の文言。

教育者としての使命感や責任感、児童理解等、教員として必要な能力と適正の全般に関する論述試験

とりあえず、教員採用試験での論作文対策のいろはを押さえておこうと思いました。
論文と呼ばれる文章なんてしばらく書いてません。
本屋に走り、教員採用試験コーナーにある論文対策本をすべて見て、よさげな一冊を購入しました。
書き方の要点を理解したうえで、実際に鉛筆握って、テーマを決めて書いてみました。
800字を目安にしたのですが、なかなかうまくまとまらず、ずいぶんと時間をかけてしまいました。
4~5テーマ書いたら、何となく書き方のコツをつかむことができました。
Ⅳの論述対策は、試験一ヶ月前の、会社が夏季休暇の時に集中して行いました。

▼論作文の心強い相棒

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合格する論作文(時事通信社)
何気に買ったこの本、めっちゃ優秀でした!
手取り足取りとあるように、とてもわかりやすく丁寧に書き方を教えてくれます。
必出テーマに対する合格答案が載っているのはもちろん、重要語句に対する注釈があったり、そのテーマでの押さえておくべきポイントを詳しく解説してくれています。
さらに、”そのまま使える!とっておき資料”として、関連する答申や文書がまるっと載っています。
なんて親切なんでしょう!(ちょっと感動)
教育時事の理解にもつながり、読み物としても楽しめます。
読むだけですごく勉強になるので、おススメです。


Ⅳ教職論述:試験問題と有効な対策

Ⅳの論述は、解答用紙1枚(A3サイズだったかな)に、問題文も書かれている形式でした(だから問題は回収されてしまう)。
2問あり、それぞれ400字以内の記述でした。

▼実際の試験問題(Ⅳ)
https://www.nits.go.jp/menkyo/shiken/2020/files/mondai_shogakko1_004.pdf


問1 道徳教育について
学習指導要領からくるとは思わなかったので、ちょっと動揺しました。
問いを読んでも、何を答えたらいいのかピンと来なくて、学習指導要領に書いてあったようなことを必死で思い出して、何とか書きなぐりました。
書きながら、的外れなこと書いてたらとの不安もよぎりましたが、時間がないので、とにかく400字を埋めようと必死に書きました。

問2 学級経営について
同じようなテーマで、事前に800字書いていたので、比較的落ち着いて書けました。
400字なので、ポイントを絞ってコンパクトにまとめるようにしたら、順調に書き上げられました。

有効な対策としては...
テーマを決めて実際に書いてみることが大事です。
時間がない場合は、全部書かないにしても、いくつかのテーマに関して、自分の主張したいことや方策をまとめておくとよいと思います。
引き出しをたくさん持っておけば、当日あわてなくてすみます。
「合格する論作文」は、かなり役に立つはず。

プラス、問1の道徳教育のように、ある程度知識として持っていないと書けないものも出題されることがわかったので、学習指導要領や教育時事の重要ワードは、説明できるよう押さえておく必要がありますね。


論述試験まとめ

論述試験Ⅲ・Ⅳは、まとめて2時間です。
間に休憩はありません(せめて分けて欲しい…)。
ⅢとⅣの問題を確認して、どの問題から解くか判断し、時間配分を考え、書いていく必要があります。
迷ってる間にも、試験会場に鉛筆の音がカリカリと鳴り響きます。
まだ埋まっていない解答用紙を見るたびに焦り、1つの問題に集中できない・・・
時間ばかりが早く過ぎて、テンパりまくりました!(あんなにドキドキしたのはいつぶりでしょう)

一次試験は、朝9時から夕方5時までの長丁場。
その最後の2時間、ラスボスのように君臨するのが論述です。
私は、ラスボスに負けたと思いました。
生活の論述が予想外で、全部書ききれなかったので・・・
帰り道、生活論述の問題を悔やみながらトボトボ歩いたのを覚えています。

どんな問題が出ても、とにかく時間いっぱいいっぱい、頭と鉛筆を動かして解答用紙に書くこと。
学習指導要領に書いてあったこと、どっかの参考書で見たこと、きっとこうだろうと思ったことを、とにかく書く。
時間いっぱいまで諦めずに書く!

ダメだと思って確認した一次の合格発表で、自分の番号を見つけた時には飛び上がりました!
努力が報われたと思いました。諦めなくてよかったです。

論述試験は、模範解答がありません。
採点基準も明らかにされていません。
簡単には正解がわからないゆえの難しさがあるのです。



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