呼吸ができない

大人になってからの私は、なるべく自分のすの感情を第一に、それに従って自分の行動を選択してきた。だから迷いは少なく、後悔もほとんどしない。自分がしたいように生きているのだから。

それでもやっぱり自分の中に矛盾する気持ちが同時に存在したり、自分では気づかないところで矛盾していて、体に異変が出ることがある。

日曜の夜あたりからうまく息が吸えなくなった。

これは、私が不安やストレスを抱えているときになる症状の一つ。

今回の原因も、わかっていた。


Hちゃんの子供ちゃんと会ったこと。


かわいくて楽しかった。子供ちゃんも彼も喜んでくれた。それはよかった。また会いたい、一緒に遊びたいと思った。


だけど。


一方で、そんなことしてよかったのか、子供に対して、彼に対して、自分は責任を取れるのか、私の軽率な行動で、いつか彼らを傷つけてしまうのではないか。


そういう不安が沸き起こってきていた。


Hちゃんが、大好き。


これは本当。今は彼のことが一番大事で、好き。彼との時間を優先したい。

だけど、彼が完璧なわけではない。

一人とだけがっつり付き合うことは、結果として気づかないうちに自分を抑え、そのうちに爆発し、相手を傷つける形で終わりが来る。私は何度もそれを経験してきた。また、そうなってしまうかもしれない。その恐怖がまだぬぐえていないのに、今この一時的かもしれない気持ちに引っ張られて焦って突き進んだら…

でも、他の人と会ってる時に罪悪感を感じたり、どうせなら彼と会いたいなって思っちゃったりするわけで。


ぐちゃぐちゃになりそうな中、昨日の夜も彼と一緒にご飯を食べて、うちで過ごしていた。

昨日はいきなりエッチにならず、いろいろ話をした。

子供ちゃんのこと。私なりにいろいろと考えたこと。彼と奥さんの具体的な離婚理由や奥さんの話。

そこから、私が今ほかに遊んでいる相手が既婚者だってことを伝えた。

そうすると彼の顔色が変わった。


そこから彼の不倫や浮気に対する価値観を聞いた。


私が大人になるにつれ、重要視しなくなった「モラル」「ルール」「法律」。

彼はそれらを重要視し、不倫は許せないし、相手が浮気しているのを知ったら終わりだ、と言った。


「不倫してもいいっていうなら、それをちゃんと相手に確認してからすればいい。」

「墓場まで持ってくの?それでそれを隠している家族に看取られて、幸せに死んでいけるのかな?」

「まあでもやってる人の方が多いし、僕だってこの前既婚者とやっちゃってもう汚れてるし。」


彼の言うことは正論で。正義で。正しくて。それを言われたらそりゃ、何も言い返せない。でも、私には私の持論がある。これは経験から得たものだし。世の中にいくらルールがあって、それにのっとった「正義」があっても、立場や価値観の違う人が見れば、それは万人にとっての「正解」にはならないし、それを守って生きることが「幸せ」にはならない。

そしてかたくなに白黒、正しいかどうか、ジャッジするように話す彼を見て、きっと、幼い頃、女に走って自分たちを捨てた父親へのトラウマがあるのかな、と思った。

そして、彼の話を聞きながら、涙を流してしまった。ずるいとは思ったけれど、自分でも感情を処理しきれずに止められなかった。


「そっか…無理?私のことも、気持ち悪い?許せない?もう帰る?」


ここまで不倫に嫌悪感を持っている彼が、不倫を悪いと思っていない私とこれ以上一緒にいるのはいやなんじゃないかと思った。

でも、彼は帰らなかった。そして泣いている私を慰めてくれた。そして私も自分の思っていること、どうしてこういう価値観になったのか、どういう気持ちで彼らと付き合っているのか、彼らにどういう事情があるのか…自分の伝えられる範囲で伝え、人に自分の気持ちを伝えるのが苦手だという彼に、それを聞いてどう思うか、また尋ねた。


「Hちゃんは赤信号だと絶対に渡らない?渡るときもあるよね?それは周りをしっかり見て、大丈夫だと判断したら、でしょ。不倫のルールも同じ。人間ってのは状況を見て自分で考えて判断することができる。私が彼らと付き合ってるのは彼らが私がいてもいなくても奥さんとの間にすでに問題があって、それは私には関係のないことで。彼ら自身が向き合うこと。それとは別に、そういう状態だから、外に楽しみを求める気持ちがわかって、そこを私も一緒に楽しめてお互いにハッピーを与え合えるからいいとこどりで付き合ってるだけ。恋愛をしてるわけでも、家族から奪おうと思ってるわけでもない。結婚してても夫婦が完璧ではないから、そこに絶対的な操を立ててつまらない人生を送るくらいなら、相手を傷つけない範囲で、ほかで少しくらい遊んでもいいんじゃないか、そのハッピーを分かち合ってるってのが私の考え。プラスの方を捉えてる」


だって私が奥さんなら、ダンナにすべてを求めたくないし、求められたくない。ダンナは家族で、子供の親で、お金を稼いで来てくれる人で、生活を共にする人だけど、セックスも恋人気分も楽しむ相手ではもうない。できればそこは外でしらっと満たしてきてほしい。バレるようなまねはしてほしくないけど。そして逆に私がそれをしても、知らないふりしてさらっと流してほしいけど。


そんな夫婦、世の中にごまんといると思う。それが幸せじゃだめ?本人たちがそれでよければいいと私は思う。もちろん、すべてを向き合う気になれば、そうすればいいし。バレないように、細心の注意を払うことは、マナーだとも思うけど。まあそれも、バレても気にしない夫婦もいると思うし。要するにその人たちがよければそれでいい。


ただ、Hちゃんはそうではないわけで。私が大好きな人は、私が不倫することも、ほかの人と付き合うことも、本音ではやめてほしいだろう。でも、出会った時から私はこうで、彼もそれを承知でこういう関係になったから、彼は私にそれを求められずにいる。(口では一応言うけど)私がこんな人間のせいで、彼を傷つけている、そう思いたくはないけど(この考えは自己犠牲につながるから)、どうしてもそう思ってしまって、涙が出てしまった。


そんなことをたくさん話したあとでも、彼は

「帰らんよ。ねいちゃんのこと大好きやもん。ねいちゃんはかわいい。やさしい。僕に罪悪感なんて感じなくていいよ。」

そう言って…結局またたくさん攻められて、ぐちょぐちょになって…抱き合って寝た。


朝帰って行った彼からは

「昨日はいろいろ話せてすごくよかったです。ねいちゃんは変わらず、今まで通りでよろしくね。僕はねいちゃんのおかげで考え方とか変わりそうだ。心も体も鍛えてもらってますね。感謝でございます。」

そんなポジティブなLINEが来た。私は彼のこの素直さ、軽さが好きなのだ。ジメジメしてない。さらっとしてて、流れに身を任せつつ、無理をしたり、自分を押し殺したりするわけでもない。私は重くて意志がしっかりしすぎるくらいしてるし、考えすぎるくらい考えるけど、彼はそうじゃないからすごく楽。それでいて、私を気遣ってくれるし。理解しよう、癒やそうとしてくれる。元ダンナもあまり考えない人だったけど、私のことを理解する気もないくらい考えない人だったから、w少し物足りなかった。考えすぎる私が悪いみたいになってた。彼は考えすぎる私を否定はしない。それがありがたい。


まだ出会って1ヶ月だけど、彼とはほんとに居心地がよくて、とても好き。私が自分から好きになった人だけど、この人はチャラ男でもないし、ダメ男でもない。私だめんず卒業できたのかな??お互い離婚してて、障害は別にないし、この人を長いパートナーだと思ってもいいのかな。ただ、まだ職探し中だし、1ヶ月ではわからないから。12月くらいまでは前の会社からお金もらえるからゆっくり探すって言ってるし、私もせめて彼が再就職して安定した暮らしになるまでまだ焦らず今の状態で様子伺いでいいかなあ。


今日はクライマーI君とデートの日で。もしかしたらもう会えないって言おうかな、なんて思ったりもしてたけど、彼に昨日のHちゃんとの会話のことを話して。I君とは価値観が近くてよき理解者だから。彼に話してよかったなと思うし、やっぱり彼ともまだ切らなくていいかなって思った。彼もとても素直でほんとにいい人だし。


うん。もう少しゆっくり見て考えよう。今日ひさしぶりに農家Tさんからメッセ来て。彼からも複数の人と楽しむ人生でもいいんじゃないって言われた。みんないろいろ経験して発してる言葉だもんね。参考になる。やっぱり人との出会いは大事。セックスはコミュニケーション手段の一つ。今の私にはまだ、そうかなー。

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