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[好きな広告を勝手に解説するシリーズ番外編] TVCMにみる、そのサービスの課題や状況

好きな広告を勝手に解説するシリーズvol.8は、番外編です。今回は、広告からみえる、企業やサービスの課題や状況について。話をシンプルにするために、サービス告知のTVCMにフォーカスします。

TVを観ない人が増えたとは言え、いまだにTVCMは流れまくっています。もちろん有効な手段のひとつなのですが、手段ありきになっていたり、立てた計画どおりにある種の思考停止のケースは論外として、実はプロモーションではなく商品力をはじめとした他のことに課題があったりするケースが散見されます。

製品ライフサイクルでみてみます。

例えば、鉛筆という製品を生み出したA社がTVCMを打った、します。

①導入期は、字が書けることそのものがベネフィットとなるため、A社は「字が書けます」しか言いません。なぜなら字が書ける製品の競合がいないからです。

②成長期は、字が書ける鉛筆が売れてくると、競合が現れます。A社もB社もC社も「字が書けます」だと、消費者はどれを選んでいいか分からなくなる。シェアを獲得するために、「濃い字が書けます」だったり「消しゴム付き鉛筆です」だったりと、商品に付加価値をつけるようになります。これは良い競争ですね。

③成熟期は、付加価値のアイデアがマーケティング的には枯渇し始めます。(付加価値という時点でイノベーティブじゃないから。これはまた今度のどっかの番外編で。気が向いたら)。 となると、どうなるか。「あの文豪が愛用する鉛筆です」「みんなが使っている鉛筆です」「売上No.1の鉛筆です」となります。よく見かけますよね、有名人が売上No.1と叫んで終わるパターン。ただ、まだこれは良いのですが、「安さ」だけを売りにすると、どっちにしろいつかご臨終です。

で、ここが黄色信号です。もうすぐ赤になるよ、と点滅しています。衰退期の始まりなのに、パワープレーでごまかしているだけです。そこに、市場転換を狙うプレイヤーが実はひそんでいたりしますが、黄色信号横断中の人は気づけません。急いで前進しないと!と思って、左右や後ろから迫る自転車を確認してないのです。(ひかれちゃうよ!気を付けて!)

④衰退期は、もうどうしようもありませんww 「あの懐かしの鉛筆です」となります。あるいは「激安セール」です。もう飽きてしまった顧客に、再婚を懇願しますが、風前の灯。黄色信号を無理して渡る前に、冷静になれなかった。ここで、実はひっそりと次の手を冷静に考えていたシャーペンが登場し、鉛筆はお役御免となるのです。チーン。

という視点でTVCMを観てみると、「おー、すごいな、これ新しい!」「盛り上がってるマーケットだな!」「あらら、気を付けてね!」「いままでありがとう!」と、お酒のおつまみになります。

以上、広告好きの私見でした。

その他の「好きな広告を勝手に解説するシリーズ」はこちら。暇つぶしにのお供に。

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