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役員を辞めてみた! 新しいチームの在り方実験 ~事業編~

ランサーズの根岸です。

役員は辞めたけど、ランサーズを辞めたわけじゃないよ。むしろ、ランサーズのミッションである「個のエンパワーメント」、ビジョンである「テクノロジーで、誰もが自分らしく働ける社会をつくる」を促進するために、スモールスタートしてみた。クビじゃないからねー! たぶん。たぶんね。あれ?いや待てよ。↓こんな自己紹介してるやつだから、やっぱクビかなぁ笑。まぁ笑っとけばいいか。福来るだろうから。

でね。役員辞めてみたよ~って「バカじゃん」って言う人もいるかもしれない。まぁバカはそのとおりなのでご名答。ってか「なんで?」って思われそうですが、最も大切なことが何かを、無い脳みそをフル回転(空回りじゃん!)させて考えまくった結果、たどり着いたことでした。

実験テーマは「優劣の排除」

結論からいうと、「優劣を社会から失したら、みんなハッピーになれる」の仮説検証。時代の前提が変わったから、組織(人と企業の関係)の在り方も変わるよね。変えたほうがいいよね。もちろん変化している部分もあるんだけど、一部ねじれが生じてる気がしててね。どういうことかというと・・・

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↑ 上記図は「オフライン前提時代」の組織と事業の構造。
↓ 下記図は「オンライン前提時代」の組織と事業の構造。

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で、オンライン前提時代なのに、オフライン構造が混在してる部分が以下。

ねじれ

オンライン前提時代の事業は「実行ドリブン」になったほうがいいのに多くの実態は「計画ドリブン」のまま。事業推進における人の関係は「並列関係」がいいのに「上下関係」のまま。捻じれてるね!

でもさ、なんで「実行ドリブン」がいいの?

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事業は資本主義(モノ)から価値主義(コト)になったよね。カラーテレビ、マイカー、マイホームなど、モノを手にすることが自己重要感も、周囲もハッピーにした時代から、「ハワイに行く」ではなく「ハワイで何を体験する」というコトにお金を使う時代になっている。ゲンキンが要らないとは思いませんが、ゲンキンがあるだけだと意味がない。モノは手に入るけどコトは手に入らないからね。

で、モノは誰がみても同じもの。性能も値段も完全一致。割引キャンペーン等を除けば、メーカーA社の50型TVの〇〇という商品は△△円です。「あ、いや、今日作ったのは、51型なんです。で昨日のは50型だったけど、配線口がひとつ少ないんです。明日は赤い色が少し濃く映るようにします」とか絶対無い。だからゲンキンがあればOKだった。1万円は1万円分の「モノ」を必ず得ることができた。

一方で、価値観が「コト」になったから、1万円あっても1万円の価値を得られるか分からなくなった。場合により、1万円で100万円の価値を得られるかもしれない。定義が ”人それぞれ” になった。「正解」がひとつではなく、いくつもあって、しかも、どれも「正解」になったんだ。

正解がひとつの軸だった時代は、正解を探すために、一生懸命計画を練っていた。練って練ってネルネルネるね。計画3年・準備3年、そして満を持して実行! モノ消費の時代はそれでよかった。

でも今、多様な答えがあるコト消費の時代は、トライしてみないと分からない。「正解は何か?」は、お題がそもそも間違っている。ドツボのはじまり。だって、全部正解なんだもん!
まずは実行したうえで改良をする。その繰り返しでクオリティをあげていく。それが最もスピードが出るし、そもそもそうでないと成り立たないんだよね。スピーディーに実行を繰り返す。それ。

じゃ、どうやってスピードを上げるの?

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実行スピードの足かせは、ムダな報告・連絡・相談。いわゆるホウレンソウ。ホウレンソウが不要とは思ってないけど、大方針さえ共通見解があれば、アクションは野に放てばいい。でも、一つひとつのタスクまで承認してから動くルールになってしまいがちなんだ。

なんで、承認フローがあるのか? 

これが全てではないけど、答えのひとつはカンタン。組織のヒエラルキー。上下関係があるから、下はいちいち行動に承認を求める。上はリスクはないか?効率は良いか?などを考え始める。実行ドリブンの時代だから、リスクはないかと考えて停滞することがリスクなのに。効率は良いかと考えて停滞することが非効率なのに。マジメな上司ほどそうなるよね。習慣ってオモシロイ。

ちなみに僕は、報告・連絡・相談という承認フローにプラスして、議論 ”っぽい” 行為もこれに陥ると考えてる。議論といいながら解決策ではなく指摘になるだけのやーつ。名付けて「ホウレンソウして」 まさに上から下への関係が証明される発言!

上下関係の象徴「役職」は、優劣感覚を植え付ける。

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あるべき次世代組織の姿は、上下関係ではなく、並列関係(フラット)だ。そんなことの大切は多くの企業が知っている。だからこそティール組織とかそういうことに注目が集まる。従業員満足度の指標が重宝される。それはとってもいい方向だと思う。ただ、どんなに言葉で語っても、実態が伴っていないとなかなか浸透しない。その表れのひとつが、役職者が「社員がイキイキと!」とは言うけど、社員が「役員もイキイキとやってね!」とは言わない。少なくとも聞いたことがない。別に社員がそう思っていないという意味ではない。上の人にそんなことを言ってはいけない、言うもんじゃないという習慣なだけ。それ以外にも、たとえば、同僚には冗談を言ったりするけど、上司には言いづらかったり。

役職という "事実ラベル" が、見えない壁をつくりだしている。

役職が必要なのは、法的に不可欠なものだけかもな。まだわからないけど。でもね、役職が分かりやすい武器になる、というのは非本質的で、そういう目でみる相手との仕事は続かないし、逆に、役職を武器にしている限り、そこで成長が止まってるね。

とはいえ、役職というラベルが生み出す上下関係は、表層的な話でしかない。深層的には、上下関係からの優劣感覚なんだと考えている。前述したように「正解はひとつではなくすべて正解」の時代において、
・上司は部下より優秀である、とは限らない
・部下は上司より優秀かもしれない、とも限らない
とかではなく、そもそも、そういう優劣比較に意味がない。

でも、優劣感覚を双方に与えてしまう弊害が、スピードアップも、アイデアの発揮も、チャレンジする勇気も、何もかもを閉じ込める可能性を秘めてしまっている(という仮説)

だから、辞めてみた!

役員は偉いんじゃなくてロールであるというのがランサーズの考え。それは創業者の秋好がずっと言い続けている。社内では、一人を除いて「社長」って呼ばない。言霊じゃないけど、発言によって、見えない壁が生まれちゃうから。

でも、それでも、やっぱり、冠って、言葉って、思考を制御するから、ジャマかもしれないという仮説はあって。実態をできる限り ”みえるもの” にしていったほうが、手っ取り早いんじゃないかと思って。全部を一気にやるのは微妙だからスモールスタートしたってわけ。

・ラベル的に、上下感を減らす
・フラットに近づくことで、優劣感覚を消滅させる。
で、大方針だけ認識合わせをしたうえで、そうすると、
・実行スピードが上がる
・アイデアがカタチになる
・クオリティにプライドを持つ
・チャレンジする勇気が持ちやすくなる
・失敗しても挽回する意欲がわく
などなど、

いまのところ、まだ始めたばかりだからだけど、なんかマイナスってありましたっけ?というくらい。

やりたいことをやりたかったら偉くなれ。

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踊る大捜査線(写真は全然違うけど 笑)。いかりや長介が演じるベテラン刑事・和久さんが、ドラマの中でこう言うの。

「やりたいことをやりたかったら、偉くなれ」

実行ドリブンの時代だから、見切り発車的に辞めてみたけど、和久さんの意見も分かるんだ。そして、本当はそうかもしれない。組織が大きくなればなるほど、成長すればするほど、統率のしやすさは、もしかしたらそうかもしれない。

でもさぁ、「前提」は違うんだよね。ガラッと変わったんだよね。だからやってみる。

さぁ、どうなることやら。実験は実を結ぶのか、はたまた、大バカヤロウとなるのか。どちらに転ぶのか。どうなることやら!

***

今後については、適宜レポートしていこうと思う。上記の「オフライン前提時代」と「オンライン前提時代」の構造のうち、今回のnoteは、”ねじれ” がある左側の「事業」にフォーカスして触れてみた。

図1

でも本当は、ねじれの部分だけでなく、

・画一性 → 多様性
・相対的価値観 → 絶対的価値観
・会社>個人 → 個人>会社

なども影響しているとは考えている。何かを実現するためには、事業と組織が連動するからね。だからこそ、より一層、フラット社会にしたほうがいいと思っていて。それをやらないと、1億総不安社会が到来してしまうと考えているから。そのあたりは、今度は図の右側「組織編」として、近々書くわ!

上記のポイントなども含めて、この実験を通して、これからの新しい経営のカタチである「スマート経営のバージョンアップに活かしていきます。

ということで、
全国0名の期待と夢を背負って、勝手に実験スターーーーーーート!
(もし少しだけ期待してあげてもいいよ、という方がいいたら、ぜひスキしてください。そしたら頑張れる!)


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