「十万二十万の上流社会」
国語学者の上田万年は、日清戦争のさなか、1894年10月8日に哲学館で行ったとされる有名な講演「国語と国家と」のなかで、こういうことを言っている。
この前段は、漢文を学校で教えるかどうかみたいな話をしていて、絶対に研究するなと言っているわけではなく「高等教育としては、そのまさしく硏究せらるべきを主張するものなり」といい、漢学のようなものは、「國民の何十萬分の一にのみ、必要なりと認むる學科にてある」というのである。国語国字問題のかまびすしい時期のことである。
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