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みちくさのしおり

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いただいた本や、仕事のために読んだ本、学生に勧めたい本を備忘のためにまとめています。
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記事一覧

論文・レポートの書き方本紹介

アカデミックライティングの授業を持っていたとき、授業づくりの参考にしていた本を紹介しまし…

negadaikon
2か月前
28

読書国民の誕生

永嶺重敏『読書国民の誕生』(2023、講談社学術文庫) ※初版『〈読書国民〉の誕生』(2004、…

negadaikon
3か月前
5

近代日本思想案内

鹿野政直『近代日本思想案内』(1999年、岩波文庫)を紹介しました。 高校日本史をやって…

negadaikon
1か月前
3

苅部直『小林秀雄の謎を解く』

*ヘッダーは「近代日本人の肖像」より 新潮選書の一冊。 紹介文には「気楽な随筆に見えた雑…

negadaikon
3か月前
4

『読んで観て聴く 近代日本の仏教文化』

いただきもの。 日本の近代仏教研究が活発なのは、いまさらいうまでもない近年の研究トレンド…

negadaikon
4か月前
8

好きなマンガのはなし

とにかく更新せねば、などと思って過去最高にゆるい回になってしまいました…。これまで読んで…

negadaikon
5か月前
1

出版と平和

魚住昭『出版と権力』は、連載をもとにした講談社・野間家についてのノンフィクション。戦前期の野間清治立志伝は『「キング」の時代』などでも知られているところかもしれない。 むしろ私が興味を惹かれ、かつ印象に残ったのは、「出版を通じた世界平和」を目指していたという野間省一第4代社長の思想であった。 魚住氏はこれを「省一の思想の集大成ともいうべき言葉」としている。日本出版学会の背景ともおそらくつながってきそうに思える。 外国の絵本の翻訳を授業に取り入れている同僚の先生にもちょっ

谷口功一『立法者・性・文明』

白水社刊行の論文集。著者よりお送りいただいた。 昨年は、父親の病気や介護のこともあり、ほ…

negadaikon
6か月前
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R.ダーントン『検閲官のお仕事』

ロバート・ダーントン [著]ほか. 検閲官のお仕事, みすず書房, 2023.12. 978-4-622-09663-4. h…

negadaikon
7か月前
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エイコ・マルコ・シナワ著『悪党・ヤクザ・ナショナリスト』

原著2008年の本の邦訳(藤田美菜子訳)。大学の演習の輪読テキストとして読んだ。 演習参加者…

negadaikon
8か月前
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『葬送のフリーレン』を読んで

11月、シンガーソングライターのKANさんの訃報に衝撃を受け放心していた翌週、父親が他界した…

negadaikon
8か月前
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古内一絵『百年の子』を読んで

小学館の学年別雑誌をモデルにした100年分の出版史小説です。 図書館や出版、雑誌の歴史に…

negadaikon
9か月前

有山輝雄『近代日本メディア史』Ⅰ・Ⅱ

メディア史研究者待望の書。 私が2023年夏に読んで最も勉強になった本でもある。 1990年代以降…

negadaikon
10か月前
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書評と紹介 杉山亮『井上哲次郎と「国体」の光芒』

白水社より刊行された本の書評です。 『日本史学集録』第44号(2023年7月)に載せてもらいました。 井上哲次郎研究というのは、少し前から、思想史の若手中心にちょっとしたブームが来ておりまして、そこに深くかかわっていた著者の博士論文の書籍化であります。 井上哲次郎単体を扱ったモノグラフはこのところ出ておりませんし、また雑誌『東亜の光』のメディアとしての役割に注目した点で意欲作だと思います。同誌、近代日本の保守系学者が集まった雑誌のような扱いで、あまり従来掲載論説が注目さ