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少しラクになる方法【認知行動療法】② 人に言われたことを気にしてしまう人

 さて、今回で2回目になります。
「お前、誰だよ」という方は前回の自己紹介記事をご覧ください。


ということで、今回は「人に言われたことを気にしてしまう人」というタイトルです。

このタイトルに興味を持って、もしくは気になって、クリックしてくれた読者のあなたも同じように人に言われたことを気にしてしまう人かもしれませんし、そのことで現在も悩んでいたり、悩むことが多かったりするのかもしれません。
人の悩みは沢山ありますが、その多くが人間関係の中から生まれることが多かったりします。
その逆に多くの喜びも人とのやり取りで生まれたりもします。

人間は多くの悩みごとを持ちます。
そこには少なからず「考え方」が関係しています。少し難しい言い方だと「認知」といいます。
この認知が影響して、気分が落ち込んだり、問題行動が維持されたりします。
この「認知」と「行動」に変化を起こすことによって、問題や悩みを解決していく方法が「認知行動療法」といいます。
まぁ、文章でダラダラ説明するよりも、まずはこの四コマを読んでみましょう。

漫画①

 どうですか?・・・いろいろな感想を持つと思います。
私が思ったことは「絵上手だな、俺もこれぐらい絵が書けたらいろいろ出来るのにな」と思いました・・・はい、これも一つの認知です。

本題はそこではなく,Aさんが「意外と大雑把なのね」と言われ、その後、そのことを思いだし「あれって嫌味だったのかな、もしかして嫌われているのかな・・・」という流れです。
言葉の内容は違えど、これを読んでいる皆様の中にも同じように、何か人から言われ,マイナスに捉え、落ち込んでしまったことがあるのではないでしょうか?
「そんなことは人生で一度もない」という人は鋼の心をお持ちなのでしょう、おめでとうございます。


 さて、皆様は「大雑把」と言われたAさんの考え方「嫌われているかも・・・」について、どのように思われましたか?

・「考えすぎだよ」
・「マイナスの意味で言っているわけじゃないと思う」
・「そんな小さいことで悩んで」
・「そんな深い意味はない」・・・etc

・・・などなど、たくさん感想をお持ちだと思います。
どの答えも正解かもしれませんし、不正解かもしれません。
人間関係ってめんどくさいですね。コミュニケーションって難しいですね。と考えてしまうのも「認知」です。
つまり、世の中は「認知」で構成されているともいえるかもしれません。
こういう悩みを解決していくには,まず「事実」と「認知」に分けることが有効です。

この場面における事実は・・・

「Aさんって意外と大雑把なのね」と言われたことだけです。

Aさんが考えている中にくっついている「嫌われているかも」とか「嫌味だったのかな」はAさんの認知です。
あっているかもしれないし、あっていないかもしれません。


つまり、どういう風にも考えることが出来るということです。
Aさんと会話をしている女性たちは友達かもしれませんし、同僚かもしれませんし、先輩かもしれませんし、後輩かもしれません。今日初めてあった人かもしれませんし、10年来の友達かもしれません。食事中の会話かもしれませんし、単なる立ち話の一瞬での出来事かもしれません。

何が言いたいかというと会話はその文脈によって意味が違ってくるということです。
また、ここで使われた「大雑把」という言葉も嫌味なのか、誉め言葉なのか、そこまで意味がない会話中の合いの手みたいなものか。

note②挿絵_j


ちょっと話が小難しくなってしまいましたが、簡単にいうと「物事は自由に考えることが出来る」ということです。
認知行動療法では考え方を「ポジティブ」にすることを目的にしているわけではなく、現実的にとらえることを目的としています。

「大雑把」と言われ「嫌われている」に結び付けるのはいささか現実的ではないかもしれません。
そこだけで嫌われていると考えるには根拠が薄いです。

カウンセリング場面では、このように悩んでいる一場面を切り取り、現実的に考えて行く作業を一緒にしていきます。
考え方のバリエーションを増やしたり、こう捉えることもできるかもといったことを紙に書いたりしながら進めていきます。
そういうことを繰り返すことにより、考え方に変化が起こってきます。


7月にはNEFNEにて、認知行動療法を学ぶイベントを開催予定です。
日々の生活で感じるモヤモヤやしんどさを認知行動療法を使って少しラクにする、そんなお話ができたらなと、思っております。
詳細は以下をご覧ください。


 ということで、長くなりましたが今回はここで終わります。私が今気になっているのは「この文章でみんなわかってくれるかな・・・説明も正しくかけたかな・・・あーやっぱり文章書くの苦手だわ・・・爆発したい」ということです。「これも自分が考え、ただの認知」とわかっていても気になってしまいますね・・・では。


岡崎剛 / 臨床心理士、メンタルワークス大阪代表、三家クリニック臨床心理士
大学院修了後、地域若者サポートステーションにて勤務。「不登校」「ひきこもり」「ニート」などの本人や家族のカウンセリングを担当。また、相談室だけではなくアウトリーチ(訪問カウンセリング)、地域連携なども積極的に行う。現在は、臨床心理士として勤務しながら「メンタルワークス大阪」を開業し、幅広い精神疾患に対してカウンセリングを実施している。専門は「ひきこもり」「トラウマ治療」「認知行動療法」など。平成29年内閣府・専門分野横断的研修の講師などを担当。

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