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プレゼン・フォー・ユー B面 「そうなの?」

走ってまいりました。
『きよしこの夜、プレゼン・フォー・ユー!』でアイドルたちが走った道のりを。

今回のマラソンのレポ的なものについては、並走者であり企画者でもある松尾さんの方で書いていただくことになっております。この記事でも少しだけ僕サイドからの話をさせてもらっています。
松尾さんの方の記事はこちらです!

本記事のタイトルにつけた「B面」とは、イベコミュの再現としての二次的な側面の意味と、松尾さんの記事の裏側としての意味を重ねています。そして実はもう一つの意味を込めてダブルではなくトリプルミーニングのつもりで、これは隣につけている不穏な一言に関わります。
『プレゼン・フォー・ユー』には、一読した限りでは表立って意識されない、もう1つのストーリーがあることに企画計画段階で気づきました。これについて現地でいっそう確信を強めた読解を指してB面と呼んでみました。
それが後編にあたるこの記事のメイントピックになりますが、なにはともあれ、まずはこちらサイドでの振り返りをさせてください。



レポ(side:夏目)

はじまり

きっかけは松尾さんが書かれたこの記事です。

『プレゼン・フォー・ユー』で彼女らが走った経路がこうじゃないかと考えた結果、羽田空港のとこがよくわからんし「まぁ走ってみようか!」という結論に至っています。
その後リプライで「アッシもお供していいっすか……?」とお尋ねしたところ、快諾いただきまして二人で走ることとなりました。

実は、松尾さんとはイベコミュ『明るい部屋』直後にロラン・バルトの『明るい部屋』を目印にお会いして以来、仲良くさせていただいております。

ストゥディウム「待ち合わせ」

一緒に聖蹟桜ヶ丘に行ったこともあるのですが、昼過ぎに解散した後で僕が一人で【意地っ張りサンセット】のコースを走ったことが、松尾さんのランニング熱を焚きつけてしまったようで、実は今回の件の遠い発端となっています。

当時の記事(side:夏目)「聖蹟桜ヶ丘 現地レポ①」
当時の記事(side:松尾)「シャニマスPはランニングをしよう」


さて、因果にもこんなことになったのですが、実は計画段階ではそれほど怯えておりませんでした。というのも、僕はフルマラソンの経験が3回あり、数年来ほとんど走っていないのを差し引いても、ペース的にはかなり余裕があるだろうと思えたからです。

三峰曰く「空港までの距離、なんと約40キロ!」とのことで、松尾さんの記事にあるように13時スタートで19時ゴールの6時間あると考えればかなり余裕がある方です。
僕のタイムは42.195kmを4時間切るくらいで、全盛期のタイムを出せなくとももう少し短い距離を2時間追加してもいいと思えば余裕を感じるのも当然でしょう。
そういうわけで、我々はいくつかの違和感を黙殺しながら走破を決意したのでした。


1月2日

12:00頃に聖蹟桜ヶ丘に現着し、走る格好に着替えた我々は手伝いをしてくれるお二人に貴重品以外の荷物を預けました。
過去のフルマラソンでも12月に走ったことはなく厳しい寒さへの不安もありましたが、この日のために買ったランニングウェアとグローブを心強く身につけ、12:30 意気揚々と出発します。

すぐさま河川敷に出て、以降25km地点まで川沿いのランニングコースを走ります。歩道がどれくらい整備されているか走るまで知らなかったのですが、右岸と左岸を一往復した以外は本当にずっと交差点などのないランニングコースを走れました。
それでも、土手の上のコースと下のコースを選ばなくてはいけない場面などがあり、事前にコース確認をしたスタッフがいたに違いないと、表に出てこない人々の存在に思いを馳せていました。

しばらくのあいだツイート投稿予定時刻をメモしておいた紙を片手に走り、事前に下書きに貯めておいたツイートに写真を添付して送信しては楽しんでいました。(周囲の安全確認し、走りスマホにならないよう注意しつつ投稿しました)

しかし、コミュに準拠していた関係で投稿は前半に固まっており、途中から足が重く痛くなり、かすかに漂う絶望の匂いが刻々とキツくなってくるのを感じます。膝の痛みのひどかった松尾さんは尚のことでしょう。辛そうに走る背中を見て、「何かしなければ」という思いと「結局は本人が走るしかないのだ……」というもどかしさに駆られていました。
僕は上半身がガリガリかつ以前に脚を鍛えてたのもあって、体格的には走るのに向いています。なので走りに余裕はありましたが、自分としては努力の賜物というよりも向き不向きで楽できているような気持ちでした。松尾さんの方が忙しいなかやりくりして春先から走って準備してきたのに……と悔しい気持ちと色々な思いが相まって「なんとかせねば……!」と気持ちが滾りました。

もちろん、サポートできる範囲ではやりましたしペースも合わせたのですが、無力感は収まるものではありません。そうした悶々たる思いが、松尾さんが膝をいたわって大師橋までで断念したとき、羽田までの全力疾走へと僕を駆り立てたのでした。
羽田第一ターミナルまでの7kmを30分。ずっと維持できるペースでは到底ありませんが、フル換算で3時間前後のペースになります。自分で言うのもなんですが、めちゃめちゃ速いです。奇しくもチームヘルメスの快進撃を実現したかたちになりました。

19:00 羽田空港

ヘルメスたちの実際のペースは分かりませんが、全力疾走のときの肺の苦しさ視界のぐらつきを体験すると、冬優子がもう何も考えられずただただ走ったあのときに重ねてしまいます。
感情を速度へと爆発させていくあの感覚、走る苦しさが同時に快感でもあるような凝縮された時間でした。


以上を簡単なこちらサイドからの振り返りとしまして、少しだけ余談を続けます。当日は #リアルプレゼンバトン のハッシュタグを使いつつ、コミュを再現するツイートなどを仕込んでいたのですが、色々と用意したなかに社長へのプレゼントもありました。
イベコミュに忠実にプレゼントをぶちまけ、しっかり金のリボンで包装したのもこだわりポイントです。
そして、はづきさんが用意した(というていの)プレゼントの正体は「T.Amaiの名前入り万年筆」でした。

T.Amai

プレゼントを考えていた中で思いついた一品ではありますが、普通に自分で使いたかったのもありました。いざ書いてみると、元々持っていた万年筆よりも使い心地がよくて気に入っています。(ヘッダーの画像もこれを使って書きました。)それに加えて、天井努の所持品を持っているという自負が、この万年筆を特別なものにしてくれます。
ちなみに最後の最後まで、署名を”七草”にして「社長が持っていてください〜」と父の遺品を渡すはづきさんを演出しようか迷いました。


違和感

さて、本題に移ります。
企画段階から気になっていたのですが、イベコミュ『きよしこの夜、プレゼン・フォー・ユー』には奇妙な点がいくつもあります。

1.遅すぎる

まず、13時発で19時に間に合わないのは遅すぎないか、ということです。我々が交代なしで、だいたい12:30から18:30までかかったコースです。途中かなりの時間歩いていますし、最初の方も後半を見据えて軽く流すくらいのペースでした。
日頃から鍛えている彼女たちが6チームに分かれて走っていながら、我々と同じくらいの時間がかかって間に合わないというのはどう考えてもおかしいわけです。

暫定的にタイトルをコミュの始まりの瞬間に重ねて考えていきます。
第一走者であるチームピーちゃんに関しては、ある程度はっきりキロ数が出てきました。「13:15 PM」のコミュがはじまって実況組が少し喋ったあたりで甜花に差し込みがきます。これが3km過ぎた地点でしたので、13:15から少し経ってるとして3kmちょっとを20分くらいで走っていると考えてみます。
その場合、1km6分前後のペース。チームピーちゃんは他チームと比べてゆっくりめに走る方だと思うのですが、差し込み前のこのペースを維持したとしても40kmは240分=4時間でつきます。17時に着く計算です。

プレゼントを落としたり神社に13分滞在などのイベントがあるとしても、この後にはヘルメスの激走などが控えていますから、2時間も持て余すわけがありません。
我々のペースと比べてもコミュ内の描写的にも、19時に間に合わないのは遅すぎる計算になります。


2.時間配分がおかしい

あらためて区間について考えてみます。
コース全体は40kmで、アイドルたちが走ったのはそれぞれ約6kmずつ。このことは明言されています。

三峰:でも、サンタもなかなか大変なのです
   ──空港までの距離、なんと約40キロ!
(中略)
千雪:そうなんです
   6つのチームに分かれて、それぞれ約6キロずつ

13:15 PM

ところが、コミュタイトルの時間は奇妙に間があいています。
コミュ中のバトンパスの描写がなかったりもするので、確実に出ているところを整理してみます。

13:15  第一区間
13:32  第一区間/第二区間
14:11  第二区間(走行中にコミュ終)
14:48  第二区間/第三区間(実況交代)
15:06  第三区間(ゴール)/第四区間
16:57  /第五区間〜神社
17:46  神社〜第五区間/第六区間
added time 第六区間

引き続き、コミュタイトルの時間をそのコミュが始まった時刻と捉えてみます。
まず気になるのは第三区間の走行時間で、18分程度しか走っていません。これで6km走っていたらアスリートも驚きなので、現実的に考えてどれだけハイペースでも3kmちょっとくらいしか担当していないと考えた方がよさそうです。その場合、どこかのチームが埋め合わせで7〜9km走ることになります。

次に気になるのは第四区間。ここを走るのはチーム青春ジャージで、メンバーは夏葉と三峰と千雪。千雪のペースに合わせることになるのでしょうが、特段遅い印象もないこのチームが1時間51分も走っていることになります。
たとえば早歩きで1km8分としても13km、だいたい2区間分は進めます。さっき計算したチームピーちゃんのペース(1km6分)なら18kmくらい進めます。どうやっても辻褄が合いません。

さらに、17:46に社長と話して13分いたとしても18時、そこから大師橋まで移動して最終区間で19時に間に合わないのも微妙に納得がいきません。


3.日の入りの時刻

あさひから冬優子にパスが渡るイラストがあります。

S-SSR【プレゼン・バトン!】芹沢あさひ

後ろに日が差していますね。
時期的に走っているのはクリスマス付近ですが、この頃の日の入りの時刻は16:30過ぎになります。先ほどのコミュタイトルとの比較では、このシーンは17:46以降になってしまいます。

我々が再現したこのときが18:05くらいでした。後ろが真っ暗です。
当日の日の入りの時刻は16:39、クリスマスとさほど変わりません。

チームヘルメスが走り始める直前に、咲耶が「橋の上は風が厳しい」と言っていました。僕らの荷物持ちで手伝っていただいた二人が日の入りの頃にこの橋の上にいてくれたそうで、実際に風が強かったと言います。18時過ぎの時点では凪に近く風はまったく感じませんでした。
だとするとイラストのあさひから冬優子へのバトンパスは16:30頃の光景だったと考えるのが妥当です。

これまで見てきたように、時刻設定を現実的に考えていくとどうしても無理が生じます。これをシナリオライターのミスと片付けるほど我々のシャニマスへの信頼は浅くありません。疑うべきはここまで暫定的に従ってきた前提の方です。
つまり「タイトルの時刻はストーリー上の時刻を表していない」と考えるべきとなります。


時刻のあらわすもの

あらためてコミュタイトルを見直すと、もう一つ奇妙なことに気づきます。

お気づきでしょうか?
24時間表記であるにもかかわらず、PMと入っています。

このPMは本当に午後をあらわす略字なのでしょうか?
他に何がPMと略されるかを調べてみたところ……


private message


ということは、もしや

これは「その日の天井努と八雲なみとの通話記録」なのではないか?

天井努の携帯電話にはこのような記録が残っていたのではないか?

二人の集合は18時でした。ここに記されている時刻の最後は17:46。
最後の連絡で18時には間に合わないと伝えられたのでしょうか。
諦めとともに神社で待っていた天井努の姿が思い浮かびます。

神社で話す天井プロデューサーとアイドル

よくよく見れば、回想シーンの背景も夕方ではなく夜バージョン、クリスマスの18時にぴったりな暗さになっていました。アイドルと社長が会った時の背景は夕方でした。この点についても、この後16時半に橋でバトンパスするという仮説と整合性がとれます。(なお、アイドルが18時に神社と発言していることが仮説とバッティングしますが、これは後ほど処理します)


さて、もう一つPMと略されるなかに気になるものがありました。

phase modulation:位相変調
アマチュア無線などで使われる用語とのことで、何度も生じていた混線との関係が匂わされます。

これを受けて、当日の該当時刻のやりとりが混線してきたとみる案も考えました。つまり、その日の13:15のやりとりがプレゼン・フォー・ユーの日の13:15に重なってきたというような案です。

しかしこの仮説は、いくつかの理由で無理があります。
ひとつは「13:15 PM」「13:32 PM」「14:48 PM」にしか無線が入ってきていないことです。これでは、たとえば14:11に何が起きたか曖昧なままになってしまいます。

もうひとつの理由が決定的で、これは不覚にも長らく気づいていなかったのですが、同じメッセージが繰り返し届いているということです。どういうことか。
混線してきたメッセージを並べてみます。

13:15 PM
──………… オウトウ……セヨ…………── ……プレゼントヲオトシタ………… ──……トナカイ………… マワシテオク……
13:32 PM
──────── ──………… ……オウトウ……セヨ…………── ──………… ……オウトウ……セヨ…………── ……プレゼントヲオトシタ…………
14:48 PM
……レゼント……ッテイル── 18ジ……クウコウワキノ……トリイ…… ……ソウ……カワノソバ……── ……マツ……

次に、天井努の回想をみてみます。

応答せよ、こちら天井
なぜ来ない
……なに、プレゼントを落とした
──言い訳にならない
放っておいてこっちに向かうように伝えろ
18時空港脇の鳥居
マスコミを避けろ……そう河のそば
このあと中1日で
予備のネタも回しておく

16:57 PM

──私だ
彼女からの連絡は?
……プレゼント
まだそんなことを言っているのか
ともかくも見つけて連れてくるんだ
マスコミの方はなんとかする
──以上

16:57 PM

太字で強調を入れたところが混線と当時の天井努の発言とが重なるところです。
「空港脇」などの重複はわかりやすいですが「トナカイ」は「このあとなかいちにち」に潜んでいました。あとは「……プレゼント まだそんなことを言っているのか」も落ちつかないと見つかりません。(マツだけが見つからないのですが、マスコミとかでいいんでしょうか)

こうして整理してみると、この二つの通信が何回かに分けて届いていたらしいと判明します。したがって、その日の時刻との重複の線で考えるのは難しくなります。
しかし、いずれにせよ混線には違いありませんから、PMには位相変調の略としての含みもあるとは言えそうです。


さて以上を踏まえると、時刻はやはりプレゼン・フォー・ユーで走っているときとは無関係の「いつかの時刻」と考えるべきで、諸々の傍証をそろえていくと例の日の天井努と八雲なみとの通話記録というのが一番しっくりきます。

最終話のところだけ「added time」なのも天井プロデューサーにだけ残されてしまった時間と考えると収まりがいいです。



タイムリミットは何時か

さて、コミュタイトルがマラソンの行程の参考にならないことを踏まえ、実際はどのようなタイムスケジュールで進行していたのかを考えていきます。

足がかりとなるのは日の入りの時刻です。年によっても1〜2分異なるでしょうがイベコミュがリリースされた年の12/24は16:33でした。
聖蹟桜ヶ丘から大師橋までの走行距離は我々バージョンだと35.85kmでした。グーグルマップで調べたよりちょっと長いです。これを仮に6分/km、息は切れない程度に頑張るくらいのペースで走ると3時間35分かかります。

単純に引けばちょうど13時くらいに出発と考えられます。
走行時間に「甜花の差し込み」「プレゼントを落とす事故」「神社に滞在した13分」が加わりますが、5分/kmのけっこうハードなペースにすれば走行時間は30分くらい減りますから、結局13時スタートだといい塩梅になりそうです。
6kmくらいならメンバーによってはもっと速いペースを維持できますし、そうでもないと「みんなで頑張ったこと」とは言えなくなるでしょう。僕らの移動経路より短かった可能性もあるので、やはり13時スタートと考えるのが良さそうです。

してみると「遅すぎないか?」という疑問を抱かせるに至った、所要時間の過剰分は一手に最終区間のもとに集まります。(夏葉たちが長時間走った想定はタイトルと関連づけなければ、しなくてよくなります)
16:33頃に大師橋を出て羽田空港第一ターミナル(本当は第二が国際線なのですが僕が歩道で行けたのは第一でした)まで7kmです。第三ターミナルだともっと短くなります。ここに2時間30分かけて快進撃と言われるためには匍匐前進で行くくらいしないとおかしいことになります。

これをどう処理するか?
そのヒントを得るためにも、実はまだ残されている他の謎を洗い出してみます。


夏葉がおかしい

冒頭の実況チームにいる夏葉。我々の計算でもコミュの雰囲気でも13時過ぎと思われます。なのに

13:15 PM

「こんばんは」と言っているんですね。左上にLIVEって書いてあるのに。

これだけではありません。チーム青春ジャージが走っているときの夏葉のこのセリフです。

第6区間走破の後、進路を転換よ……!

15:06 PM

夏葉たちが走っているのは第4区間です。「13:32 PM」の実況交代のところで自分でも第4区間を走ると言っています。しかも、第6区間はすでに神社を去った後の空港までの道のりです。おかしいです。


数字のおかしさ

数字に違和感を持つと気になることがいくつかあります。

「18ジ……クウコウワキノ……トリイ……」と無線が入ったところです。
この直後にあさひは6時と言い換えています。

14:48 PM

ここからはちょっと自信がないのですが、さっきの区間の間違いで6から4に数字を2つ減らせばいいと気づくと、18時と6時では一の位が2小さくなるのが気になります。なにがしかの数字の操作があったと思いつきます。
また、先ほどの日の入りの計算では、あさひたちが走るのは16:33までの時間帯で、18時に走っていてはバトンパスのシーンが(我々の写真のように)真っ暗になっていたはずです。社長と遭遇したときの神社の背景が夕方であった件も考え併せると、神社には16時にいたと考えたいところです。
無線の18時を6時と言い換えて実際には16時を指しているとすると、「18時→6pm→16時」という言葉のあやみたいな変換がなされているようにも思えてきます。これもPMを軸とした変換とでも言えば意味ありげです。

プロデューサーの出発時刻についての言及も確認しておきましょう。
到着時刻について明言されているところは意外なほど少なく、最初の企画紹介ですら「時間までに空港に届けられなかったら」という言い方をしていました。シナリオライターの作為を感じます。
夏葉が出てきた後にプロデューサーの搭乗時刻は19時と三峰から説明がありました。
次に出ているのは恋鐘が「7時には、ちゃ〜んとゴールせんばね〜!」と言うところです。(ちなみにこの少しあとで夏葉が例の「第6区間」発言をします。)

時間変換?

19時と言われた後に7時と言われているこの手順は何か意味があるのでしょうか。先ほどの18→6pmと似ています。
「16:57 PM」でも摩美々が18時と言ったあとの別のシーンで真乃が6時と言っていました。同じ手続きで時刻が言い換えられています。
先にPMを軸とした変換と述べたのは「18(24時間表記)→6pm(12時間表記)→16時(実際の時間)」という変換でした。これは論理的には狂っていて、あべこべではありますが、連想ゲームとして考えればむしろ自然です。そして連想である限りはこの順番で出てくる必要があります。19時のときも18時のときもこの順番に時刻が提示されているのは、どうにも思惑を感じます。

錯綜してきましたが、もしこのメソッドに則っていいのであればプロデューサーの搭乗時刻は「19時→7時→17時」ということで17時になります。
なぜこのような奇妙な論法を滔々と述べているかと言えば、ゴールが17時だと先にしておいた計算と辻褄があうからです。

先に、第6区間であれだけ冬優子が必死になってるのに2時間半もかかっているのがおかしいという話をしました。しかし、リミットを17時に設定すれば走る時間は30分程度。その短時間で7km弱走るとなれば話は変わってきます。つまり、俊足の人たちが息絶え絶えになりながらようやく間に合うくらいの時間設定になるということです。


結論

ここまでの考察から、13時に出発して17時に空港ゴールを目指す行程である読みが一番有力に思います。
明確に18時や19時といった行程にそぐわない発言がなされていることについては、彼女らもまた「クリスマスの幽霊」に憑かれていたというので処理できないかと考えています。

この後に無線のSEが入る

「過去、現在、未来を見せる」らしいですが、社長は過去ばかり見せられている気がします。未来はどこに行ったのかということをあえて考えてみると、実際には16時のことを言いたいのに6時(pm)と「未来の時刻を言ってしまったこと」として理解しました。
夏葉の「こんばんは」もこの流れに乗っければ矛盾はありません。


残された謎

と、ここまできてなのですが、どうしてもスッキリしなかった謎がありました。そしてそれが『サマー・ミーツ・ワンダーランド』的な幽霊の関与を示唆するのではないかと思い至ります。

それは最初も最初のこのセリフ。

無線の接続が狂ったことを暗に示すシーンですが、めぐるのこのセリフをどこに入れれば良いのかが不明です。

最初なので出走前ということも考えられますが、なぜ第一走者でも最初の実況者でもないめぐる(チームヘルメス)が中継チームと連絡をとるのでしょう? 少し奇妙です。
特にこれまで見てきたような仕込みの数々を思うと、よりにもよってコミュの冒頭のシーンに、当時19人いたアイドルから敢えてめぐるが選ばれていることには何か意味があるのではないかと思えてきます。
そうした疑問を抱えると、出走前のやりとりとみなして済ますのは不自然ではなくとも不十分に感じます。

では、どこかの途中段階のセリフを先んじて出した演出と見るのはどうでしょうか?

ここで各区間での走者と実況の担当を整理してみます。
以下のような分担になっていました。

どこにめぐるが中継チームとの連絡をとるシーンを入れるべきかと考えたいところですが、そもそも「中継チーム」とはなんなのでしょうか?
「中継車」という語が使われていたので、実況組のことを中継チームと言っていると考えるのが穏当ですが、他に中継チームと言われていなかったことも気になります。
ひとまず謎として残しておいて、チーム・ヘルメスが無線を使いそうな場面を考えます。

まず、出走直前はアップしているところを実況のチーム一番星が見ていました。このときは無線が繋がっていることにすると、チーム・ヘルメスたちが実況しているところが怪しく思え、そしてここである事実に戸惑います。
それは、めぐる含めチーム・ヘルメスが実況していた描写は一切なかったということです。第3区間は描写が少なく、うさちよかめはゴールし終えたところだけが映されていました。それと呼応するように、チーム・ヘルメスも実況を交代しますと引き継ぐところのみが出てきてそれっきりでした。

以上を踏まえて、思いつきにまかせて線をつないでみます。
中継チームとは「実況」と呼ばれるチームのことではなく、中継車や走者の横にいるカメラなどを含むスタッフたちチームのことを指しているとします。そして、めぐるはスタッフたちからなる中継チームと連絡が取れなくなっていて実況できていない、という筋書きが現れてきます。
連絡が取れなくなったのはクリスマスの幽霊の影響下にある違う世界にみんながいて隔てられているから、と不思議な話として読み換えることが可能となってきます。
こういった見方をとることによって、「なぜ、一番最初の目立つところに、特にキーパーソンでもないめぐるが中継チームに応答を求めていたのか?」という疑問に答えることができます。


最終的な読解

自信はないのですが、これでも1つの謎解きの回答として提示するには足るかなと思っています。とはいえ推論がかなり飛躍していますし、煙に巻いているところもありますから、新たな補助線を入れて走者から中継チームへの連絡が途絶えたバージョンでも話を展開してみます。

実は先ほどの走者実況の対応表を作るなかで引っかかったことなのですが、第6区間でチームうさちよかめが実況に入ったときにプロデューサーがタイムテーブルの変化に気づいたことが若干奇妙に思えました。
個人的には予定していたのとは違うチームが実況担当になったと思わされていたのですが、チームうさちよかめが予定外であるとすれば、元々の予定の方がどこかのチームが重複して実況することになってしまい、おかしいじゃないかと疑問だったわけです。
ですが、その次のコミュでプロデューサーが「寄り道したって連絡あったけど」と言っているので、気付いたタイムテーブルの変化とは直前に甘奈が言った「ちょっと早くに来てもらった」ことに向けられていると考えることができ、ここに話を限定すれば問題は解消されます。

しかし、納得しきらないのは、夏葉の「第6区間」発言が念頭にあるからです。そこで以下のような仮説2を考えてみました。
夏葉がクリスマスの幽霊によって第6区間を走る「未来」なるものを見せられたとします。すると、チーム青春ジャージが第6区間を走るクリスマス時空が発生し、実際に第6区間を走るめぐるたちと干渉したと考えます。
出走前にアップしてるシーンが写されてはいましたが、その前後のどこかでめぐるが実況組と連絡を取ろうとして干渉を受けたのが冒頭のシーンの正体である、という風に考えると一応スッキリします。

あるいはもっと薄ら寒いのは、クリスマスの幽霊干渉以前の当初の予定ではチーム青春ジャージが第6区間を走ることになっていたが、干渉が発生してコミュのような順序になって、どこかの段階でめぐるだけが非クリスマス時空に取り残されていて、実況と連絡が取れなくなったシーンとする見方です。
この方針で整合性をとるのは難しいのですが、『プレゼン・フォー・ユー』の1つ前が『star n dew by me』なのを踏まえると、めぐるが誰とも連絡が取れなくなる孤独を感じることと重なってきて目眩がしてきます。最終、チーム・ヘルメスだけプロデューサーと会えてないのも妙に示唆的です。
とはいえ『star n dew by me』と重ねる見方は他の説にも適用していいので最後の薄ら寒いバージョンはやはり見込みが薄そうです。


色々と仮説は仮説のままではありますが、個人的には仮説2(夏葉の第6区間発言で発生した未来と干渉した)で一応すべての謎にカタがついたかなと思っています。
いずれもクリスマスの幽霊が関与しているという読み筋とも符合しますし、ここまで書いたらあとは読者のみなさんに投げていいところかなと思います。見直して気付きに悶えてください。

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