夏目草

基本的にシャニマスの話をしますが、関係ない話もします。

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基本的にシャニマスの話をしますが、関係ない話もします。

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プレゼン・フォー・ユー B面 「そうなの?」

走ってまいりました。 『きよしこの夜、プレゼン・フォー・ユー!』でアイドルたちが走った道のりを。 今回のマラソンのレポ的なものについては、並走者であり企画者でもある松尾さんの方で書いていただくことになっております。この記事でも少しだけ僕サイドからの話をさせてもらっています。 松尾さんの方の記事はこちらです! 本記事のタイトルにつけた「B面」とは、イベコミュの再現としての二次的な側面の意味と、松尾さんの記事の裏側としての意味を重ねています。そして実はもう一つの意味を込めてダ

    • セレポカレンダー 2024

      去年に引き続きセレポのカレンダーを注文しました。 さっそく到着し、改めてシャニマスの美しく物語性のある絵を大きな紙のうえで見る楽しさを堪能しておりました。 しかし、やはり見るだけでなく悩み苦しむ過程もまた大きな楽しみでありまして、今年も長い懊悩の内実を、その成果物の紹介を通じて話していきたいと思います。 あらかじめ目次として各月に選んだカードを記載しておきます。 場合によりコミュに触れることもありますので、ネタバレについては各々で自衛をお願いします。 1月 摩美々【フィド

      • 『ポールプリンセス!!』

        『劇場版 ポールプリンセス!!』を観てきた。 異常なほど面白かった。なるほどストーリー自体は一足跳びに進んでいってテンポが早すぎる感が否めない。情報としては必要最低限だが情緒のためには必要最低限以下、といった超速展開なのだが、裏を返せば感情面は全部ポールダンスでやるという気概で潔さすらある。 個人的には必要なところだけ抜き出して早く見せ場に行きたかったのだろうと思って特に不満もなく、「君らが観たいのはポールダンス、私らが見せたいのもポールダンス。そうだね?」的なメッセージを

        • あやうく巨大感情と言いたくなるほどの

          『リズと青い鳥』を観てうっかり巨大感情とつぶやいた。複雑で細やかな感情の絡まりがあまりに巨大で、感想をあやうくその一言で済ませかけた。 不思議なことに一言で感想を言いたくなる映画であった。 感想というやつは面白いもので、言わずにはいられないという時もあれば捻り出さない時もあり、うまく出てきたものには妙に納得させられたりもする。 言葉にすることでより明瞭に自分の感情に向き合うことができるし、「自分の」感情ではあっても完全に自分由来のものでもなく作品によって触発されたものだから

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        プレゼン・フォー・ユー B面 「そうなの?」

          『桜の園』公演

          PARCO劇場開場50周年記念シリーズとしてチェーホフの『桜の園』が上演されている。演出監督はショーン・ホームズ氏で以前に『セールスマンの死』の上演で人気を博した方だと言う。舞台にハマり始めて日が浅く寡聞なものでショーン氏のことは存じ上げなかったのだが、演出の意図がいろいろ見える舞台であった。 考えたくなる要素が色々あり満足感は高い。演技によって理解させられた登場人物の心情は多々あったし、この戯曲が示そうとするものをどのように汲み取り表現しているのかという思想面でも興味深か

          『桜の園』公演

          舞台『ダブル』の配信を観ました

          表題の通り舞台『ダブル』の配信を観ました。もう配信期間が過ぎているので、見れなくなってから感想を出すのもどうかとも思うのですが、感想をまとめるのは紹介のためというよりは自分のためなので出すことにしました。 原作は野田彩子さんの同名漫画で、まさに舞台をテーマにした漫画が舞台化されたというかたちになります。テーマというだけで、もちろん作品そのものが演劇になっているわけではありません。それを今回は演劇という形式でやっていますので、脚本もまた演劇用に変更されていました。演劇では一箇

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          筒井康隆「毟りあい」感想

          紹介してもらって読んだ本です。感想を書こうとは思っていたのですが、予想以上にインパクトがあり長めになってしまったのでnoteに投稿します。 沸き立つ思いが生まれるのはいい読書です。とても短い小説で読み切るまでに時間はかかりませんのでオススメしたいところですが、気持ちは消耗します。興味と余力と耐性のある方ならば、短いですしこの記事の前に読んでみてもいいかもしれません。 ともあれ、ここでは先に話を要約したうえで感想を綴ることにします。 要約 主人公の井戸が会社から帰ってくると

          筒井康隆「毟りあい」感想

          舞台『オンディーヌ』を観に行きました

          1月8日、『オンディーヌ』東京公演を観に行って参りました。 今回が人生初の観劇となります。 演劇には無縁の僕が観に行こうと決めたのは、わかる人にはわかる通り、和久井優さんが出演されるからです。 記事の長さから察せられるところではあると思いますが、結論から言えばめっっっっっちゃめちゃ楽しかったです。 本当にもう観に行ったその日からずーーーーっっと楽しくって。フォロワーさんが開いている通話に参加しては「オンディーヌがやばくって……」と感想を言いまくって場を荒らす妖怪になっていま

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          セレポカレンダー 厳選とかいう美学

          ご無沙汰しています。 しばらくシャニマスまわりのnoteを出せておりませんでした。 この度、執筆を意気込むことになりましたのは、さすがに何か書きたいなという気持ちを温めてきた日々の果てに、ついに話したいことができたからです。 端的に言えば、セレポのカレンダーの話です。 受注受付中のカレンダー企画、みなさんはもう注文しましたでしょうか? 2022年の5月くらいまでにリリースされただいたい全部のカードイラスト計721枚の中から自由に12ヶ月分のイラストを選んでカレンダーを作れ

          セレポカレンダー 厳選とかいう美学

          283のアイドルさんたちにカバーしてもらいたい!

          みなさまいかがお過ごしでしょうか。 梅雨入りが報告され連日の真夏日に自律神経を乱される日々ではありますが、私はそれ以上に心を乱されております。妄念にとり憑かれているといってもいいでしょう。 それというのは…… 関西を中心に展開するスーパーLAMUのテーマソングがアルストロメリアの曲に聴こえる!!! という妄念です。 この曲自体を知ったのがつい最近で、はじめはギャップで笑いながら「いい曲じゃ〜ん」と調子こいていたのですが、次第に耳が、身体が、LAMUを求め始め、離断症状を呈

          283のアイドルさんたちにカバーしてもらいたい!

          国道沿いに、ひとつ、ふたつ、

          【国道沿いに、憶光年】とノクチルイベント『天檻』が同時実装されました。いずれも心に訴えることこの上ないコミュで、タイムラインに流れる感想の多さもそのことを伝えているように思います。 僕も感想を……と思ったのですが、何を書けばいいのかわからず、正直言うとそれほどきちんと読めていない感触があります。 なので今回はおとなしくして……と思ったのですが、別件でちょっとしたひらめきがありました。 端的に言えば、透のカード名によく出てくる読点(、←こいつ)の意味がわかりそうだぞという話で

          国道沿いに、ひとつ、ふたつ、

          シナリオ10個で語る私のシャニマス年表

          この記事は自分の好きなイベコミュを並べて「いいよねぇ〜」と言い続けることで、シャニマスに興味があるけどどこから手をつけたらいいのか分からない人に向けての紹介となることを密かに期待して書いたものです。 なので好き勝手書きはしますが、ネタバレ的なものには配慮しているつもりです。 10個のシナリオで自分のシャニマス経験をまとめるというフォーマットにしてみました。 僕のデッキはこんな感じです。 コンセプトなど年表への簡単なコメントは後半にまとめています。 その前にどういう経緯で「

          シナリオ10個で語る私のシャニマス年表

          『太陽を盗んだ男』 感想など

          本アカウントはアイドルマスターシャイニーカラーズ(通称シャニマス)に関連した色々を投げるところなので、たいていの読者にはクドいかもしれませんが、少しだけ経緯を説明しておきます。 シャニマスに出てきたLPと呼ばれるシナリオで浅倉透が観ていたとされる映画として、この『太陽を盗んだ男』が話題に上がりました。映画座のようなこじんまりとした映画館で上映されるものを透は繰り返し観に行っていて、そのたびに寝落ちて最後まで観れていないという風に、シナリオ中では登場した映画です。 透のことを

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          火星の日曜日

          シャニマス4thライブで、アイドルそれぞれが自分の過去と未来へ向けて書いた手紙が出る演出がありました。誰しもが激しく心が揺さぶられたことと思います。 どのアイドルについても言いたいことはたくさんあるのですが、僕がしばしば情緒をめちゃくちゃにされている浅倉透がまたしてもやっていたことに触れずにはいられません。あいかわらずの浅倉節で一読する限りでは謎な文章ですが、そういうものほど丹念に読み込めば透なりに大切な何かが込められているものです。これまで透の言葉ひとつひとつに向き合って形

          火星の日曜日

          シャニマスは何をしようとしてるのか

          「YOUR/MY Love letter」の強烈な余波を感じる季節でありますが、いかがお過ごしでしょうか。 私はいまだに「はこぶものたち」を引きずっています。 さて、今回筆を執ろうと思ったきっかけは『YOUR/MY Love letter』の感想を述べるためというよりは、表題にある通りシャニマスが今年何を目標に掲げているのかについての考えがまとまりつつあるので、今のうちに書き留めたく思ったからです。 念の為申し添えておきますと、この記事は「これが答えだ(バァーン)」と示すも

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          シャニマスは文学だ、って

          シャニマスは文学だ、と言われることがよくあります。 僕もそう感じていますし何度かそう発言したこともあります。しかしどういった意味で文学なのかと聞かれれば、答えるのはなかなかどうして難しいものです。 僕がこれまで用意していた回答は、「なにがしかの思想を背景に作られており単にエンタメとして消費される以上の含みがあるから」というものでした。ふわっとしています。 他のやり方で文学性を認めることも十分可能です。たとえば文学的美しさなんて言い回しもありますから、直接わかりやすく示さない

          シャニマスは文学だ、って