聖蹟桜ヶ丘 現地レポ①
先日、念願の聖蹟桜ヶ丘を訪れた。
車内アナウンスが読み上げる停車駅のなかに、その名前があるだけで胸が高鳴る。シャニマスが始まって三年。その最初からずっと見てきた景色がそこで待っているのだ。興奮しない訳がない。
実は聖地巡礼をするのは今回が初めてで、したいと思ったのも初めてだった。行ったところで「あーっ、同じだーっ」となっておしまいになるような気がしていたからだ。
だけど、本当に行って良かった。
純粋な知識には還元されない豊かな経験があることを知った。
人が住む場所だから皆さんも是非!とおすすめするのは違うような気がするのだけど、あの感動を伝える文章が聖地へと人を促すものであることは無視できない。それに同じ楽しさを味わってほしいという気持ちが正直なところではある。
だから、聖蹟桜ヶ丘に行く場合は住民の方に配慮しつつも存分に楽しんでください。こう前置きをしたうえで話していきたい。
当日のルートは、実は聖蹟桜ヶ丘ではなく京王永山が出発地点だった。永山五丁目へ移動し、永山に戻ってからバスを使いつつ風吹く丘のイラストの場所へ向かい、いろは坂を通って聖蹟桜ヶ丘駅周辺を散策した。ここまでは同行者の立ててくれたコースで大変充実したものだった。
しかしせっかくならと、解散ののち、ゆうひの丘公園や橋へも単独行動した。
前半は浅倉透、後半は樹里と夏葉のことを主に考えてた気がする。
さて、巡ったコースを追うよりも言いたいことを言いたい順に言った方がまとまりが良さそうなので、時系列順に沿わないで話す。
聖蹟桜ヶ丘
まず、なんと言っても聖蹟桜ヶ丘という街の感想を伝えたい。
一言で表すなら「立つ場所によって景色が様変わりする街」だ。
山がちな地形でありながら駅周辺は平坦。往々にして平地がそうであるように街の中心地的な役割であった。大きめの商業施設があり、片側二車線の道路が一本通っている。郊外に住む人が車や電車で移動して行くくらいの規模感。
少し駅から離れれば二~三階建ての建物からなる街並みで、田んぼや畑が現れてこないところが田舎と違うところ。かといって最先端の流行をとらえるには心許なく、都心への憧れは残せるくらいの都市という印象。
駅前にもかかわらず道幅が広く、全体的に空間の広さを感じて気持ちが良かった。そういうところで景観の整った街並みを演出している気がした。
いろは坂
駅前は整った都会といったところで、自然と人工なら間違いなく後者だ。しかし人工物にしばしば付随する息苦しさのイメージは無い。そのことに空間の広さも一枚噛んでいるに違いないのだが、自然と喧嘩しておらず、街全体として見れば両者が混在していることも見逃せない。北には多摩川が流れており、南には急峻な山がひかえている。そこを湾曲しつつ走るのが「いろは坂」だ。
平地から唐突に(しかし自然に)坂が始まると全く景色が変わる。
まず、背の高い木々が目立ち、切り立った山肌は土が露出しているものだから、これから登山でも始まりそうな気分になる。坂道をほんの少し登ったあたりで街を見下ろしてみると、例の光景が広がる。
大崎甘奈の【お散歩サンライト】のガシャ演出でも登場するし、随所で背景として登場する。
実際の街と同じ位置関係である保証などないのだけれど、駅との距離感とか栄えてるところから外れ始めたあたりなんだなっていう土地勘みたいなものが芽生えてくる。
坂を登ったところにある描写は街の中心地から外れて住宅街に入って行っているということで、冷静に考えたら現地に行くまでもなくわかりそうなものなのだけど、妙な納得感がある。
公園
坂の途中にある公園。よく背景に使われているところらしいが、言われてもしっくりこなかった。とはいえ、写真で見てみると似て見えてくる不思議。
ちょうど桜が咲いていてきれいだった。
ここで鳩に囲まれてる真乃ちゃん何者すぎるし、そんな真乃ちゃんをスカウトしたプロデューサー何者すぎる。しかし、よくやった。
あのね……こうしたら……
見えないかな……って……
存在!!!
風吹く丘にはよ来んね
恋鐘のP-SSR【風吹く丘にはよ来んね】の背景に使われている場所。
『耳をすませば』でも登場するとかしないとか。
こことてもよくて、いろは坂を登った先にある住宅街を歩いていると突如、景色に穴があいたみたいになって開かれる。進んでいくと遠くまで見晴るかすことのできる展望があるのだ。
駅周辺や住宅街でも道幅が広くて開放的だったのだけど、それを遥かに超える広がりだ。なんだか良いことが待っているような気持ちにさせてくれる。すごい。
ゆうひの丘
言わずと知れた場所。ゆうひの丘公園と言う。
駅から見て永山方面のエリアにおける東側にあたり、事務所や寮のありそうな西側とは距離が離れている。
普通に景色がいい。風吹く丘と違うのは公園の草地の向こうに家々を眺められるところか。立派な樹が何本も目に入るし、空間のひらけ方も草地によるものとなるとまた雰囲気が変わる。
自然と人工の混在みたいなことはちらほら言ってきたけれど、ここは特にそうだ。
府中四谷橋
めぐるの【アイムカミングスーン】で写ってる場所であり、『アジェンダ283』でゴミ拾いをしたあの川。
長い。片道で500m以上はあるらしい。興奮気味に往復して写真を撮りまくっていたら途中で街灯がついた。
帰ってから調べたら、このタイプの橋は斜張橋と言うらしく、吊っているワイヤーの形状によって放射型・ファン型・ハープ型に分かれ、この橋はファン型っぽい。斜張橋は美しい橋として人気があるらしく、実際、遠くから見てかっこいいし渡ってみても楽しい。手すりがちょっと変わった形状だったし、歩道もけっこうしっかり確保されているので歩いて楽しいっていうのは設計思想にも適っているのかもしれない。妄想だけど。
ゴミ拾いをしていたとこ。千雪さんがやぶから出てきてびっくり、なんてあるのかって感じだったけど、ありそうな場所はあった。それにびっくり。
これだけ広ければアイドルが練習してても気付かれないのも不自然ではないなって印象。あと、真乃がここで落し物して探してたことあったけど、このスケール感を目の当たりにすると絶望感がすごい。
総括
はじめに聖蹟桜ヶ丘について、場所によって景色が全然違うと言ったように、駅前と坂道と高台の住宅地とゆうひの丘公園と府中四谷橋とでは別々の印象を与えることがわかると思う。
いろは坂などがあった山がちな場所から駅を隔てた反対側には、大きく多摩川が走っていて、聖蹟桜ヶ丘を彩るもう一つの自然景物なのだなと思った。山の方から歩くには少し遠いけれど、これだけ雰囲気の違う景観であるせいか凝縮されているようにも感じられる。そういった全体的な雰囲気も現地で時間を過ごした賜物だ。
景色のなかにはいつも住居が並んでいて、そこに住む人の息遣いを感じたくなる。人工と自然の区別では収まらない多様な景色を内包してみせる聖蹟桜ヶ丘という街は、様々な方向性をもったユニットすべての居場所となる283プロがあるのにふさわしい街であるように感じた。
それぞれの景色が喧嘩しないのみならず、ある地点から見る他の場所は光景の美しさを引き立てている、というのが街を練り歩いてみての実感だ。
さて、聖蹟桜ヶ丘に移動する前に長い時間をかけて散策をしていた永山地区だが、最近ずっと浅倉透のことを考えているせいで、軽い気持ちで書けなくなってしまっている。軽い感じで書くつもりではあるのだけど、ちょっと時間を置きたいのもあって、今回は現地レポ①ということにして続編に投げることにした。
おまけ
実は同行者と聖蹟桜ヶ丘駅で解散したあと、ゆうひの丘公園まで走ってみた。
道案内は、先日課金したMAPLUSの樹里&夏葉ボイスに任せた。
【意地っ張りサンセット】で二人が走ったであろうルートを二人の声を聞きながら走るという贅沢をしてみたかったのだけど、ちょっと信じられないくらい凄かった。
せっかくなので、おまけとして書いておきたい。
まず、コースだが2kmちょっとくらいとのことで、ランニングとしては短いくらい長さだ。そう思っていたから、途中までは人通りがあって走れなかったし、走れるようになってきても信号で止められたのもあって、ランニングにならないじゃないかと思った。
しかし、信号待ちの必要はすぐになくなり、大栗川を渡る橋を上がっていくことになる。ここら辺から頭が悪くなる。
まず、ずっと緩やか以上の勾配があって、せめて平坦なところでもあれば走りながら足を緊張をほぐすこともできるのだけど、そんな暇はない。急な坂よりもこれくらいの上り坂がずっと続くとちょうどキツイな、みたいな坂道がずっと続くものだから、歩いた方が速そうなほどにペースダウンしてくる。
しばらく進むと信号があるのだけれど、今回は歩道橋が用意されている。忘れてはならないが、このとき夏葉はランニングの話をしている。つまり登りを選ばざるを得なくなる。
そこから住宅街に突入するまで、つかのま平坦な道を走ることになるのだが、ラストスパートとでも言わんばかりに、急に道が角度をつけてくる。このとき樹里はランニングのことばかり話す夏葉にツッコミをいれている。坂は急なままである。足は動かず、平衡感覚が狂い始める。マジに吐きそうになって、ひと様の家の前で吐くわけにはいかないので歩いて呼吸を整える。樹里と夏葉はまだ話している。歩く。眩暈がする。話す。ふらつく。断片的な会話。歩く。100m先を右に曲がって。歩く。急な階段。歩く。眩暈。話す。歩く。眩暈............
突如蘇る記憶
樹里と夏葉が競い合ってここにたどり着いたこと
その話を以前に二人から聞いたこと
プロデューサーも走ってみたら? と言われていたこと
だから自分がここにいること
全て思い出した
という経験ができるのでMAPLUSどうぞ。記憶が誕生します。
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