「きれいごとなんて言わないぞ！」というタイプのきれいごとのこと

　まだ季節は完全に冬のはずなのに、この2月はなんだか暖かくてびっくりしてしまう。記憶のかぎりでは、私の居住地域が今冬で最も寒かったのは1月の10日前後で、これはタイやミャンマーの亜熱帯地域がいちばん寒いタイミングと同じなのである。私が子供の頃は、一年で最も寒いのは2月のはずだったのだが、これもグローバルな気候変動の一環なのだろうか。もちろん、あくまで今年だけの偶然的な事情なのかもしれないし、たまたま私の住所地が移転したせいで、そういうバイアスがかかっているだけなのかもしれないけれど。

　先日は「キレイごとぬき」を謳う著作の紹介エントリを出したけれども、この「きれいごと」というのは、わりと扱いに注意を要する言葉だと思う。たとえばツイッターのようなSNSでは、日々まさに「きれいごとぬき」を（時には明示的に、そして時には暗黙に）標榜する人々の発言が人気を博しているけれども、私には時折、そうした彼/女たちの言葉こそが、むしろ「きれいごと」そのものに見えることもあるからである。