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漫画を全て処分してみて分かった『手放す喜び』を感じるフローな生き方

今から6年程前、僕は家にあるすべての漫画を処分した。

その数、2000冊くらい。

僕の部屋の本棚には入りきらず、実家の屋根裏の倉庫にも保管してあって、それだけでなく妹夫婦の家の倉庫にも保管してあったんだ。

「そろそろ、どうにかして」

という母親や妹のお願いも聞き流し、かたくなに漫画を処分しなかったんだよね。

というより、処分できなかったっていう感じかな。

ここまで集めた漫画を処分する事に勿体なさを感じたし、全巻初版の漫画とか、なかなか手に入らない絶版になった漫画もあったから、

「ここまで集めたのに……」

って想いがあって、それを壊してしまうのが凄く嫌だったんだよね。


今から13年程前に僕はセミナー講師として起業した。

だけど、なかなかうまくいかず、生活がすぐに苦しくなっていったんだ。

そんな状況でも僕は漫画は売れなかった。

その時に古本屋に持ち込んでいたのは、ビジネス書とか自己啓発書、心理学、スピリチュアル本。

今現在の生活の糧になっている内容の本を処分し、漫画は処分しなかったんだよね。

当時もっていた『ワンピース』を全巻売るだけで1万円にはなったのだけど、なぜか僕はビジネス本などを処分し、1000円になるかならないかのお金を手に入れるという奇妙なことをしていたんだ。

それぐらい漫画を所有する事への執着が凄まじかったんだよね。


実は、漫画を所有していて不自由さを感じていたんだ。

まずは、スペースの問題。

次々と漫画が増え、本棚が増え、僕が動けるスペースが狭くなっていく。

そして、本の整理。

漫画は2,3か月に新刊が出版される。

その新刊を本棚に収めようとしたときに、うまく本棚に収まりきらないなんてことがよくあって、テトリスのようにきれいにピシッと本棚に並び変える。

これがなかなか面倒。

そして、埃。

本と棚板に間に埃がよくたまるので、掃除が大変。

その他には、買い忘れをしたり、同じ漫画を2冊買っちゃったりもしてたな。

そんなこんなで漫画に対して気を取られすぎているってのは感じていたし、時間やお金も使っちゃってるのは分かってたんだ。

それでも処分できない漫画。

だけど僕はその全てを処分することにしたんだ。


僕が全てを処分するに思い立った理由は、漫画を所有することに対するストレスに限界が来たから。

「なんで漫画にここまで気を取られなきゃいけないんだ!」

って怒りが湧いてきたんだよね。

そして、自分の人生に大切なものをみていくと、ここまで漫画を所有する必要は全くないことにようやく気付いた。

別に漫画が悪いわけでもないし、所有することが悪いわけでもない。

だけど僕の場合、漫画に執着があり、人生のほかの部分に望まない影響を与えてしまっていたんだよね。

だからさ、『所有』という執着を捨て去るため、一気にその全てを処分することにしたんだ。

漫画と同時に、100本ほどのDVDと数百枚のCDも全て処分することにしたんだ。


全て処分してまず感じたのは、

「あ~、スッキリした!」

っていう爽快感だったね。

処分するために段ボールに詰めているときはモヤモヤしてたんだけど、業者さんに渡してしまったら、もう後には引けないからかスッキリした気持ちになっていったんだ。

そこからさらに本棚の処分をする。

部屋が広くなる。

身体がこれまで以上に伸ばせる。

うん、良い気持ちだ。


所有ってのはさ、それが起きると2つの感情が湧いてくるんだよね。

1つは、それを手に入れたときの喜び。

もう1つは、それを失ってしまう恐怖。

これは、漫画だけでなく、人間関係や役職なんかもそうだよね。

好きな人と付き合えるようになった喜びはあるけど、同時にいつか別れが来るんじゃないかっていう恐怖。

その2つって同時に現れるんだよな。

手に入れたときは喜びが大きいから、恐怖は微細で気が付きにくいけど、実は同時に発生していて、喜びと恐怖の感じる度合いが時間の経過とともに変化していくような感じがしてるんだよね。

僕は、失う恐怖に取りつかれていた気がするんだよな。

漫画を処分することによって、これまでやってきた自分がなくなるような気がしてたのかもしれない。

やってきたことが無駄になる、価値がなくなるんじゃないかって恐怖があった気がするなぁ。

だから、漫画を処分できなかったんじゃないかって感じるんだ。


でもね、実際に漫画を処分してみて分かったけど、失う恐怖なんてのは幻想だったね。

僕は何も変わらなかった。

むしろ、「おめでとう!」といって称賛されたよ。

なんだこれ?

僕はずっと所有したら失う恐怖があるって思ってた。

だけど、それはなんか思い違いみたい。

もしかしたら、失うこと、というか手放すことは喜びなんじゃないか?

手に入れることは喜び。

手放すことも喜び。

もしそうだとしたら、所有し続ける必要はないんじゃないか?

そんなことを感じたんだ。

これは、何かを所有し続けるストック型の生き方ではなくて、右から左に流すフロー型の生き方に変わるんじゃないか?

もしも世界中の人が所有し続けるストック型の生き方をやめ、フロー型の生き方をしたとしたら、貧富の格差とか飢餓とか、世界の様々な問題が解決していくんじゃないかな?

って思うんだ。

失う恐怖ではなく、手放す喜び。

漫画を全て処分したら、それを感じることができたよ。

みんなもよかったらやってみて。

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