オスカーワイルド 「幸福の王子」

原作:オスカー・ワイルド 
翻訳:結城浩

「ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん」と王子は言いました。「もう一晩泊まってくれませんか」

「私はエジプトに行きたいと思っています」とツバメは答えました。「明日僕の友達は川を上り、二番目の滝へ飛んでいくでしょう。そこではパピルスのしげみの間でカバが休んでいます。そして巨大な御影石の玉座にはメムノン神が座っているんです。メムノン神は、星を一晩中見つめ続け、明けの明星が輝くと喜びの声を一声あげ、そしてまた沈黙に戻ると言われています。正午には黄色のライオンが水辺に水を飲みにやってきます。ライオンの目は緑柱石のようで、その吠え声は滝のごうごうという音よりも大きいんですよ」

アイルランドの文人、オスカーワイルドが自分の子供に読んで聞かす良い童話が存在し無いと感じ、二人の子供の為に自らが創作した童話。

幸福の王子とツバメとの会話の場面です。
冬が近付きどんどんと寒くなっていく町と、暖かく、まるで楽園のようなエジプトとの対比が見事ですね。当時のエジプトって、そう言うイメージだったのでしょうか。

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