妊娠発覚後親になる実感がわかないパパがすべき3つのこと

新しい命を授かるということ、父としてすべきこと

受精した卵子が細胞分裂と分化を重ね新しい命を形作っていく。子どもを授かるということはそれそのものが奇跡だ。自分の在り方、夫婦の在り方、そして家族の在り方を根本的に問い直し、変えていく。生まれてくる命はみな尊い。

ただ妊娠・出産において男女差は確実に存在する。男性にはつわりのしんどさも辛さも出産の痛みもない。子どもを産む大変さや辛さは肉体的にも精神的にも妻に一方的にかかってしまう。そういう意味で男性は無力だ。でもだからこそ父になるものとして何ができるか考えねばならないし、考える責任がある。親として何ができるか考え、向き合っていきたい。

僕自身、妊娠5〜6週の現在、父になるということに対しては実感がまだわかない。生まれてくる子どもに対してできることは何か。妻に対して何ができるか。正解はたぶんないけれど、自分なりに向き合って考えたことをしたためておこうと思う。決意表明みたいなもので完璧にはできないと思うけれど、それでもいつか僕と同じように新しい命を授かった人にとって参考になればうれしい。

1. 出産の不安や悩みを妻と共有できるようにする

恥ずかしながら、僕は出産については子どもができるまでほとんど何も知らなかった。何週で子どもが生まれるのか、いつどんなリスクがあるのか、どんな制度が利用できるのか。これから妻の身体に起こる変化と新しく生まれてくる命のことを何も知らなければ、何も打ち手が打てない。でも逆に正しく知れば、正しく備えることができる。

これからどんな変化があるのか、どんなリスクがあるのか。身体の変化が伴わない男性にとって、妊娠や出産を自分ごと化するためには、出産というものを正しく知っておくことが欠かせない。そもそも危機意識や課題意識を持ちにくいのだから、何が起こっているのかを知ろうと努力することから始めないといけない。

書店で本や雑誌を買いあさるのもいいと思う。オススメはTVドラマ「コウノドリ」を妻とみること。妊娠し無事出産できることがどれだけ大変で、どれだけ恵まれたことで、どれだけ奇跡的なことなのかよくわかる。

出産は命がけだ。妻が命を落とすことだってあるし、子どもが助からないことだってある。元気な子どもが生まれてくるまでには乗り越えなければならない壁が本当にたくさんある。流産しないか、早産しないか、障碍や先天性の持病を持ってないか。どれだけ医学が進歩しても、100%安全である保障はどこにもない。階段を踏み外したそのたった1歩が命取りになる可能性だってある。

でもその不安や悩みは夫婦で共有できる。ひとりで悩んでいては、気が滅入ってしまってたまったものではない。できるだけ夫婦で一緒に過ごす時間をつくる。産婦人科には必ず一緒に行く。そうすることで精神的な妻の負担を少しでも減らせたらいいなと思う。今一緒に向き合うことで夫婦の絆がもっと強くなると嬉しい。

2. 妻に身体にかかる負担を極力なくす

妻には毎日身体の変化が起こる。妻の身体に生じる変化や負担は大きい。特に妊娠初期(4~15週くらい)の悪阻(つわり)は人によってはかなり苦しいらしい。2日酔いのまま3カ月過ごすような感じだとか。信じられない。ゾッとする。

しかも僕は妻が妊娠するまで、オエッと吐くだけがつわりだと思っていたが、どうやら違うらしい。いろいろ調べていると、5種類もあるとか。多すぎぃぃ!

つわりには個人差があるので、複数の症状が出る人から全く症状が出ない人まで千差万別らしい。症状の程度も人それぞれなので、妻の身体の状態に即したサポートが必要になる。夫は妻のつらさを一緒に体感して苦しむことはできないが、家事を積極的に引き受けるなどの工夫で妻にかかる負担を減らすことはできるはず。

というわけで、まずはつわりの種類別に何ができるかを考えてみる。ちなみに僕の妻には明確なつわりの症状はまだ出ていないらしい。強いて言うと①吐きつわり、④寝づわりの軽度な症状があるくらいと言っていた。

①吐きつわり
オエっとなるやつ。食べたら食べた分吐いてしまう。食べられるものの種類が制限されることも。

体感はしていないのでわからないが、やっぱりこれは辛そう…3カ月毎日吐き続けるとか無理。症状がひどいと、吐くものすらなくなり胃液を吐き続けるらしい。この場合夫に期待される役割は、妻が食べられるものを探すサポートをすることだ。妻の栄養の補給源となる食べ物を見つけて妻を守らないと妻が倒れてしまう。ゼリーやアイスは食べられたと言っている人が多かった印象。もし妻が辛そうな時があれば、試してみようと思う。飲み物はカフェインを控えて。十六茶が飲みやすいらしい。

他にも油っこいものや味の濃いものは受け付けにくい人が多いようで、薄味の料理しか食べられなかったと言っていた人もいた。普段よりも塩分を控えた料理にするといいかもしれない。自炊スキル、大事!

あとは毎日こまめに妻のリクエストを聞いた方がよさそう。「身体に悪そうだからやめとけば?」は禁句である(言いそう…)。健康的かというと疑問はあるが、マックのポテトフライは食べられる「神食」と言っている妊婦さんが多かったので、あまり深く考えすぎずに大人しく従って買って帰るのが吉。妻が亡くなるよりは数万倍マシだ。

②食べつわり
これもオエっとなるやつだが、①とは逆。絶えず口の中に物が入っていないと吐き気を催す。

そんなことある!?と思ったが、意外と多いのだとか。このケースは妻の体重に注意することが大事。体重が増えすぎると、妊娠高血圧症、糖尿病などにつながり、早産などのリスクが高まるだけでなく、妻の身体にも悪影響が出てきてしまう。

・やせぎみ:妊娠前の体重+15㎏
・標準  :妊娠前の体重+12㎏
・太りぎみ:妊娠前の体重+9㎏
上記を体重の上限目安と考えておくといいと産科の先生が言っていた。体重は毎日決まった時間にできるだけ測るようにし、記録を夫婦で共有する。方法はなんでもいいが、今はスマホアプリがやっぱり便利だと思う。妻に勧めてもらったこのアプリがオススメ。パパになる男性へのアドバイスもあるのがうれしい。

あとは飴やガムなどで低カロリーのものを選ぶこと。ずっと口に入れていたいが、体重を増やしすぎるわけにもいかない。激しい運動もできない。そうなると口に入れるもののカロリーを抑えるしかない。

③匂いつわり
匂いに敏感になる。ちょっとした匂いが気になり、苦手になる

夫の匂いがダメになるケースもあるらしい。もしそうなると悲しいが、一時的らしいので耐えるしかない。夫としてできることは変な匂いをつけて帰宅しないこと。具体的には酒臭い、たばこくさい状態で帰らない、ということである。

柑橘系(ベルガモット、グレープフルーツなど)やミントの匂いが落ち着く傾向にあるようなので、気にならない匂いを見つけると妻の負担が軽減できる。

我が家は猫を飼っているのだが、その糞尿の処理は僕の方でやることにした。特にうんちはトキソプラズマ感染の恐れがあるので、妻にはやらせないに尽きる。

④寝づわり
とにかく眠たい。だるい。集中できない

夜はいつもより早めに休んで、睡眠時間を長めに取るように心かける。夫としてはできるだけ妻に休めるときに休んでもらって、睡眠を邪魔しないようにしたい。もろもろの家事をやることで休める時間を作る。

我が家は1LDKだが、寝室に光がかなり漏れる構造。IRの方なども同じだと思うが、家の構造による問題は何とか解決してあげたい。

⑤よだれつわり
日中も夜も絶えずよだれが出続ける。

あまり聞きなれないが、よだれに悩み人もいるらしい。ビタミンB6不足や、副腎皮質ホルモン(ストレスホルモン)の増加が原因のひとつらしく、食事内容にビタミンB6が含まれるニンニク、赤身魚、肉、ごま等を取り入れることで改善できるケースもあるとか。

妻のつわりの症状を理解し、求められているサポートが何かを考えてこれから動いていきたいと思っている。妻の大変さを軽減してあげることしかできないが、子育ては夫婦でやるのだからできることは妻に対しても子供に対してもなんでもしてやりたい。

3. 出産後の子育てを考え、必要な準備を

親になる以上、子どもの幸せを願わないではいられない。男の子でも女の子でもいい。願うのはその子が幸せな人生を生きてくれること。

だが、その幸せの基準は人によってバラバラだ。よりよい生き方とは何か、幸せとは何か、なぜ生きるのか、なぜ学び成長するのか本質的な問いにまずは自分が向き合わないといけない。そのうえで妻とすり合わせる。

そこから逆算して、バースプランまでを立てる。里帰り出産するか、帝王切開になったらどうするか、みたいなことを詰めていく。妻と話し合いながらにはなるが、夫はこのあたりのことを考え、先々の生活と家族像を設計していく必要があると思う。

僕たち夫婦は東京で共働きだが、互いの実家は京都と広島で距離が離れている。当面今僕が考えないといけないのは子育ての場所をどうするか、が一番大きな問いになりそうだ。正直両親が近くにいない環境で子育てはしたくないし、無理だと思う。家族はすぐに会える・集まれる場所にいる方がいい、単身赴任は考えられない、それは僕ら夫婦の価値観であり、「幸せ」のひとつの定義でもある。他方で今の仕事はやりがいもあるし、楽しいと思っていて手放したくない気持ちもある。異動できるか、転職か。起業の道もある。はたして転職して保育園は入れるのか。妻のキャリアはどうなるのか。家族で生きていける十分な収入は得られるのか。単純にUターンといっても、単身ではないのだから、考えることは尽きない。家族がいるということはそういうことだ。妻の人生、子供の人生も背負い、そして彼らに僕の人生を背負ってもらって生きていく。

住む場所が決まれば、家も引越しないといけない。夫婦2人ではなくなるので、家に求める要件そのものが変わってしまう。仮に東京で子育てするにせよ、今の家で育てるのは手狭と言わざるを得ない。そうなると妻の安定期が終わるまでには引越先の検討まで終えていないと厳しい。時間はあるようで限られている。

新しく生まれてくる命に向き合い、今の妻と向き合い、将来の家族の在り方と向き合う。その過程そのものが貴重だし、やっぱり奇跡だと思う。一瞬一瞬を大切にしながら、少しずつ未来を紡いでいきたい。痛みも代わってあげられないし、完璧な夫にもなってあげられないし、情けなくて申し訳ないけれど、それでも妻と子供に笑顔で生きていってもらえるようにできることを一つでも多くやっていきたい。

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