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啓発本に騙されるな! 〜全てはキミの思い込みなんだよ⑤

『引き寄せ』は魔法じゃない!

世間にいまだ「宝くじを買ってないのに3億円当選した」「小説なんて書いたこともないのに芥川賞を受賞した」さらに「部屋から一歩も出てないのにアイドルスターになって武道館を満員にした」などの言語明瞭意味不明な言葉が溢れかえっている。
ハッキリ言っておくが、この手の話は詐欺だ。
詐欺で悪ければデマであり、自身の承認欲求を満たすことが目的の作り話に過ぎない。

「今すぐ、行動を起こしなさい。ノイローゼの状態にあっても、不完全であっても、優柔不断であっても、不健康であっても、怠惰であっても、その他自らを正確に表現できないいかなる状態にあっても、とにかく前進しなさい。そして、できる限り最高に『不完全な人間』でありなさい。死ぬまでに成就させたいことをただちに始めなさい」

と言ったのは「ガーディアン」誌の記者オリバー・バークマンだったっけ?
とにかく「アクション」を起こさなきゃ、物事は始まらない。じっと座って夢を見ていても、それは夢以上のものにはなりえない。

潜在意識と顕在意識

仏教でいう『意識』とは──眼・耳・鼻・舌・身の5つの感覚器官に始まり、『過去』『未来』『現在』といった精神的な事物も含む。

これら意識が欲のために何らかの動きを起こすことが『業』であり、その始まりを『因』と呼び、結果を『果』とする。因果応報などという使い方もする。

人生には台本があり、この台本を書くのは他人では無く自分でなければならない。そのために意識を向け、自分が自分のための物語を綴る。仏教では「主体である自分」と「客体かくたいの台本」という二つを自覚することを「自証分」と呼ぶ。自身を俯瞰してとらえ、自分をコントロールする意識を指すものだ。

人はなぜ、夢の実現がうまくいかないのか?

どれほど努力しても、その努力が報われない日々が続くと自暴自棄になる。頭がおかしくなる。そしてオカルト染みた似非宗教へ走る。
だが、待って欲しい。
あなたのその現状は、実はあなた自身が望んだことではないのか?

人の脳は過去の経験から学び、その学習成果を今に活かそうとする。
それはかつて、人間が野生の世界で猛獣の声に怯えながら暮らしていた名残だ。
脳は危険を察知して避けるのではなく、「これは安全だった」という成功体験をなぞろうとする。
つまり、脱サラして起業しようとしても、「いやいや待てよ。おまえなあ、いまの会社そりゃあ不満はあるかもしれんけど社員でいたら将来安泰だろう」と脳の意識が囁くのだ。その誘惑に、何のことは無い自分自身が負けているにすぎない。
「おそらく無理だろう」とするマイナスの認識は意識に深く結びつき、自身の行動さえも抑制してしまう。これが、あなたが人生で勝てない理由だ。

だからこそ、強く、強く、願うのだ!

ノートに願いを書くのは、頑固で保守的な意識を抑え込むためだ。
「ええい、黙れ! おれは新しい世界へ旅立つのだ。邪魔をするな」
必死に、必死に、思考して「おれは、なる!」と日々念ずると新しいことを避ける傾向にあった保守的意識が徐々に、新たな革新的意識に引っ張られていく。
そのうえで「行動」を起こせば、それまでのようなマイナスの認識は影を潜める。

細胞生物学のブルース・リプトン博士は「私たちの思考は肉体を変え、人生を変えうる無限の可能性をもっている」と語る。

人は漠然と日々を過ごしているだけでは何も変わらない。
だからと「念じているだけ」でも成功には近づかない。
自らの意識を変え、自身を信じ、将来の台本を書き換えたら「さあ、行動しよう」その先にキミの世界はある。

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