きみ、アルバイトをする暇があるなら……6
神の嫌がらせに勝つ方法:
パソコンショップに勤めていた頃はゲーム猿だった。
無慈悲な現実を忘れて自由に動き回れる世界はゲームだけだったから。
とはいえコンシューマ(家庭用テレビゲーム機の正式名称:ファミコンやメガドライブなど)には手を出しませんでした。
会社の同僚がPCエンジンの「ぱろでぃうす」をやっているのを見た時はちょっぴり欲しいと思ったけれど、鋼の精神でFMーTOWNSを愛し続けた……時々PCー98に浮気したが、パソコンゲームしかやらなかった。
ジャンルは様々。
シューティングにアドベンチャー、ロールプレイング。
そのなかでもシミュレーション・ゲームは大好物でしたね。
定番の大戦略はもちろん、ショップの棚に並んでいたものは軒並み遊んだ。当時の流行りもあったろうが多くは戦争を題材にしたもの。
元自衛官からみれば「嘘くせぇ」設定てんこ盛りでしたが、そこは純粋にゲームとして楽しんだ。僕の中ではファンタジーでした。
今のアニメでいえば「幼女戦記」みたいな感じかな。
ジパングや自衛隊彼の地で……のような、政治的リアルなものとは別次元な
「よーし、パパ北方領土を奪還しちゃうぞ」と娘ときゃっは(๑・̑◡・̑๑)しながらプレイしている感覚ですか。
(もちろん娘はおりません。今後も出来る可能性はございません)
あれからン十年。
パソコンの進化とともにゲームも進化しましたね。
アドベンチャーゲームのCGは本当にCGで、まるで人間の俳優さんが演じているようなリアルなグラフィックが当たり前だし、ロールプレイングゲームはインターネットに繋がった世界中のリアルな御同輩たちと魔王をガチに狩に行くワールドワイドになっている。
そしてシミュレーション、特に軍事系ゲームのリアリズムは『社会的にアブナイ』くらいの香ばしさが漂っております。
究極の軍事戦略シミュレーション『Command: Modern Operation』はゲームという概念を超えてきた!
このゲームはかつての世界大戦から現在進行中のロシアvsウクライナのシナリオまで網羅されています。
それだけじゃなく「尖閣諸島に攻め込んできた中国人民解放軍・海軍と海上自衛隊との息詰まる攻防戦」などプレイヤー側でシナリオを作成し、それらをメーカーのウェブサイトを通じて配布出来るのです。その設定はリアルであればあるほど人気となる。
そう、このゲームはガチなのです。
僕ら一般人があくまでもゲームとして遊ぶ通常版以外にプロフェッショナル版があることは本ゲームのファンには知られている事実。
このプロ版はアメリカ国防総省をはじめとして世界中の軍関係者向けにアップグレードされているそうです。
ひょっとしたら日本の防衛省も購入しているかもしれませんね。
そこには父娘の楽しい会話などはなく「北方領土を奪還する」計画を無愛想な表情で淡々と進める将軍・提督らがいるかもしれない。
そんな香ばしい想いを抱きながら、僕は今宵も画面の向こうの戦場に赴くのでした。
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