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【子どもアドボカシー 3】ありのままのあなたのほうが、子どもは話しやすい。

子どもの意見を聴こうと、がんばりすぎないで。

シリーズの第1回・第2回を通して、とてもまじめに
「子どもの声に耳を傾けて、悲しい事態を招かないように!」と
書いてきましたが、締めくくりでお伝えしたいのは
「パーフェクトは目指さなくていいらしい」というお話です。
肩透かしな展開で、すみません。

私は子育てをしたことがないので分からないのですが
親御さんはつい「子どもを良いほうへと導いてあげたい」と
思ってしまうもの…ですよね?
子どものお手本になれるよう
完璧を目指してしまう方もいらっしゃると思います。

でも子育てって、毎日、想定外の連続でしょう?
ビジネスみたいに「中長期計画に沿って着実に推移」なんてことは
ありえないと思うんです。
(ビジネスも、そんなに順調には進まないけど)
それに、育児中の大人だって成長中ですもの、完璧なんて無理ですよね。

今回、アドボカシーについてお話くださった重永さんも
「子どもの話を聴くのは、3割できれば立派なもの」
とおっしゃっていました。
そのように笑顔でおっしゃる重永さんが
子どもの話を聴くときの気の持ちようについて
具体的な方法をいくつか教えてくださいましたので
紹介していきたいと思います。
肩の力を抜くヒントになれば、うれしいです。

いちばん有効な声かけは「あらら、そうなの」。

子どもが、親の腕や脚にからみついてきたり
黙ってちょこんと横にいたりすること、ありませんか?
それはまさに、話したいことがあるサイン。
こうしたときは、ゆったりした態度で
子どもが口を開くのを待っていればいいのだとか。
そのとき気をつけたいのが、次のようなことだそうです。

◆子どもの感覚を否定しない◆
ケガしているように見えないのに「痛い」と言ったり
たいして出血していないのに「血が出ている」と
子どもが涙ぐんでいるとき、それを否定しないこと。
本人が、痛いというのなら、痛い。
血が出ているというのなら、出血していると
受け止めることが大切です。
「構ってもらおうとして、大げさに言ったり
ウソをついたりしたら、みんな、あなたを嫌いになるよ」
なんて言わないであげてください。
子どもは「痛い」を皮切りに話したいだけですから。

◆大人はテンションを抑える◆
子どもがどんなに大きな声で
「痛い」「つらい」「いやだ」と言っても
大人はムキにならず、淡々と聞いてください。
そうやって子どものテンションを調整していくことで
子どもの気持ちは徐々に静まり
やがて自分が伝えたかった本当のキモチを
表に出せるようになっていきます。
子どもが荒ぶっているときに有効な声掛けは
「あらら、そうなの」といったものです。

◆話を聴く時間は、短く◆
子どもの思いをしっかり汲み取ろうとして、
カウンセラーのように話を聴いてあげる必要はありません。
毎回毎回、時間を割いて話を聴いていると
子どもはいつもそれを期待するようになりますし、
親は次第にその負担に耐えられなくなっていきます。
ダラダラ聴くより、短い時間で。
その状態を、当たり前にしてください。

◆子どもの話に白黒つけない◆
たとえば兄弟げんかが起きたとします。
兄姉も、弟妹も、それぞれ言い分があるでしょうし
両者に一理ある場合も
話がズレていると感じる場合もあるでしょう。
でも、それぞれの話を聴いた上で、親がするのは
「あなたの側から見たらそうなのね」と言ってあげること。
片方の肩を持ったりせず、否定もしないことです。
仕事のように、子どもの話を整理して
合理的解決を図る必要はありません。
だって、子どもは単に自分の言い分を
親のあなたに認めてもらいたいだけなのですから。
「人間関係においては、白黒つけない方がいい時もある」
という態度でいて、ちっとも構いません。

◆子どもの「勉強したくない」は聞き流す◆
親に、かろうじて聞こえるくらいの小さな声で
「あーあ、勉強したくないなあ」と、
子どもがつぶやくことがあるかもしれません。
でもそれは「やっぱり勉強しなきゃいけないよね…」
という思いの表れ。
自分で乗り越えなきゃいけない、子ども本人の問題です。
親が踏み込んで解決してあげる必要はなく、
自分で解消できるまで待ってあげてください。
どうしても気になって声をかけるとしたら
「そうね、勉強したくないよね」
「勉強って、めんどくさいよね」
と言ってあげるくらいでちょうどいいです。
間違っても
「つべこべ言わない!勉強はやらなきゃダメでしょう!?」
といった具合に、子どもの声をつぶさないでください。

◆思春期はカラダから発する言葉がある◆
思春期になると、子どもは内にたまったイライラを
言語化することなく、全身で表現することがあります。
そういったときは
「なんだか、すごくイライラしているね」と
声をかけてみてください。
たいていの子は「イライラなんてしてない!!!」と
またイライラして応えると思いますが
「私には、そう見えるのよね。なにか手伝えることはある?」と
重ねて声をかけてみると良いかもしれません。
体内にあふれたアドレナリンを解放させてあげ、
クールダウンさせてあげることも、時には必要です。

互いを受け入れあうことで、親も子も強くなる。

親に話を聴いてもらうとき、そこに一切の否定の言葉がなければ、
子どもは「親から、まるごと受け入れてもらえている」と実感でき、
「そのような無条件の愛を得ている自分には存在価値がある」と
自信をつけることができるのでしょう。
家庭における子どもアドボカシーのゴールは
そこにあるのだと私は思います。

見据えるゴールさえ間違っていなければ、
子どもとの日々のやりとりは
「ちょっとくらい失敗することもあるさ」といった気分で
おおらかに構えていていいのではないでしょうか。
講師の重永さんからのアドバイスをお聴きしていると
「子どもの意見をマジメに聴くぞ」と力む必要はなく
ニュートラルでいいのかな、という感じがしました。
時には子どもの態度にムッとすることがあっても
いいのかもしれませんね。

子どもが、あるがままでいいように
親である あなたも、あなたのままでいいんだと思います。
そして、子どもに、まるごと受け入れてもらえばいい。
第一、子どもにとって親は全面的に信頼するほかない人で
ほんとうは生まれたその日から親をまるごと受け入れているはずです。

親が子を、子が親を、まるごと受け入れあう。
こんなに否定のない人間関係を築きあえる間柄って、そうそうありません。
無条件の愛で強くなるのは、子どもだけでなく、親も同じ。
子どもの話を聴いていった先に救われるのは、親かもしれませんね。