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人馴れしていない猫こそ魅力的。元野良猫・サバがくれる“無限大の未来”の楽しさ

お家でくつろぐようにいすわっていたところを保護された、野良猫の「サバ」。

野良出身ということもあり、警戒心が少し強いサバ。しかし、好きなものには素直なところや、慣れてくると少し心を開いてくれる。そんな姿が愛らしい。

「少しずつ、仲良くなっていくプロセスが楽しいんです」

そう語るQUEUE(クー)の松本さんは、サバとの距離感の変化を毎日楽しんでいる。

今回は、無限の未来が広がる猫・サバの新たな一面に迫ります。

人のいる空間が気になる、でも近づききれない…


ーー neco-noteでも「野良出身」と紹介されているサバですが、QUEUEにくるまでにどんなストーリーがあったのでしょうか?

サバは、野良出身の猫です。依頼者さんのお家に入り混んでくつろいでいたんですよ。触らせてくるわけではなかったのですが、人がいる場所に堂々雨宿りしにきたりとか(笑)。

依頼者さんよりご連絡をいただき、捕獲器を貸し出しました。そして、依頼者さん自身が捕獲器を設置し、捕獲して、QUEUEまで連れてきてくださいました。

本当は依頼者さんもそのままお家でサバを迎え入れたかったらしいのですが、お子様が生まれたばかりで飼える状況ではなかったとのことで……。泣く泣くシェルターを頼ったそうです。

野生の部分は捨てきれないのも、サバの魅力のひとつ

ーー サバはどんな性格をしていますか?

やっぱり元野良なので警戒心が強いですね。敵に対して目をそらさない。じっと人の顔を見ますね。サバからしたら、これ以上近づくなよっていうアピールだとは思うんですが。

私からすると、猫っぽくて好きなんですけどね。人の顔を見る目が無意識のあざとさとなって、心をくすぐられます。触ろうとすると重い猫パンチが飛んでくるんですけどね……(笑)。

ーー 見つめられるときゅんきゅんしちゃいますよね。ハニートラップですね。

そうなんですよ。ハニートラップを仕掛けてきます。だから、サバにガッツリ触らせてもらえる人はいないですね。玄人のスタッフやお客さんは寝ている隙を狙ったり、背後から迫って少し撫でています

そんなサバだけど、おもちゃが大好きで食いついてくれます。おもちゃを通してだったら、サバは遊んでくれるんです(笑)。

ーー ちなみにちゅーるは食べてくれるんですか?そういう猫でもちゅーるのときだけ、人懐っこくなることもありますよね。

サバもちゅーるは大好きで、おやつやご飯のときだけ少しだけ歩み寄ってくれます。お皿にちゅーるを出すと、目の前で食べてくれたり。

ご飯をあげるときは、いつも私のそばまで来て「ご飯くれ!」ってアピールします。

そのときは、いつもの重いパンチじゃなくてソフトパンチなのは、彼なりの気遣いなのでしょうか。食いしん坊な一面を隠せないのは可愛いですね。

人からはまだ食べられず、練習中です。指や棒でちゅーるをあげると、猫パンチではたかれます(笑)。

人慣れしていない猫には、無限大の未来が広がっている

ーー 猫好きの松本さんはサバの警戒心が強い部分がたまらないと仰っていますが、どのような部分が可愛いのでしょうか?

一般的には人慣れしてない猫のほうが大変というイメージがあると思います。確かに大変な部分はありますが、それ以上に人馴れしていない猫には“無限大の未来”が広がっていると思っているんです。だから、私は人馴れしていない猫が好きなんですね(笑)。

人慣れしている猫は、ある程度の時間が経つと人慣れしきるんです。そして、飼い主もこのコはこういう性格なんだなってわかってくる。

しかし、なかなか人慣れしない猫は、徐々に仲良くなっていく過程を楽しめると思います。少しずつ人に慣れる部分が増えてきて、そこに小さな幸せを感じられるんです。慣れてくれたときの達成感は半端ないですよ。あ、落ちたみたいな(笑)。

慣れて来る部分が増えてくると、どんどんそのコの魅力を引き出したい、伝えたい、ってなります。次は、どうやってこのコを振り向かせようか考えたりしています。

人慣れしていない猫の譲渡先は、「猫と仲良くなっていくプロセス」自体が楽しめる方ですと安心してお渡しができますね。

ーー たしかに…仲良くなるプロセスが楽しめないと不安が残りますよね。譲渡した後でも気になっちゃいますね。

そうなんですよね。お迎えしたコが何をしても可愛い。本当に人間の子どものように大事に扱ってくださる方だと、すごく安心しますね。

定期報告は義務付けてますが、最低年1とハードルをさげています。しかし、自分の子どものように可愛がってくださる方だと、そんなに連絡がなくても心配になりません。

いい飼い主こそ、頻繁に連絡をくださるので。

🐈 🐾

明るい未来は、楽しめる人にこそ訪れる

たまに「私はこのままでいいのだろうか。この先どうなるのだろう」と無性に不安にかられるときがある。

しかし人と一線をおきながらも、少しずつ心を開いていくサバ。そして、そんなサバを大きな愛情で包み込んでいる松本さん、スタッフさんやお客さんの話を聞いて「なんてお互いにいい関係なんだろう」と素敵に感じた

未来とは、きっと誰しも描くことができると思う。それをどんどん可能性のあるものにしていくのか、閉ざしてしまうのかは、その人の向き合い方次第。サバは私に未来を楽しむ方法を教えてくれた気がした。

無限大の未来を持っているサバの物語は、仲良くなるプロセスを楽しめる家族と出会った日からまた動き出すであろう。

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