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仲良し凸凹コンビのハリー&ベンツは今―“推し”から“家族”になった猫たち

「ハリー」と「ベンツ」は性格は真逆、でもとっても仲良しなふたり。

宇都宮にある保護猫団体「てんしんらんまんな☆ラッキー」さんから、菊地さん夫妻に引き取られました。(2匹の保護のストーリーはこちら

neco-noteでたくさんのバディから応援されていた彼らは、新しい家族に引き取られた後どんな生活を送っているのでしょうか。

「今では猫が夫婦共通の趣味になりました」とうれしそうに語る夫妻に、“ハリ&ベン”との日々についてお話を伺います。

響きわたる豪快な足音…その正体は人見知り猫 

ーー さっそくですが、ハリー&ベンツとの出会いを教えてください。

菊地 裕之さん(以下、裕之さん):
宇都宮にある保護猫団体「てんしんらんまんな☆ラッキー」さんを訪問したのがきっかけです。

妻が「こんな保護猫団体がある」「この団体には、こんな猫がいる」など、事前に調べてくれていて。てんしんらんまんな☆ラッキーさんも、そのなかのひとつでした。

本当は、ハリ―&ベンツではない猫に会うつもりで訪問したんですけど……。 

そのとき別の部屋から「ドスンドスン」ってすごい音が聞こえて、その音の正体がハリーでした(笑)。

ずっと隠れていると思ったら、急に飛び出してきて。結局、ハリーがその日1番長く私たちと遊んでくれました

ーー 人見知りなハリーが初対面の人と遊ぶなんて、驚きです!

裕之さん:
ボランティアの方にも「ハリーが初めての人と遊ぶなんて珍しい」とびっくりされました。

「そうなんですか~?」って言いながら、内心すごくうれしくて。ちょっとニヤニヤしちゃいましたね。

ーー 僕が伺ったときは、塩対応でしたよ(笑)。それで傷ついた心を、ベンツがそっと包み込んでくれる……みたいな。おふたりは、ハリ&ベンにどんな第一印象を持ちましたか? 

裕之さん:
第一印象は、シンプルに「でかい!」でした。ふたりとも猫を飼った経験があって、一般的な猫のサイズを知っているから、余計に(笑)。

ちょっとずつ縮まる距離…ついに決めた覚悟

ーー その後すぐ「この2匹を引き取りたい」と気持ちが変化したのでしょうか?

裕之さん:
すぐに「この2匹を引き取ろう!」とは考えなかったですね。いろんな猫たちと触れ合いながら、私たちを受け入れてくれる猫との出会いを待とうと決めていました。

ーー てんしんらんまんな☆ラッキーさんには何度か通われたんですね。

裕之さん:
最終的に3回、里親会に参加して決めました。それまで、いろいろと悩みました。お迎えしたあと、猫たちにちゃんと受け入れてもらえるかとか……。

ーー「ハリ&ベンを引き取ろう」と決めた明確なきっかけはありましたか?

裕之さん:
ハリ&ベンのトライアルを決めたキッカケは、ハリーだったと思います。

ベンツは初対面の私たちをすぐに受け入れてくれたのですが、ハリーは人見知り、猫見知りが激しくて。最初はベンツの陰に隠れてばっかりだったんです。

それが2回目に伺ったとき、なんとなく、私たちを覚えてくれている気がして。これならハリ&ベンを家族に迎えても、うまくやっていけそうだと思いました。

ーー少しずつ距離が縮まっていった感じだったんですね。もともと2匹で迎える予定だったんでしょうか?

裕之さん:
はじめは多頭飼いをしようとは考えていませんでした。ふたりとも、猫との暮らしにブランクがありましたから。

しいて言うなら、「このコを迎えたい」って思ったコが1匹飼いに向いているなら1匹で、「一緒のほうが幸せ」ということなら2匹一緒に引き取ろうくらいは決めていたかな。

猫が抱える背景まで、受け止めたい

ーー 1匹でも2匹でも迎えられる心持ちだったんですね。

裕之さん:
そうですね、猫に対しての条件は決めていませんでした。

幸運なことに夫婦ふたり暮らしで、住まいは一軒家という環境でしたから。お互いの相性とか、猫が抱えている背景しだいで、臨機応変に検討しようと思っていました。

菊地 あきこさん(以下、あきこさん):
実は私は、2匹一緒に引き取りたいって考えていました。

保護猫団体から引き取る場合、「兄妹猫だから一緒に」など条件を提示されることも多いと聞いていたので。

ーー あきこさんは最初から2匹でも大丈夫だと考えていたんですね。あのでっかい2匹を(笑)。

あきこさん:
あの大きさを2匹とは、さすがに想定外でしたけどね(笑)。

家族になったからこそ分かる2匹の変化

ーー お迎えしてから、ハリ&ベンに変化はありましたか?写真を見る限り、とくにベンツは表情が落ち着いたな~と感じるのですが。

裕之さん:
ベンツは、仔猫のように甘えてくれるようになりました。素直に甘えてくれるので、うれしいです。

あきこさん:
ベンツは撫でたら、すぐにゴロンってするよね。

ーー いいな~!ハリーはどうですか?今でも2匹は、ずっとくっついている?

裕之さん:
それぞれ好きなところで休んでいて、でも気が付くと一緒に並んでいて。
(ハリ&ベンのマグカップのイラストを見せながら)ほら、このマグカップのイラストみたいに。とにかく、すごくかわいいですよ。

ーー 2匹ならではの一体感というか、溶けあってる感じがしますね。ご夫婦ともに子どもの頃、猫と暮らした経験があると伺いましたが、そのときに比べて違いはありますか?

裕之さん:
子供の頃、初めて飼った猫は半分外、半分家ですごす飼い方でした。基本的にはほったらかしで、あまり触らせてもくれなくて。自分で獲物をとってくるような感じでしたね。

その後に飼った猫は、完全に室内飼いでした。小さい頃から一緒にいたので、人が大好き。最初に飼ったコとは、まったく異なるタイプでした。

あきこさん:
私は、小さい頃からいろいろな動物と暮らしましたね。あっ……!

ーー どうされましたか?

あきこさん:
いま、ハリーがベンツにフラれていました。ハリーはベンツに甘えたくて、でもベンツはひとりでゆっくり寝たかったらしく、一触即発の状態でした(笑)。

猫中心の毎日が幸せでしかたない

ーー フラれたか~!ベンツのそういうところ、変わっていないですね。ハリ&ベンと暮らして、おふたりに変化はありましたか?

裕之さん:
たしかに2匹のご飯を準備したり、トイレを掃除したり、やるべきことは増えました。

でも、そういう時間も猫と暮らすうえで、とても大切だなって思います。「ちゃんとご飯食べてるな」とか気づけることが多いので、私にとってはうれしい時間です。

もちろん、1番うれしいのはハリ&ベンと一緒にいる時間ですよ。

以前は外出する機会も多かったのですが、最近は「2匹が待っているから早く帰らないと」って。最低限の用事だけ済ませて、早々と家に帰ることが増えました

今では夫婦2人とも「趣味」=「猫」と言えるほど、完全に猫中心の生活です(笑)。

ーー 猫中心の生活って、受け取り方によっては大変そうに聞こえますよね。

裕之さん:
「行動が制限される」と思う方もいるかもしれませんが、僕たちはそうは思いません。猫たちをほったらかしている時間に、幸せを感じないから。

だから何かを我慢しているとか犠牲にしているという感覚は、まったくないんですね。 

ーー ハリ&ベンとのノロケ話はありますか?例えば「帰宅したら、まず猫に挨拶する」とか、「一緒に寝ている」とか。

あきこさん:
いま言ったこと、ぜんぶ当てはまっています(笑)。

裕之さん:
帰ってきたらまずハリ&ベンに挨拶して。それから撫でて、おやつをあげて……。自分のことは後回しになりますね。

ーー それはおふたりともですか?

あきこさん:
私は比較的、家にいられる時間が長いんですけど。買い物から帰ってきたら、まず「ハリー、ベンツただいま~」って挨拶するのが習慣になりました。

裕之さん:
あとは、リビングのソファーで一緒に寝落ちしたり。
仕事が休みで早起きしなくてよい日は、少しでもハリ&ベンと一緒にいたいな~って思って。

ーーめっちゃ分かります。とくに予定のない休日は、まず優先事項に猫が入りますよね。

あきこさん:
そうそう、ハリ&ベンを迎えるまで、ふたりとも猫不足が深刻で(笑)。休日に保護猫シェルターとか、猫スポットを巡っては「猫吸いたい!」ってなってたくらい。

裕之さん:
だから猫たちがいてくれる毎日が、いまの自分たちにとって1番の幸せですね。

“推し”から“家族”に、そしていま思うこと


ーー猫を迎え入れるにあたり、いろんな団体さんに行かれたんでしょうか?

あきこさん:
自分で探して見つけた団体さんをいくつか訪れましたが、保護猫を引き取る責任の重さを強く感じました。保護猫を迎えるって、すごく大変なことなんだって考えたら、なんだかビビってしまって……。

そんなときに見つけたのが、neco-noteでした。ここに掲載されている団体さんなら、もうちょっと気軽に猫と会えるかなって思って。

ーーてんしんらんまんな☆ラッキーさんを知ったきっかけは、neco-noteだったんですね。

裕之さん:
はい、てんしんらんまんな☆ラッキーさんのページを見ていて、気になるコを見つけました。実際に触れあってみたいと思って伺うと、すごく歓迎されている雰囲気があって。

最初に伺った団体さんが「絶対猫に触らないでください」というスタンスだったから、そう感じたのかもしれませんが……。

てんしんらんまんな☆ラッキーさんは「自由に見てくださいね」「抱っこしてみますか?」って気軽に声をかけてくれるから、とても居心地が良かったです。

ーー保護猫を引き取るって、迎え入れたら終わりではないですもんね。ハリ&ベンの実家のような場所と思えば、団体の雰囲気も気になるはず。

あきこさん:
あと、neco-noteは他のサイトより、1匹ごとの紹介がわかりやすいと感じました。

裕之さん:こういったプラットフォームがあることで、より濃厚な猫のパーソナリティを知れるのがうれしいです。団体さんは、猫の魅力を知ってほしい反面、毎日のお世話で忙しいでしょうから。

neco-noteで推しに出会えたら、実際に猫を飼いたいって思う方もいると思います。

ーー ありがとうございます!今まで、いろいろな情報を発信してきましたが「ハリ&ベンのその後」が気になっている人も多かったんですよ。

裕之さん:
ハリ&ベンを応援してくれていた人たちも、その後が気になっているかな~とは思っていました。とくにベンツは、みんなの兄貴的な存在でしたし。
でも、個人アカウントで発信すると、2匹を私物化してしまうような感覚があって。neco-noteやてんしんらんまんな☆ラッキーさんを通して、お伝えできればうれしいです。

あきこさん:
近所の野良猫と友達になっていたり、ハリ&ベンを家族に迎えてから、日々新しい発見があります。

あとはベンツの声が、意外に高くてかわいいとか(笑)。今度機会があれば、仔猫みたいに鳴くベンツの動画を紹介しますね!

🐈 🐾

人見知り、猫見知りなハリーと器の大きいベンツの凸凹コンビは、neco-noteで、たくさんの方に応援していただいた2匹。

卒業した猫たちのその後って、なかなか知れる機会が少ないので、どんなふうに生活しているのか気になっていましたが……。

菊地さんご夫妻に引き取られて、どうやら、とっても幸せそうです。安心したのと同時に、幸せな気持ちをおすそ分けしてもらいました。

執筆=佐藤ともこ(@tomocco18_neco

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