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7ヶ月で母になったつぼみ。わがままで甘えん坊な“猫らしさ”に魅了されて
妊娠中のお腹を抱えながらさまよっているところを保護された、野良猫の「つぼみ」。
生後7ヶ月という若さで出産、育児を経験したつぼみは、いまは東京都北区にある保護猫ルーム「WASAO」で幸せに暮らしています。
今回は、そんなつぼみを愛してやまないWASAOの杉田さんにつぼみの魅力を伺いました。
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小さな体で大きなお腹を支えていた野良猫「つぼみ」
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ーー つぼみを保護した経緯を教えてください。
保護活動をしている方のところに「妊娠した野良猫がいる」と連絡が入って、捕獲機で保護されたのがつぼみでした。病院の診察を受けてからミルクボランティアさんに預けられ、そのままボランティアさんのもとで出産しました。
出産当時はまだ7ヶ月と、とても若い時期の出産だったそうです。その後、2022年の春ごろにつぼみがWASAOにやってきました。
🍼ミルクボランティアとは
おもに、生後間もない“乳のみ猫”を保護して、育てるボランティアのこと。
ミルクボランティアについては、こちらのnoteで詳しく説明しているので、もっと知りたい方はぜひご覧ください。
ーー では、つぼみはミルクボランティアさんのところで出産したんですね。トラブルはなく出産できたんでしょうか?
つぼみは、帝王切開で出産しています。
陣痛促進剤の注射を打ちましたが、自力で出産できなくて。まだつぼみ自身が若かったこともあり、ママになる準備ができていなかったんだと思います。
初めての出産、育児を経てたどり着いた新しい居場所
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ーー 初めての発情期で妊娠して出産となると、つぼみも大変だったでしょうね。
そうですね、でもつぼみなりに初めての子育てをがんばってくれていました。だから、つぼみと仔猫を引き離すのがとてもつらくて。
仔猫が生後1ヶ月を迎えるころ、つぼみをWASAOに移動しようと決めたのですが……すこし胸が痛みました。
ーー 生後1ヶ月は、とてもかわいい時期ですからね。そのタイミングでつぼみと仔猫を離したのは、なにか事情があったのですか?
子育て中の母猫は警戒心が強く、仔猫に近づくだけで猫パンチをしたりと人間に攻撃してしまいます。しっかり仔猫の世話をするために、母子を離すことはどうしても必要な対処でした。
ーー それだけつぼみは、しっかりママをしていたということですね。WASAOへ移動するにあたって、どんなことに配慮されたんですか。
なるべく、つぼみを不安にさせないように心がけました。ミルクボランティアさんの家からWASAOに運ぶときは、つぼみが子育てしていたゲージごと車に載せて移動したり。
つぼみは意外と落ち着いていて、鳴き続けたり、仔猫を探し回ったりすることはなかったですね。
ーー スタッフのケアがあったから、つぼみも落ち着いていられたんだと思います。いまは顔つきも穏やかだし、見た目もまん丸になりましたね。
WASAOに来て1番ぽっちゃりしたのが、つぼみかもしれません(笑)。最初は小さくて細くて……心配になるくらい、どちらかといえば貧相な見た目でした。
でもよく食べるコだったから、食べてるうちに、どんどん顔が丸くなって……。
“いま”を受け入れる早さに強さを感じた
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ーー 最高ですね!見た目以外に、内面的な変化はありましたか?
WASAOに来たときに「これからしっかり体作って、新しい家族のところにいこうね」と伝えて。
“子どもを守る”から “自分だけで生きていく”という気持ちへの切り替えが、上手にできていたように感じました。
今ではすっかり、年相応の甘えん坊です。WASAOのスタッフに対しても、スリスリゴロゴロして甘えてくれます。
ーー スリゴロなつぼみ、想像できないな~。普段はどんなふうに過ごしているんでしょう。
つぼみはビビりでこわがりだけど、遊ぶことが大好きです。とくにおもちゃにすごく反応します。
「こんなに面白いものがあったのね?!」くらいの仔猫丸出しな感じで、おもちゃに食いつくコだから、人慣れもすごく早い。
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ーー 他の猫との関係性はどうですか?
他の猫とは、付かず離れずなタイプです。そばにいても嫌がらないけど、つぼみからべたべたしに行くこともない。
ちょっかい出されたり、スリスリされたときは「うざいわよ~」って感じです(笑)。
ーー まだ野良で生活していたときの、気が強い感じが残っているんですね。猫同士で一緒に遊んだりしますか?
つぼみは1歳を過ぎているから、あとからWASAOにくるコのほうが若い場合もありますよね。若いコたちが遊びに食いつき始めると、お姉さんなのにふて腐れちゃって。
「なんで私がこのコたちの後に遊ばなきゃいけないのよ~」みたいな感じです。だから、新しいコが入ったあとは、必ず“つぼみのふて腐れ期間”があります。
おもちゃで誘っても「ふ~ん」って。「私はもう何もしません」みたいな感じになっちゃう。
「THE・女子」なつぼみを笑って受け入れてほしい
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ーー 完全にふて腐れてるなぁ……。そのままのつぼみを受け入れてもらって愛されて、つぼみは幸せですね。
WASAOじゃなかったら、ちょっといじわるなコ扱いされてたかもしれません(笑)。
うちのスタッフはみんな「そうだよね、つぼみだって遊びたいよね~」と言って甘やかすから。
ーー 人間とコミュニケーションがとれているなら、新しい家族に迎えられても安心ですよ。つぼみはかわいいから、譲渡希望の方が多いのでは?
「つぼみちゃん、かわいい」とInstagramでメッセージをくれる方がいるくらい、ファンが多いんですよ。でも、意外とアピール下手で、まだ譲渡に至らなくて。
それに、いまの生活に満足してそうというか「いま私、けっこう幸せです」「これ以上は望みません」とか思ってそう。
ーー きっとWASAOの居心地がいいんでしょうね(笑)。最後に「こんな方につぼみを迎えてほしい」といった希望はありますか?
私個人としては、「THE・女子」なつぼみを受け入れてくれる方に迎えてもらいたいです。
まんざらでもない感じで触らせてくれるのに、急に猫パンチが飛んできたりするから。油断は禁物です(笑)。
つぼみをなでていて「もうやめてくれる?」って顔をされたときに、「ごめーん☆」って笑ってくれるような方だと嬉しいですね。
🐈 🌼
猫っていつも冷静でクール、甘えたり媚びたりしない。これから猫と関わりたいと思っている人のなかには、そう思っている人も多いかもしれません。
たしかに、野良猫は警戒心が強くて、実際人慣れしていないコも多い。でも、それは必要に迫られて、というか、猫も環境にあわせて自分を変化させていたんだ、と。
猫は猫なりに必死だったんだ、と猫を飼った今は思います。
WASAOに保護されて、ちょっとわがままで甘えん坊な本来の自分を取り戻したつぼみ。そのままのつぼみを受け入れてくれる家族と出会って、永く幸せに暮らせますように。
執筆=佐藤ともこ(@tomocco18_neco)
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