マガジンのカバー画像

猫と、わたしと、

7
猫とわたしの、ちょっとしたストーリーをまとめたマガジンです。 「#猫とわたしと」をつけて投稿いただければ、マガジンに追加いたします。
運営しているクリエイター

記事一覧

猫はきっと神様だと思うんだ

今回は我が家の2匹の猫たちについて、あれこれ書きたいと思います。 哲郎と倫子 猫を飼うことにしたキッカケは、ペット可の物件に引っ越したこと。その当時、里親募集サイトをむさぼるように見ていました。 そこで出会ったのが、美しい青い目とシャムっぽい毛色の子猫です。初めて会いに行ったとき、その子猫は「哲郎」と呼ばれていました。 哲郎の由来は、東村アキコさんのマンガ「東京タラレバ娘」の登場人物。 その当時ドラマ化されていたマンガで、女3+男1という猫たちの兄弟構成がちょうど重

猫と、わたしと、素朴な体温と

動物はいい。中でも猫が好き。 (好きか嫌いかだけの話をするなら、私は基本動物全般が好きで、中でも猫が好きって話) 愛を全力でぶつけても潰れない。 愛を手渡しても選んでくれる。 愛をできうる限りで伝えても拒んでくれる。 「今は要らない!」 「これは私のもの!」 「私はこうしたい!」 そういうのが、全部素朴だ。 まっすぐだ。 でも、眩しすぎない。ちゃんと直視できる。 訳も、脈絡も、思惑もなく、分けてくれる猫の体温。 あの暖かさに指先だけでも触れてそのまま眠りたいね。 そ

保護猫シェルター暮らしが、おわる。

2021年3月14日からはじまった保護猫シェルター暮らしが、おわる。 保護猫にはいろんな猫がいて、抱えている事情も様々。だから、その猫たちに向き合う人間たちも様々なスキルや覚悟が求められます。そんな当たり前のことを、ちょびっと齧ることができた時間でした。 「お利口さん」の僕が、仕事仲間である保護猫団体の現場に身を置けたのは大きい。活動の尊さはもちろん、維持する苦労や苦手なことをより明確に捉えることができたから。 大きなことを言ってしまうと、この時間が保護猫業界を大きく変

にゃんぴのせいにしてごめんね。

今日の登場猫は、僕が6歳の頃にやってきて、10年近く一緒に暮らした『にゃんぴ』。 我が家に来た時から膀胱の調子が良くなかったので、いたるところでおしっこしちゃうのが、にゃんぴの個性でした。出かけようとするとズボンの裾におしっこしてきたり、なかなか大変でしたが心から「嫌だ」と思ったことはないんですよね。不思議。 そんなにゃんぴに謝らないといけないことが2つ。ひとつは、愛情の表現の仕方がわからずいっぱい抱っこしちゃったこと。たぶん嫌だったよねごめんね。もうひとつは、ヤクルト事

窓辺で待つ猫

14歳。人によっては、人生で一番楽しく自由な年齢と答える人もいるかもしれない。しかし、私の場合、当時の生活はまさに戦いの日々だった。 父の仕事の都合で広島から遠く離れたベルギーに転勤になってから、ひと月が経っていた。中学3年生の秋。私は14歳だった。 「高校受験をしなくて済むから」という親の言葉を信じて、中学受験で入学した中高一貫の学校を泣く泣く辞め、転校した先はベルギーの首都、ブリュッセルにあるインターナショナルスクール。 校舎は森の中の広大な敷地にあった。学校の事務

仔猫の「そら」と「まめ」がやってきた。生後1ヵ月未満の“乳飲み猫”を育てる夫婦の話

2020年5月16日。その日は私の誕生日だった。 私と夫は数日前からこの日を心待ちにしていた。誕生日プレゼントやケーキ、豪華なディナーではない。 この日、我が家には猫がやってくるのだ。 不安と期待が混ざる、保護猫のお迎え午前中に予定していた友人たちとのオンライン通話を早々に切り上げ、私達夫婦は予約していたレンタカーに乗り込む。横浜の家から1時間くらい、伊勢原までのドライブだ。 ここ数ヵ月間ずっと「猫を飼いたい」と夫に訴えていた。はじめは乗り気でなかった夫もだんだん猫を

僕の毎日は、猫に救われてはじまっていく。

とある、猫。猫は猫。というのが、僕が猫に向き合う時のスタンスです。飼っているという感覚もないし、過剰に敬ったりしない。猫の下僕という表現も、どうもしっくりこない。 ただ対等な関係として、リスペクトを持ちながら一緒に暮らしている。だから足りない部分を補い合う。だたそれだけ。 そんな僕も、三毛猫は贔屓目でみてしまう。 きっかけは大学受験を目前に控えた僕の目の前に現れた、1匹の猫。実家近くにある食品工場のねずみ取りに引っかかるという、笑えないエピソードを持つ、1匹の猫。 捕