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推しからはじまる保護猫生活

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neco-noteに所属する猫たちのライフヒストリーと丁寧に汲み取った記事が集まるマガジンです。すでに推し猫がいる方、これから推し猫と出会う方におすすめ✨
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記事一覧

7ヶ月で母になったつぼみ。わがままで甘えん坊な“猫らしさ”に魅了されて

妊娠中のお腹を抱えながらさまよっているところを保護された、野良猫の「つぼみ」。 生後7ヶ月という若さで出産、育児を経験したつぼみは、いまは東京都北区にある保護猫ルーム「WASAO」で幸せに暮らしています。 今回は、そんなつぼみを愛してやまないWASAOの杉田さんにつぼみの魅力を伺いました。 小さな体で大きなお腹を支えていた野良猫「つぼみ」ーー つぼみを保護した経緯を教えてください。 保護活動をしている方のところに「妊娠した野良猫がいる」と連絡が入って、捕獲機で保護され

「弱いからこそ、人の気持ちがわかる」奄美大島出身のぽん吉が教えてくれた“寄り添う力”

奄美大島出身の「ぽん吉」は、環境省の管理下により、捕獲・殺処分することが認められた外猫だった。 しかし、譲渡認定人により引き受けされ、預かり人である「保護猫ルームWASAO」にやってきた。 外で暮らす猫が多い奄美大島で育ってきたぽん吉。そのせいか、猫と人のどちらにも、すすんで歩み寄っていくような猫である。だが、そんなぽん吉には“弱い一面”もあるのだそう。 今回は、そんなぽん吉の話を保護猫ルームWASAOの杉田さんにお伺いします。 🐈 奄美大島とノネコの話は、こちらのn

見ているだけで幸せになれる関係。墓地で出会ったみふちゃんが教えてくれた“適度な距離感”の大切さ

野良猫の「みふちゃん」は、墓地でエサをもらいながら家族4匹で生活しているところを保護された。 野良出身ということもあり、人馴れしていないみふちゃん。でも、どこか構ってほしいようなアピール仕草をする。そんな姿が憎めない。 今回は、そんなみふちゃんと長い時間を共にしているNPO法人フリースクールゆきレオの福本(ふくもと)さんと一緒に、みふちゃんの新たな一面に迫ります。 墓地で育った、みふちゃん一家―― neco-noteで「野良出身」と紹介されているみふちゃんですが、ゆきレ

仲良し凸凹コンビのハリー&ベンツは今―“推し”から“家族”になった猫たち

「ハリー」と「ベンツ」は性格は真逆、でもとっても仲良しなふたり。 宇都宮にある保護猫団体「てんしんらんまんな☆ラッキー」さんから、菊地さん夫妻に引き取られました。(2匹の保護のストーリーはこちら) neco-noteでたくさんのバディから応援されていた彼らは、新しい家族に引き取られた後どんな生活を送っているのでしょうか。 「今では猫が夫婦共通の趣味になりました」とうれしそうに語る夫妻に、“ハリ&ベン”との日々についてお話を伺います。 響きわたる豪快な足音…その正体は人

人馴れしていない猫こそ魅力的。元野良猫・サバがくれる“無限大の未来”の楽しさ

お家でくつろぐようにいすわっていたところを保護された、野良猫の「サバ」。 野良出身ということもあり、警戒心が少し強いサバ。しかし、好きなものには素直なところや、慣れてくると少し心を開いてくれる。そんな姿が愛らしい。 「少しずつ、仲良くなっていくプロセスが楽しいんです」 そう語るQUEUE(クー)の松本さんは、サバとの距離感の変化を毎日楽しんでいる。 今回は、無限の未来が広がる猫・サバの新たな一面に迫ります。 人のいる空間が気になる、でも近づききれない… ーー ne

お互いにだけ心を開く、夫婦のような猫|きょうしろうとみどりの話

“いじめられっ子”だった猫の「きょうしろう」と「みどり」は、ほかの猫にちょっかいを出されては、いつも同じ場所に逃げていたふたり。 「今では多くの方に応援される8歳と4歳の、年の差夫婦のような2匹です」そう語るのは、東京の保護猫シェルターQUEUE(クー)の松本さん。 今回は、みどりちゃんのことが大好きなきょうしろう、“姉さん女房”のようなみどりについてお話を伺います。 いつも一緒のふたり。でも、時々うざったい?ーー まずは、きょうしろうとみどりの関係性について教えてくだ

人の心を惹きつける“シャー猫”。元ボス猫の「でかお」

2年前の年末、瀕死の状態で行き倒れていた、猫の「でかお」。 フラフラの状態で保護され、生死もさまよったでかお――その正体はなんと地域で有名な「ボス猫」でした。 「まさに“シャー猫”な、でかおの怒った顔も魅力的なんです(笑)」 そう語る、大阪の保護団体Reef Knot(リーフノット)の飛田さんは、でかお の魅力にとり憑かれたひとり。 今回は、気高く強きボス猫・でかおの新たな一面に迫ります。 虫の息でも“ありのまま”だった「でかお」―― まずは「でかお」を保護した経緯

病と闘う「チビ」から教えてもらった“幸せ”の見つけ方

よく「幸せになりたい」という言葉を耳にするが、“幸せ”とはどういう状態をいうのだろう。健康で不自由ない暮らしができることだろうか?もしくは何か偉大なことを成し遂げたときだろうか? そんな“幸せ”のあり方について教えてくれたのが、かわぐちアニマルサポートで保護された猫の「チビ」。チビは病を抱えながらも、周りの人や猫を愛し、愛される幸せを知っている優しい猫だとわかった。 先代猫から引き継いだ茶白の“特等席”ーー まずは、チビの簡単な紹介をお願いしてもいいですか? 「チビ」は

魔性の猫「カモミール」が母猫から教わった、社会の生き方

学校で自分だけ周囲から浮いているように感じていたとき「友達と同じ行動をしなくてもいい」と母は教えてくれた。 「カモミール」も、きっと母猫から社会の波に飲みこまれない生き方を学んだに違いない。 今回は、そんなカモミールを保護している、かわぐちアニマルサポートの白滝さんからお話を伺った。 母猫の教育が行き届いていた「カモミール」の捕獲劇ーーまずは、かわぐちアニマルサポートさんにいる「カモミール」の保護経緯を教えていただきたいです。 駐車場の車の下でさくら猫(避妊手術が済ん

奥手な長毛サビ猫の「ショコラ」。保護猫の心を解かした“距離感”の秘密

「多様性の時代」なんて何かにつけて言われる。会社の飲み会の誘いに「すみません。先約があって...…」と断れば、「いいと思いますよ!個人の自由ですし」と“全然よくなさそう”に返される。 “全然よくなさそう”に感じるのは、その人が、心から私の意思を尊重してくれてると感じられないからだと思う。そういうのが、ちょっとした言動を通して表にでて、その結果私に伝わってくる。 一方で、保護猫のショコラのインタビューを通して、「心から意思の尊重を受ける」という行為の一端を知った気がした。シ

じっと側で寄り添うこともひとつの愛情表現。ガトーとの心地よい距離感

「『愛する』行為は、『技術』なので体得するには時間も経験も必要」と、昔の偉い人が書いていた。 感謝の言葉を投げかけるとか、プレゼントを送るとか、そういうわかりやすいものだけが愛情表現の形ではない。 この点において、ガトーは一つの「愛する」技術のパーツをわたしたちに見せてくれてるのかもしれない。 気高さと愛らしさが調和した猫「ガトー」ーー まずはガトーの簡単な紹介をお願いしてもいいですか? ガトーは、多頭飼育崩壊から保護された猫です。neco-noteを利用してくれてる方

名前通り、少し大人向け。味のある猫「しおから」

時々、「本当のわたしってどれなんだ」って考える。これといった収まりのいい答えはない。 だけど少なくとも確定していることはあって、わたし自身の内的な条件と、わたしを取り囲む外的な条件で「わたし」は変化するし、みんなそういうものだということ。 こんなことを思い出したのは、もりねこに保護されている「しおから」のお話を聞いたから。 沿岸部からやってきた猫の「しおから」ーー 今回はもりねこにいる、猫の「しおから」の話を伺いたいなと。まずは名前の由来から聞いてもいいですか? 沿岸

隅っこで丸まっていたきみが、“おしりポンポン”をさせてくれた日。おしとやかな「レディ」

優しさを受け取ることって時に勇気がいること。 だって、そこには少なからず「信じる」行為が必要で、信じるために手放しになる瞬間が怖い。 NPO法人もりねこにいる保護猫「レディ」も同じ気持ちを経て、今があるのだろうか。 「レディ」への献身的な2年間ーー 今日はもりねこにいる保護猫「レディ」についてお聞きしようと思います。はじめに、「もりねこ」についてお伺いさせてください。 かんたさん: NPO法人であるもりねこには、保護猫カフェとは別でシェルターがあります。なので、2つの

2匹の猫に教えてもらった、“自分らしさ”のはなし ハリー&ベンツ

猫には個性があり、その個性を汲み取ることの大切さに気付くきっかけになったのが、「ハリー」と「ベンツ」だった。 猫に対しても人に対してもちょっぴりクールな猫のハリー。猫にも人にも寛大なベンツ。それぞれの魅力に惹かれながら。 今回は、そんな2匹が在籍している保護猫コミュニティカフェ「てんしんらんまんなラッキー(略称:ラッキー)」を運営する小林さんから2匹の猫のお話を伺った。 梁の上のハリーと高貴なベンツーーハリーとベンツはどんなところから保護されたのですか?  栃木県の多