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日本人よ…魔女狩り・リンチで何人が亡くなれば満足するのか?

松本人志が文春を名誉棄損で訴えた。
しかし、まだまだ報道は、さながら松本人志のほうが加害者というスタンスで書かれていることが多い。

見込みで記事を書いて、記事のほうが間違っていたことが明らかになったとしても、「まあ、知らん顔して逃げればいいだろう」という無責任な記者が多いのだろうな、と思ってげんなりしてしまう。

エコーチェンバー効果というのは、SNSにおいて自分と似た価値観や意見を持つユーザー同士がフォローしあって自分に近い意見ばかりに触れるようになる結果、自分の考えは「正しい」「多数派だ」と信じてしまい、そのようすを見ていたほかのユーザーもそれが正しい・多数派と信じてしまう現象である。
つまり、間違っているのにお互いを讃えあうようにして居場所を作り、本来関心がなかった者たちも巻き込んでしまうわけだ。

もちろん、意見が多いから正しいという理屈にはならない。しかも、この件ではそもそも多数派ですらなかったわけだ。
しかし、そんな状況が作り上げられてしまう。
その結果、魔女狩り・私刑(リンチ)に陥ることもしばしばである。

ぜひ着目すべきと思うのが、いまのマスコミは、この件に関して、わざとエコーチェンバー効果が出るように狙っているようだということだ。
お互いの記事を引用し合うだけで、新しい取材記事や事実の掘り起こしはまったくない。
いま、ネットニュースとその書き込みを見ていると、お互いに引用しあうだけなのはまずいのではないか、と、この1か月くらいで懐疑的意見が出てきているのに。
興味深いのは、大手新聞も週刊誌マスコミ側に同調的であることだ。

真実を提示すること。
与えられた情報に批判的吟味を加えること。

マスコミは彼らの仕事の最も根幹的な部分を放棄している。
さながら彼らは仲間内の井戸端会議で慰め合っているだけに見える。

嘘の集合体が、真実とすりかわってしまう。
いや、
嘘を真実と意図的にすり替えようとしているのではないか。

マクマティーン保育園事件というのをご存じだろうか?
米国での冤罪事件である。
ある人物が病気のため、妄想から「自分の子供が保育園で性的虐待を受けた」と訴え出て、検察は専門機関に調査を依頼したところ、何百人もの園児が虐待されたと証言した。
「保育園は危険な場所」と全米的に報じられ、子どもを保育園に預けることが困難になったという。

しかし、長期間にわたる裁判にも関わらず、物的証拠はまったくなく、児童たちを調査した専門機関なる者は、検察担当者の恋人が運営している精神医学にまったく何の専門知識も持たない者であったという。さらに、専門機関は児童たちに特定の答えを強要していたことが明らかになった。
この裁判で明らかになった真実は、最も重要な被告人は「成人ポルノ雑誌が好き」「ピラミッドに関心があり、神秘的なことに惹かれる傾向がある」ということであった。

つまり、裁判の本質的な点における被告に不利な要素は、せいぜいこのくらいであった。

この事件でも、マスコミはお互いの記事を参照し合うにすぎず、新しい情報をまったく取材しなかったことが批判されているらしい。
そして無責任に、センセーショナルに記事を書き続けた。

魔女狩り・リンチで
何人の人が亡くなれば満足するのだろうか?

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