生まれとか出自とか移動とか職種転換とか

 うちの高祖父は秋田藩の下級武士だったようなのですが(口伝えの伝承があり、幸い江戸末期の秋田藩の資料に高祖父の名前を見つけました。同姓同名の別人かもしれませんが)。でも明治の初め(明治4年くらい)に亡くなったようで、当時の長男は10歳より前に戸主(惣領)になり、武家だったけれども県庁職員になれず(年上の長女や二女は結婚や離婚をしながら実家を支えたようです)、やがて結局長男次男(次男がワタシの曾祖父です)は鉱山労働者になったようで(ここは戸籍からの想像です。家族の死亡届や出生届が鉱山のあった自治体に出されていました)。
 苦労して次男だった曾祖父の、その長男だった祖父(わかりにくい・・・)が通信士の資格を取って伯父や実父を伴って戦前に北海道に渡って一家を支えるようになったようで、そして紆余曲折があって父(次男)が秋田に戻って仕事をするようになったようで。もっとも父の次男である僕も、秋田の高校を出た後に東京の大学を出て東京で就職して全国転勤(海外も)して、秋田に戻ってからまだ11年なのですけれども。
 いや戸籍謄本を取ってみると、いろいろ過去のことが分かるのですね。遡れるのは明治何年までに限られますが(そこから先は藩の文書とかお寺の文書を見せてもらうしかない)。でも高祖父の頃のことをもっと調べようと秋田の菩提寺に連絡してみたら、昭和初期の火事で焼けたとかで、連続した歴史が切れている(調べられない)のです。祖父が子供の頃には日立にいたみたいなのですが、日立のお寺に聞いても詳細は分からない(そもそも日立時代に利用していたかもしれない寺が見つからない)。曾祖父の奥様と何人かのお子様は、曾祖父が祖父と北海道に渡った後も日立に残っていたらしかったり(その奥様は日立のお風呂屋さんの娘さんだという間違った口伝が残ってました。鉱山のお風呂で働いていた?奥様は秋田県能代市の出身でした。祖母が能代港町出身なのですが、それはひょっとしてそこと関係があるのかも)。
 明治から昭和にかけては、武士に限らないと思いますが、いろいろな理由で地域移動とか職種転換とか家族関係とか養子とかすごーく変わった時期なのだと思うわけです(そもそもその前は武士や農家に限らず次男以下は結婚できないとか独立できないとか養子候補だったとか。あるいは子供が生まれないと知り合いから養子をもらうとか、自分のところに子どもが生まれると養子を返すとか)。うまくいった人はいったし、そうでない人は全然そうでない。豊かになりつつある時代(例えば産業革命とか)は次男三男でも成功したかもしれないし、食いっぱぐれそうになったら北海道や海外に渡ったかもしれない。あるいは仕事のありそうな都市(都会)に出たり。士農工商とか関係なく。
 今の若者に海外志向や起業志向はあまりないそうですが、日本は豊かなんでしょうかしら。

 

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