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研究者は「外部資金」を獲得しないと研究できないのです

 いや、全くできないというほどではないのですが。研究を続けるには本も買いたいし、トナーとか印刷用紙も必要だし、統計ソフトも欲しいし、学会参加の出張旅費も欲しい。大学からいくばくか研究費をもらいますが、自由自在に研究したけりゃ自分で稼ぐしかないわけです。自腹でもダメじゃないけど、いわゆる「外部資金」というのに応募するわけです。

 基本的に文部科学省の外郭団体(科研費というやつですね)とか民間企業の研究助成に応募して、採択されると研究費がもらえるわけですが、そもそも人文学関係は募集が少なくて、その少ないところにたくさんの研究者が殺到するので、倍率がすごいことになるわけです。キャリアカウンセリング分野はカウンセリング分野でもニッチですし(審査するのはキャリアカウンセリングの人じゃなくて、たいていカウンセリングというかサイコセラピーの人)、採択はそう簡単ではないわけです。ワタシは科研費を2回取ってますが、臨床心理学とかカウンセリング分野では1度も取れたことがありません(取れた申請は教育分野(キャリア教育)で取っています)。民間の研究助成もこれまで数件取ってますが、その何倍の数の応募を出しています。

 こういう話は実践家の方にはあまり関係ないのですが。
 ある日は1日がかりで外部資金申請の申請書を書いていました(その後大学事務局のチェックを受けて修正もしますので、1日では終わらないのです。専門用語が分からないと修正されることもあるし、「てにをは」から直されることもあります(泣)。ワタシは書類を作るのが人の3倍くらい早いけど、申請書によっては数日とかかかるのです)。好き勝手に研究してますが、好き勝手に研究するためには、大学で学生の教育も当然にしないといけないし会議に出ないといけないし(ワタシの負担は平均より楽なほうですけど)、研究費は自分で稼がないといけないし、当然いろいろな事務作業もあるし(半分個人事業主ですから)、楽なことばっかりじゃないんです。

 そりゃどこの仕事でも一緒ですが。ふんぞりかえって済む仕事はありません。

 

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