見出し画像

いろいろな理論や技法を比較する

 近年のキャリアカウンセリングのナラティブアプローチと言っても、いろいろな理論家・実践家がいて、いろいろな理論や技法があります。例えばアメリカ人のサビカスはクライエント本人の選択を聞き、オーストラリア人のマクマホンとパットンは「自分が周囲から与えられた影響」を聞きます。サビカスは個人の選択を重視しているように見え、マクマホンらは周囲からの影響を今後どうするかを意識しているように見えます。
 あるいはナラティブアプローチが導入される前の理論と後の理論を比べる。そうすると、なぜナラティブアプローチが導入されたのか分かります。
 はたまた心理療法のナラティブアプローチと、キャリアカウンセリングのナラティブアプローチが比べる。大枠は似てますが、細かい技法は違います。それはたぶん目的が違うからです(心の治療か、人生の将来設計か)。

 そんなふうに「比較することで分かる」ことは結構あるように思います。自称理論家のワタシは本や論文を読んでそうした比較をしつつ、実際に自分や周囲の人(場合によっては学生)などに試しながらその効果や課題を確認していきます。もちろん学会などで他の研究者や実践家と情報・意見交換したりもします。
 いろいろな理論や技法の課題や効果、あるいはそれぞれの違いに詳しくなると研修ネタにもなります。学ぶ分野が広くなるのでちょっと大変なのですが、それでも歴史は学ぶべきだと思いますし、自分が得意とする分野の周辺くらいは学ぶべきだと思っています。それは自分を守るためでもある。
 いやでもファイナンシャルプランニングとか法律とか消費者教育までウイングを広げたのは、流石に広げすぎたかと思っています(苦笑)。分野が重複しているようで微妙にあまり重複していない(それぞれ専門家もいますし)。相乗効果があんまり見えないのです、今のところ。主なターゲットが学生とか理論とか研究だからだろうなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?