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葱とおかかと海苔

食のエッセイが好きだ。
向田邦子や椎名誠が海苔弁当の事を書いていた。理想の海苔弁というのかな。
作る時に海苔弁を層にするんですね。
まずご飯、そこにおかか、醤油、海苔、ご飯という風に。
この時、おかかに葱の白いところをみじん切りにして入れる。
葱を入れるとただのおかかだけよりこれがめっちゃ旨い。

阿川弘之は鰹節飯というのを書いていた。
阿川は鰹節にわさびを入れる。
それを一段敷いてまたご飯をのせ層にする。
チューブのわさびではいけない。
パックの削節もいけない。
本物のわさびを下ろし、鰹節削り器で削ったものでないといけない。
麻雀仲間の吉行淳之介が阿川に「またあの鰹節飯食わしてくれ〜」というほど阿川家の鰹節は旨かったらしい。

色川武大はとりわけ好きな食品として、
1、海苔
2、胡麻
3、鰹節
とあげてある。
たいてい、ふりかけの中に入っているのでふりかけがあるとご飯を食べるのに止めどがなくなると。そして究極のアレ・・
アレとは「葱をみじんに切り、鰹節と海苔を混ぜ、化学調味料と醤油であえる。」
これが食卓にでると、ハアハアと肩で息をし、舌がダラリと伸びる。うまくて、あきないそうだ。

鰹節と海苔と醤油、そこに葱のみじん切り。

昔から日本人がご飯と一緒に食べて来たもの。子供の頃は親が葱とおかかをあえた物をおかずにしているのを見るといや〜な気持ちになったものだったが、最近私もこういうものが地味にうまい。
日本人だからか。
葱と鰹節と醤油と化学調味料。
ご飯にのっけて海苔もちぎって。
妙にうまいんだよなぁ。

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