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病み上がり

一週間、具合が悪かった。
先週の月曜にコロナワクチン接種に近所の医院に行った。4回目の接種だ。まあ、毎回熱がちょっと出るくらいだから、今回も大したことないだろうと思っていた。
しかーし、4回の中で1番苦しかった。
38.8度まで熱が上がり、苦しく、足の筋肉痛、だるさでろくに眠れず朦朧としていた。
寝汗をぐっしょりかいていた。
身体からこんなに水分でるんだーというくらいの汗だった。
それからも調子が悪く、今日はやっと起きれた。死ぬかと思った。だが生きている。
やっと普通になった〜。
身体の具合が悪いと悲観的なことしか考えられず苦しかった。精神まで苛まれるとでもいうのか。
とにかく苦しいので寝ながら朗読を聴いていた。山本周五郎の「凍てのあと」だ。
店の主や下職の為にひとりでご禁制破りの罪を背負って入牢した栄次。彼は救いのない人間不信にとらわれる。栄次は厭世的になり、釣りにいくうちに浪人と知り合う。
お互い口数の少ない者同士気心が通じる気がして栄次は浪人に好感を持つ。
男は官之介といって実は栄次の隣の部屋に越してきた男であったのだ。
官之介は酒癖がめちゃめちゃ悪かった。
馴染みの酒屋の親父はよく酒癖の悪さを知っていて、栄次が官之介に絡まれだすと慌てて飛んできて栄次を帰す。
栄次も何だか嫌な気になっちゃうんだけど、後から小女が追いかけてきて官之介から鰻の白焼きを持たせてくれたからと栄次に渡す。それは栄次の母おろくへの官之介の心遣いなのだ。官之介は根はいいひとなんだけど、地獄のようにつらくやり切れぬ出来事に直面して、酒でも飲まなければやれぬ気持ちがあって酒を飲みひとに絡んでしまうどうしようもなさ。
実は官之介も過去に傷を持ってにっちもさっちもいかない暮らしの中にいたのだ。
まあ、物語はいい終わりをしたからなんか救われた。

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