「作者の日記1」

『作者の日記1』なるものをばあちゃんの倉庫から見つけた。
この家には小説家も漫画家もいなければそういった創作活動をしている人はいないはずだ。それにばあちゃん家の古い倉庫の奥深く、ホコリを被っていたのだから、最近のものではない
ばあちゃんに聞いてみようにももうこの世界にもいない
どうしたものか。
とりあえずホコリを雑に払っから本のページを開く
「ん?」
なにか書かれているのかと思ったが違うらしい。
パラパラとページをどれほど捲っても文章どころか1字も書かれていない。
表紙だけ書いて満足した3日坊主も続かない人だったのか?
パタンと本を閉じて再度表紙を確認する
『作者の日記1』
またページを開いてみる
『君は何を見ている?』
「うわ!」
持っていた本が手から滑り落ちる
さっきまで何も書かれていなかったのに、
恐る恐る本を手に取り先ほどと同じページをめくる
『そんなに驚かないでよ』
さっき書かれていた文のちょうど真下に几帳面な字が書かれている。
『久しぶりなんだお話しよう?』
「お話、、」
『そう!お話!君について教えてよ!』
どうやら文章で話す本らしい
「やだ」
はっきりそう言って勢いよく本を閉じる
今日あったことは夢にしよう。

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