ネガティブにはマックドーパミンでブッパして幸せになろう。

"Super Size Me"という映像作品をご存知だろうか。
私が観たのは高校生の頃、何の授業かははて忘れたが、先生に「グロい場面あるからなー苦手な奴は気をつけろよー」と言われたことを覚えている。
強制視聴させといて何を言っているのか、大人の矛盾に顔をしかめながら観たこの作品、制作者の成人男性が1ヶ月毎日3食をマクドナルドのみで過ごす人体実験を行うドキュメンタリーだ。

脂質がてんこもりのマックのメニューたち。そりゃあもちろん太るのは想像するに容易いが、それ以外にも身体にたくさんの悪影響が出る。倦怠感、下痢、性欲の大幅な減退(ED)、肝硬変などなど。
しかも作品内でこの男性が語るには、この生活を続ける中であまりの気持ち悪さにハンバーガーなんて食いたくない、見たくもないと思う気持ちもある反面、なぜかまたどうしても食べたくなってしまう…と言うのだ。明らかな禁断症状。マック中毒に陥ってしまうと言っていいだろう。

まず何日も連続で通ったことがそもそもないからその感覚はわからないが、確かにたまに無償に食べたくなるよね、マックって。小学生の頃に初めて食べたあのとんでもなく美味しく感じたチキンクリスプが、私の身体にマックドーパミンを植え付けて、度々それが疼いているのだろう。マックをもっと寄越すんだ!と。

なんだかマクドナルドが随分悪者みたいになってしまったが、物事の良し悪しは一面だけでは語れないものだ。このマックドーパミン、用法用量を守ればそんなに悪いものではないと私は考えている。

無職ではあるものの簡単なアルバイトや知り合いの仕事の手伝いなどをしている私は、ここ1週間ほどバタバタと忙しなく動いていた。スケジュールを過密にしてしまったせいで寝不足になっており、昼のアルバイト中、たまに顔を見せてきやがる私の中のネガティブ野郎が頭の中で暴れていた。

(このままじゃダメなんだ…いやでもこんな私じゃうまくいかない…自信ない…もう嫌だ…エトセトラエトセトラ)

基本的には楽観的な人間なのだが、元が根暗なためにたまにひょっこり地表に顔を出してくる消極的大魔人を心の中に飼っている。こいつが出てくると大変厄介で、自分がこれまでしてきた経験や努力の畑をとんでもないスピードで荒らしていく、無差別ブルドーザー。こいつの暴走を止めるにはそう、あれしかない。

マックドーパミンだ!

そういえばギリギリまで寝ていたから朝から何も食べれていない。おまけに今日は4時間ほどしか寝ていない。くそ、昨夜、響け!ユーフォニアムの最新エピソードを観てしまったからだ…

後悔先に立たず、とにかくマックに行こう、と他の飲食店による数々の誘惑をくぐりぬけ、無事私はマックドーパミンを済ませることが出来た。なんなんでしょうね、あのハンバーガーを頬張ったときの多幸感。ポテトの丁度良い塩味。なぜかとても美味しいアイスティー。

お腹がマックで満たされた私の中に、ネガティブ大魔人の姿は消えていた。またいつでも現れてみろよ、私には、マックドーパミンがいるんだからな。

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