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メンタルヘルスメモ⑤「鬱は心の風邪」なのか?

 長年の治療の中で「うつは心の風邪」という比喩がずっと引っ掛かっていました。風邪って寝てたら治るやん…数日で。何か軽い。違和感ある。
実際
休職一年してもそんなに快方に向かわなかった。原因の大半が仕事なのに、離れても即効性が無い。投薬量が減っただけ。布団から出られない日もありました。

 今日ふと思ったんです。あーこれ、ダイエットじゃないのか?(さらに軽くなってないか)
 ダイエットは「溜まった脂肪」とか「増えた体重」とか「既に蓄積されたもの」に対するアプローチです。
「蓄積された心労による不調」が相手の鬱の治療も、そう考えたら「仕事辞めたら治る」みたいな簡単な話じゃない。蓄積した悪い物がゼロにならないと、目指す健康が訪れない。
共通点をあげてみます。

:すぐに効果が出ない。即効性があるものは不健康。
:停滞期やリバウンドがあって焦る。
:無理なくやろうとしたら長期化する。
:「こうしたら良い」が解ってもすぐ変われない。
:情報がたくさんあるけど絶対が無い。
:好きでデブ(鬱)になる訳じゃない。

  一つ違う点は「年齢」。ダイエットは若いうちの方が基礎代謝が高くて短期間に落としても体がついてきますが、鬱の場合は「基礎代謝=メンタルの強さ」は年齢に関係ないし、逆に若い方が繊細だったりする。
 ダイエットの意志の弱さを例える時に「心に脂肪がついている」という表現がありますが、鬱の停滞期ってまさにそれ。「心に鬱という物質がついて重い」とどうでもよくなってしまう。
 「見えない脂肪のダイエット」と考えると、難しさが伝わるかも。ていうか、この例だと治療に対する周囲の理解マシにならんかな。ダイエットは経験者多いし。
「軽く捉えられそう」というリスクはありますが(治療感が薄いし)誤解とか無理解よりはマシじゃないだろうか。皆様いかがですか?


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