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分散型SNS「マストドン」で5年ほどお世話になっているコーヒー豆屋がサーバーのルールや管理者とは?を妄想で書いてみる何か

 まず私はひとりのユーザーとしてPawooさんにアカウントがあり、マストドンであれこれ楽しんでいて、マストドンのサーバーを建てたこともなければ、それについて専門の知識もない、コーヒー豆を売る商店を看板に出している個人です。前回の記事と同じ書き出しですが、大事なことなので書いておきます。
 さて、前回の記事でおすすめ初期ムーブについて書きましたので、今回は「マストドンのサーバールールと管理者とは?」について書いてみます。

サーバーのルール

 タイトルにサーバーのルールと書きましたので、最初に答えを書いておきます。サーバーのルールは管理者が全て決めます。建物の施設管理者が理由を告げずに「出て行け」と言えるのと同じで、理由を告げずに管理者がアカウントを消しても問題ありません。解せないと思う方もいるかもしれませんが、サーバーは管理者が独裁できます。これは当然ですし、なぜ当然なのかについては管理者さんについて理解すると良いかと思いましたので、書いてみます。

マストドンのサーバー管理者とは

 いちいちTwitterを例えに出しますが今のTwitterはTwitter社(子会社がどうこうなどは省きます)が管理者です。よくイーロンマスクさんが管理者と思われますが、法人は別人格なので管理者はツイッター社です。企業規模が大きいにもかかわらず、イーロンマスクさんが買い取ってしまったので地方のワンマン社長の会社のようになっているのが現状です。ツイッター社はTwitterのプログラムを作り、維持管理していますので、TwitterはTwitter社の持ち物と言えます。
 では、マストドンの管理者は?持ち主は?となると、マストドンの根幹になるプログラムを作ったのはドイツのオイゲン・ロッコさん(日本語表記はロチコだったりロホコだったりします)ですが、そのプログラムは誰でも自由に使うことができます。このプログラムは花の苗のようなもので、そのままでは何にもなりません。それをどこかに植える人が必要で、植えた場所に出来上がるのが「サーバー」植えた人が「管理者」となります。(「人」と表現しますが、管理者は個人も法人も色々なので「人」の表現は個人という意味では無い点を付け加えておきます。)
 管理者といってもいろいろな形があり、プランターに植える人もいれば、庭に植える人、果ては広大な農地を借りて植える人もいます。そして、植えた花をひとりで愛でる人もいれば、入り口を解放して見せてくれる人もいます。また、自分で植えるのが苦手な人のためにたくさん植え、貸し出ししてくれる人もいます。
 そしてここからがマストドンの素晴らしい点なのですが、同じ花を見ている人たちは相互に繋がれます。プランターに植えた花を見ている人が「おはよう」というと、広大な農地にいる人に届きます。もちろんその逆もあります。なので、世界中の同じ花を見ている人同士で会話ができますし、場合によっては他人の会話を見ることもできます。この同じ花を見ている人同士がつながっている状況が、マストドンという大きな枠で見ると先に例えで出したTwitterの広大な空間のようにも見えるわけです。そしてマストドンはmisskeyや他のサービスなどとも繋がる連合型ミニブログと紹介されたりもします。これは少し違う花でも繋がれるルールがあり、そのルールでつながると他のサービスとも繋がれるのですが、そのあたりの解説は詳しい人にお任せして、あえてここではこの後もマストドンと記載します。

なぜ管理者になるのだろうか

 さて、実際のマストドンサーバー管理者は「なぜ管理者になるのか?」という点ですが、おそらく皆さん「マストドンの理念に賛同したから」という答えが出てくるはずです。そして、ユーザー目線で見ると付け加えて「趣味だから」に見えます。しかも変態です。間違いありません。
 なぜ趣味と言い切れるかというと、管理者に経済的なメリットなどありませんし、なんなら出費もありますし時間も取られます。そして通常のプログラムをインストールするようにポチっとするわけにはいかないので、専門の知識が必要になります。
 例えばプランターに植えるタイプの管理者さんの場合、ラズベリーパイという手のひらに乗るパソコンに花を植え、自宅の回線で動いていたりします。もしくは性能的に微妙になった使い古しのノートPCで動かし、停電しても大丈夫!などとニヤニヤしていたりするはずです。このタイプの人は間違いなく変態です。
 庭に植えるタイプの人なら、自宅や借地にちょっと広めの場所を用意して花を植え、大勢の人に見てもらって、その人たちが楽しそうにしていることを喜びに転換できたりします。自宅にそこそこのサーバーを置いていたり、ラックマウントサーバーがあるタイプの変態か、外にサーバーを借りて運用するタイプの人だったり、ある程度の規模のものをユーザーのために解放してくれている、とてもいい人変態が多いようです。
 次に大規模農地を用意するタイプですが、主に企業が管理者のようです。例えばPawooさんを管理しているラッセルさん、mstdn.jpを管理しているSUJITECさんなど。例外もあり、個人で5桁ユーザーのサーバーを維持管理している人も居ます。ここまで来るともう聖人です。
 一部例外として、ホスティングサービスを利用して「おひとり様サーバー」を動かしている人たちもいます。これは1ヶ月いくらと対価を払って自分だけのサーバーをレンタルしている人たちです。このタイプの人たちは「他人の財布に迷惑をかけたくない大人」もしくはサーバーを建てて維持する時間を節約するタイプの人が多いように見えます。ちなみに、以前ホスティングで「まめや丼」を作ったことがありますが、果てしない先に費用で破綻する未来が見えたので5日で爆破したことがあります。黒歴史です。

サーバーを運用する費用はどうなっているのか

 サーバーを維持するためには多少なりとも費用がかかります。先に挙げたプランタータイプの人であれば、もともと引いていた自宅回線で動かすのでさほど負担はないのですが、他の方にも入り口を解放している場合は通信量も多くデータも増えますので、ユーザーが増えると費用が嵩んできます。そこで維持費用のために寄付を募っている場合がありますが、客観的に見てそれで賄っているということもなさそうで、ほとんど管理者さんの持ち出しになっているようです。しかも維持管理を管理者さん本人が行っているケースが多く、その手間は無償ですし、その分のコストも金銭的に考えると年間数百万円分のボランティア活動になっているような例も見受けられます。なぜここまで金銭的な負担をしてまでサーバーを維持するのか?その謎についてについての答えは「趣味だから」「変態だから」で片付けておきましょう。

コーヒー豆屋の見たマストドン

 Twitterの場合、先に書いた通りTwitter社の持ち物です。すべての権利はTwitter社にありますし、ルールも決めます。Twitter社は先日まで株主の居る企業ですから、利益を出すことを目指します。そのためにユーザーには安心して楽しめる空間を提供し、広告を見てもらい、広告主から対価を得るわけで、広告費が売り上げの大半です。ですから、楽しんでいるユーザーは広告主の支払う対価に対する商品とも言えます。
 マストドンは一社独占のSNSではなく、費用を広告に頼ることなく管理者さんがそれぞれできる分の費用負担をしサーバーを作りユーザーを分散させて増やし、それぞれのユーザーが自由に投稿できる空間を作ろう。という趣旨のようです。サーバー管理者の方はその理念に共鳴し、費用負担してまで結果として広大なマストドンの世界を作ってくれていると感じています。ですから、最初に書いたルールの通り管理者さんが独裁できますし、それは当然なのです。ただし、見る限り独裁している管理者さんはほとんどおりませんし、ユーザーが他のサーバーやユーザーに迷惑がかかるなど、よほどの事情がある場合にのみ、何らかの対処をしているように見えます。
 なお、Twitterの話で広告と書きましたが、適切な広告は社会に必要であり、また必要な情報を大勢に伝えるプラットフォームとしてのTwitterは素晴らしいものです。外見が似ていますし、ユーザーの使い方も似ていますが、観光バスとファミリーカーのようなもので、マストドンと比較すべきものではないと考えます。

コーヒー豆屋目線で考えること

 マストドンは2017年サービス開始の新しいサービスで、その頃から今までサーバーの閉鎖騒ぎやサーバートラブルによる一時停止、サーバーの運用終了など見てきました。そして最近の大規模なユーザー増加での費用負担増について、いずれ問題になるのではないかと考えています。コーヒー豆屋としてマストドンの皆さんにはお世話になっているので、できる範囲で寄付や支援はしておりますが、この大きな世界では焼石に水程度にしかならないはずです。これを見ている方も、ご自分のサーバー管理者さんのプロフィールや固定トゥートに寄付窓口があったら、仕組みだけでも見に行ってみませんか?少額でも積み重なると大きな力になるかもしれません。

さいごに

 いまマストドンでお世話になっているユーザーさんが居るサーバーの管理者さんにはリスペクトしかありません。これは本当に頭が下がります。いつもありがとうございいます。
 そして、新規ユーザーの皆さん、管理者さんが費用負担しているとはいえ、ほとんどのサーバーさんでは管理者さんとユーザーさんが上下の関係になるのを望んでいないように見えます。左右の関係でわちゃわちゃやりたい管理者さんが多いように見えますから、どんどん楽しみましょう。また、マストドンは誰にでも(知識と時間と必要なお金があれば)サーバーを建てられます。ということは悪意のあるサーバーも簡単に建てられますし、他のサーバーとも繋がります。もちろん既にあるはずですし、悪意のある何かはSNSに限ったことではなく、悪意のある場合そはの悪意が大きければ大きいほど外見には見えませんし見せません。このあたりを踏まえて、マストドンと人間社会のご利用は計画的に。家の玄関に貼られて困ることはあまり書かず、DMでは大事な情報は控えたほうが無難です。
 なお、この内容は全てコーヒー豆屋の考えた妄想です。ご意見ご感想ご要望は不要です。どうせならご注文をお待ちしております。豆を買いましょう。回り回ってマストドンのどこかに届くかもしれません。

この記事はFediverse (2) Advent Calendar 2022 2日目 12月2日分に向けて書いた記事です。

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