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ネコと人間

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#猫伝染性腹膜炎

ネコと人間と首輪の話

ネコと人間と首輪の話

これは前回の「ネコと人間と膿の話」でFIPの治療が注射から飲み薬に変わった頃のお話。下半身の麻痺は日に日に改善し、高いところによじ登ったり、そこから飛び降りたり、ネコは自由に動けることがうれしいようで、体力の続くかぎり遊びまわった。体が自由に動くようになるにつれてアクセスできる場所も広がり、家中のさまざまな物陰に入り込むようになり、少し目を離すといったいどこへ隠れているやらわからないということが多

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ネコと人間と膿の話

ネコと人間と膿の話

最後の晩餐の翌朝、もしもネコが目覚めなくても人間は動物病院へ行くつもりでいた。ネコの死をひとりで受け止める自信はなかったし、その後どういう手続きが必要なのかも確認する必要があった。

人間が目を覚ますと、ネコはもう起きていた。上半身を起こし、お腹がすいたのか小さく「あ」と鳴いた。ネコは昨日の残りのサンマをうまそうに食べた。動物病院へ行き「ちょっと元気になりました」というと、先生は少し驚き、そしてほ

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ネコと人間と最後の晩餐

ネコと人間と最後の晩餐

ネコを保護して八日目、動物病院でFIP(猫伝染性腹膜炎)と診断され、太い注射を打たれて帰ってきたネコは(ネコと人間の八日間⑤)、エサもほしがらず横になって眠っていた。もう一度なにか食べられるとしたら、それが最後の晩餐になるかもしれない。

「最後まで諦めない」ことが大切とよくいわれる。このような状況で、絶対に病気を治すんだという強い思いをもつ人もいるだろう。しかしそれは弱ったネコを余計に苦しめるよ

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ネコと人間の八日間⑤

ネコと人間の八日間⑤

六日目、朝からネコは元気だった。ベッドの上を転げまわりイヤホンのコードに絡まって遊んでいた。食事を終えると遊び疲れたのか、ヨロヨロと押し入れに入っていって横になった。人間は今日、出かける用事が2件あって、のんびり寝ていてくれるのはありがたい。

1件目の用事を終え帰宅する。ネコはまだ疲れが残っているのか足を引きずるように歩いている。元気になったとはいえケガをしているのだ。しかもまだ体力のない生後1

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ネコと人間

ネコと人間

じつは1ヶ月ほど前から家にネコがいます。

9月下旬に路上でうずくまっていた生後1ヶ月ほどの子ネコを保護しましたが、下半身に麻痺があり、のちに猫伝染性腹膜炎(FIP)と診断されました。

FIPは非常に致死率の高い病気で、一時はかなり危ない状況になりましたが、幸いにも回復しました。

闘病中はしおらしくしていましたが、麻痺がなくなった今は、走り回って悪戯に励んでいます。

完治したわけではないので

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