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大人の社会科見学vol.5! 藤田アイス店

オンラインで「弘前のあの○○」を見学する大人の社会科見学。第5回は弘前ではおなじみ!古くから愛されるカランカランアイスをつくっている藤田アイス店。「株式会社金正藤田正紀商店」代表取締役の藤本レイ子さんにご案内していただきました!

イントロダクション

図1

弘前のまちなかを歩いていると、屋根つきの青いリヤカーを引いて昔懐かしいアイスクリームを売る方に出会うことがあります。弘前公園を歩いたとき、見たり食べたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。あのリヤカーのアイスは公園にほど近い紺屋町にある「藤田アイス店」というところで製造販売をされています。

藤本レイ子さん(株式会社金正藤田正紀商店 代表取締役)
弘前市出身。 15年ほど前に軽い気持ちで家業を手伝うこと3年。色々わからないまま厳しく鍛えられているうちに世代交代を迎える。当初は母の代までと思っていたが、売り子さんと話すことでなくせないという気持ちで注ぐことを決意。「弘前の伝統も売り子も守らなければいけない」とアイスをつくり続けている。

平山みよこさん
藤本さんの母の弟子の娘。アイスの製造補助と売り子の二刀流!
「売り子から始めて、アイスを作る工場に行って戸惑う部分もありましたが作る方もおもしろいです!!」

イベント概要
・開催日時:2020年7月18日(土)14:00-15:00
・参 加 費 :3,000円(アイス各種、ヘラ、コーン、クール便&送料、参加費込み)
・体験内容:
 -藤田アイス店のご紹介
 -ヘラでアイス盛り付け体験!
 -アイス工場見学
 -アレンジアイスレシピのご紹介

藤田アイスの歴史

図2

↑約30年前の藤田アイスの売り子さん

藤田アイスは会社として約40年以上続いています。昔の売り子は白い風呂敷を被って白いエプロンをつけて行商アイスを売っていましたが、現在の販売スタイルは様々です。現在稼働しているリヤカーは3〜4台ですが、約30年前の最盛期にはリヤカーが30台もありました。当時は鐘を鳴らしながら歩いて売っていましたが、今は弘前公園の中や岩木山神社の中に屋台を置いて販売しています。藤田アイスは、長きにわたって世代を超えて愛される弘前名物です!!

アイスのヘラ盛り体験

図3

↑平山さん(写真左)がアイスを作る様子

最初に平山さんがアイスのヘラ盛りのお手本を見せてくれました!ベテラン売り子の平山さんは作るスピードが速く美しかったのですが、参加者の方から「動作が速くてよくわからなかった!」という声も。そこで、上手に盛るコツを教えていただきました。

■アイスのヘラ盛りの手順
ヘラでアイスをほぐす

コーンの中にアイスを埋め込み土台を作る

土台の上に少しずつアイスをのせていく

アイスが山型になるようにコーンの上に盛る

アイスの形を整える

完成!!

次に、参加者の方々もヘラ盛りに挑戦。苦戦しながらもそれぞれ上手に盛ることができていました!!

図4

↑アイスの中にバナナの香料が入っていてさっぱりとした味になっています!

アイスがどういうところで作られているか


アイスの材料は砂糖葡萄糖ゼラチンとかなりシンプル。まず、砂糖とブドウ糖を煮詰めて混ぜ合わせます。次にそれを冷凍機に入れて、冷気を送り回転速度を調整しながらアイスを作っていきます。作ったアイスを攪拌する機械へポンプで送り30分ほど攪拌すると、アイスクリームの完成!!アイスの出来具合を確認しながら攪拌するので、ベテランの勘が必要です。完成したアイスは、手作業で1つ1つ袋詰めを行い冷凍庫へ。ジャンボの袋アイスだと、1回で20個前後、1日で250〜300個作られています。

2台の機械でアイスを作っており、1台は新しいので修繕可能ですが、もう1台は壊れたら修繕不能。古い機械ですが、昔からずっと使ってきている相棒のような存在なので工場に必要不可欠なのだそう。
藤本さんは、「古い機械の方が使いやすく感じます。機械とて毎日出来が違うので、毎日気温と温度と機械の状態を見ながら同じような品質を作れるよう努力しています。うまく作る感覚が必要なので、職人のような腕が必要です!」とお話していました。アルバイトが来ても簡単にできるものではありません!!

青いリヤカーの中身解剖!!

図5

↑アイスを保存するリヤカーの中身

アイスをリヤカーで販売する際には、作ったアイスをリヤカーの缶の中へ!リヤカーの中身は内缶と外缶があり、内缶には1〜2晩寝かせたアイスを外缶にはアイスを冷やすための氷を敷いています。

内缶の中には一斗缶3個分(約350食分)のアイスを入れることができます。外缶には氷を砕いて入れて粗塩をまき、その上にビニール袋やタオルをかけて氷が溶けないようにしています。冷凍庫が無かった時代には、アイスを溶かさないために様々な工夫がなされていました。外缶の中は氷で冷凍庫状態を作り内缶の中は冷凍庫より温度が低いですが、アイスは半冷凍状態を保っています!

図6

↑氷を砕く姿は迫力満点!!

アイスの味わいは売り子さんの仕込み次第!美味しい、美味しくない、硬すぎる、柔らかすぎるなどは売り子さんの腕にかかっています。また、暑い時は氷が溶けて缶が浮いてくるので、水抜きしたり氷を足したりしています。
リヤカーの脇のところには、内缶と外缶の間に溜まった水を逃がせる穴があり、調節をしながら塩水を入れています(塩水は所定のところに捨てています)。昔は塩水のところにナスやきゅうりを入れて漬物にしたり、今はドリンクやお昼ご飯を冷やしたり、知恵を使い効率よくリヤカーを活用しています!

石山さん:シンプルに見えますがちゃんと考えられているんですね。
藤本さん:先人の知恵のおかげです。

■リヤカーをみた参加者の感想

石山さん:普段から見てるものだと思いますがどうでした?
参加者:中はちゃんと見たことがなかったのであんなに大きいものに入ると思いませんでした。昔は丸い缶の中に入ってた気がします。

石山:リヤカーの中身見るの初めてですか?
参加者:初めてで憧れていました。構造はシンプルだけど1日持つのはすごい。
石山:このアイスは各地にあり長崎発祥と言われていて、秋田はババヘラと呼ばれています!

石山:中身を見てみてどうでした?
参加者:青森市内だとチリンチリンアイスと呼んでいます。チョコレートのような茶色いものや、ピンクとか緑っぽいものが入ってたりするのでそこがどうなっているのか気になりました。

アイスをアレンジしたレシピの紹介

図7

ここで、藤本さんからアイスのアレンジレシピを教えていただきました。スーパーなどで簡単に手に入るようなものを使ってくださっています!!

・シードルアイス。弘前はリンゴの生産量は日本一でシードルの生産量も多く、それを用いている。
・ラムネをかけて食べるアイスラムネ
・バナナ風味とレモンの共演のさっぱりレモン
・アイスをかき氷機に入れたかき氷アイス


藤本さん:この行商アイスは気温が20度から28度くらいだとかなり売れます。30度になるとかき氷や飲み物にお客さんが移ってしまいます。お子さんと楽しくトッピングをしてみてください!いいアイデア待っています!!

Q&A

参加者:アイス好きなのですが食べすぎると太りますか?
藤本さん:毎日食べたからといって太らないけど糖質の取りすぎは良くないです。うちの商品は乳製品ではなく氷菓だから普通のアイスよりカロリーは低いですが、食べ過ぎ注意!!!


参加者:営業は1年中??冬場もやっているのですか?
藤本さん:雪が降るので冬はやっておらず、製造も中止になります。3月から11月頃で終わり。売り子さんの販売は弘前の桜祭り(4月22、23日頃から)から始まり秋祭り(11月10日前後)で終わりますが、在庫がある限り売っています!


参加者:売り子はアイスを売らないシーズンオフの時にどうやって生計を立てていますか?
藤本:今は減りましたが、秋から春までは焼き芋の屋台で生計を立てている人が多かったです。夏はアイス、冬は焼き芋で生計を立てている人が多かったです。

石山さん:それは別のリヤカーだったんですか?
藤本さん:別です。焼き芋用のリヤカー使ったり軽トラを使ったりしていました。

図8

おわりに

今回のイベントは、地元で愛される藤田アイスの成り立ちから作り方まで深く知る良い機会でした!新型コロナウイルスの影響でオンライン化が進む中で歴史のある藤田アイスは人とのつながりを生み出すことができるので残していきたいと思いました。
少し寒くなってきましたが、冬に暖かいお部屋で食べるアイスもまた絶品です。ぜひご家族でお食べください!!


◎詳しくはこちらもあわせてご覧ください

■藤田アイス店の紹介
http://www.fujita-aisu.com/
TEL 0172-34-5727 
FAX0172-34-7046
通販でのご購入も可能です。

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