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大人の社会科見学vol.3! カネタ玉田酒造

おうちにいながら弘前の事業者を楽しく美味しく応援するプロジェクト「ヒロサキ大人の社会科見学」。第3回は、創業330年・弘前藩士にも愛された老舗の日本酒蔵「カネタ玉田酒造」を10代目の玉田さんにご案内していただきました!

イントロダクション

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青森県弘前市、弘前公園に近くにある老舗酒蔵のカネタ玉田酒造。看板商品「津軽じょんから」は全国新酒鑑評会で3度の金賞、「華一風」は津軽地酒グランプリに輝く。

玉田 宏造さん(株式会社カネタ玉田酒造 取締役)
1977年弘前市生まれ。東京農業大学短期大学部醸造学科卒業後、株式会社ぬり彦(酒販売事業部)に入社。退職後、家業の株式会社カネタ玉田酒造に入社。10代目兼、見習い杜氏として家業を継いでいる。

イベント概要
・開催日時:2020年6月6日(土)14:00-15:00
・参加人数:最大30名程度
・参 加 費 :4,000円(日本酒720ml×2本付き)
・体験内容:カネタ玉田酒造のご紹介、作り手玉田さんの話を聞きながら双方で交流、日本酒蔵見学(+希望者による自由交流会)
・主催:HIROSAKI ORANDO(Next Commons Lab弘前)
・協力:株式会社カネタ玉田酒造


メインゲストの玉田さんの自己紹介から早速見学会がスタート!まずは参加者の皆さんと一緒に日本酒でカンパーイ。今回は都内の参加者が多く、初めて玉田酒造のお酒を飲まれる方々からは「楽しみでした!」「東北のお酒、美味しいです!」という声が。方言の話題で盛り上がる場面も。


カネタ玉田酒造ができるまで

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参加者:とても古い酒蔵で歴史を感じますね。
玉田さん:1685年のお寺の古文書に記載があるので、300年以上続いている酒蔵になります。弘前藩第4代藩主から酒屋の経営をお願いされたのがきっかけですね。順調に続いていましたが、実は7代目で廃業を決意することになったんです。しかし、私の祖父は家業を大事にしていきたい思いが強く、もともと蔵のあった代官町から茂森町へ移転し、現在に至ります。

参加者:青森県では何番目に古い蔵なのでしょうか?
玉田さん:県内では2番目に古く、竹浪酒造さんが最も古い蔵ですね。

参加者:どれくらいの量を年間で生産しているのですか?
玉田さん:作りの量が350石※と大変少ない酒蔵になります。本数で言うと4万本くらいになりますね。(※米1石(こく)は1,000合に相当。)

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↑この薄暗い感じ。心揺さぶられるかっこよさが魅力的です。


お酒の紹介

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■蔵衆
玉田さん:「蔵衆」は純米酒です。青森県産のうるち米(まっしぐら)掛米に、麹米に青森県産の華吹雪を60%の精米で作っております。酵母は酢酸エチルを高く出すものですが、これをあまり出さないようにできるだけ調整しています。少し温めて飲んでいただければ、柔らかい感じになるかと。
参加者:どんな食べ物とよく合いますか?
玉田さん:うーん…(少し考えて)ピザに合いますね。

■特別純米酒 華一風
玉田さん:「華一風」は最初もっと香りが出ていたのですが、青森県のとあるメーカーさんから、「香りが強すぎて飲めない」と言われましたので、香り少しを潰したお酒になります。
参加者:とってもフルーティーな香りがしますね!
玉田さん:来年はもっとよく仕上がるようにがんばります。
参加者:えっ!玉田さん的にはまだまだ納得いっていないと?
玉田さん:そうですね、来年はもっといいお酒になっているはずです!

■純米吟醸 華一風
玉田さん:最後は純米吟醸の「華一風」のご紹介です。こちらも青森県産の酵母を使っております。うちのお酒は全て青森県産で固めておりますね。米に関しては先程の二つと同じ種類を使っていますが、酵母菌の違いと、火入れするタイミング、瓶での貯蔵等で味わいが変わってきます。


Q&A

Q. 「蔵衆」の名前が以前の「蔵人」から変わったのには、商標的なことが関係しているのでしょうか?
A. そうなんです。実は石川県の有名な酒蔵さんが「蔵人」という商標を持っていることを後から知り、改称いたしました。「蔵人」だと聞き取りにくいとの意見もあり、今では「蔵衆」となっております。いい名前があれば、募集しておりますのでぜひ!

Q. 「ひやおろし」は出していますか?
A. 実はこちらも皆さんに質問したかった「ひやおろし」…その年によって出したり、出さなかったりという感じです。「ひやおろし」の期間が非常に短くて、ここ2、3年はやっていないのですが、皆さんは「ひやおろし」という一つの商品として興味がおありなのかな?と思っていた次第でした。
参加者:華一風のフレッシュな感じが「ひやおろし」で出ると、もっと飲みやすいのかなと思います。

Q. コロナの影響とかもあるのでしょうか?
A. 例年観光シーズンはお客さんが多いのですが、今年は少ないですね。また、今年の7月にサンフランシスコのイベントにも参加予定でしたが、延期になってしまいました。海外向けの紹介も行っているのですが、英単語を全て並べていく感じで……笑顔で頑張っております!


おわりに


今回のイベントは、玉田さんの地酒に対する熱い思いとこだわりがガッ!と伝わってくる内容でした。参加者の方々からの生の意見や感想は玉田さんにとっても新鮮だったようで、「来年もおいしい地酒をつくりたい」という思いが表れていたように感じました。
数が少ないお酒ではありますが、青森県・弘前市が誇る歴史のある地酒が、今後も皆さんの日常を明るくする一杯になることを願うとともに、味わい深いお酒をつくり続ける玉田さんの今後のご活躍には目が離せません。


◎詳しくはこちらもあわせてご覧ください。
・カネタ玉田酒造の紹介
http://www.aomori-sake.or.jp/kuramoto/hanaippuu.html

◎お酒のご注文はこちらから
Tel 0172-34-7506
Fax 0172-34-7506


執筆:かずき(大学生スタッフ)/校閲:わかな(オランドスタッフ)



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