男子バレーボール:石川祐希選手

2012年、週刊少年ジャンプでハイキュー!!の連載が始まったのをきっかけに、リアルでバレーボールの試合を観る機会が増えました。

そんな時に出会ったのが、今、海外イタリアのリーグで活躍し、全日本でもレギュラー入りしている、石川祐希選手でした。

彼との出会いは、2013年1月。

毎年1月開催の、高校生のバレーボーラーにとっては最大の大会ともいえる、2012年度春高(正式名称:全日本バレーボール高等学校選手権大会)で、大会の模様をテレビで観たのが、石川祐希選手を認知したきっかけでした。私は関西住まいなんですが、関西のテレビでは、なんと、ダイジェストでしか試合の模様を放送しないのです。(関東はカットなしで全部放送するらしい。どういうこと)

はっきりと生の試合を観るのは数回目。なのに、飛び飛びの試合内容で、よく理解できない。でも、準決勝や決勝を観て思ったのが、この2年生の選手とんでもない人だ、というものでした。

当時、三冠達成(石川選手の在籍時代、星城高校は、彼が2年生の2012年度、3年生の2013年度でインターハイ、国体、春高と二年連続で三冠達成している。六冠達成)がどういうことかもわからなかったけれど、彼がエースであるということは紛れもない事実として、バレーボール観戦初心者の私にも直ぐにわかりました。

女子の試合が、当時熊本信愛女学院(当時の春高準優勝)で一年生にしてエースだった古賀紗理奈選手にしてもそうだったんだけれど、エースに集まるボールの数が半端なくて、それは男子の二年生石川祐希選手も同様だったんだけれど、これが通常なの? こんなひとりにボールが集まるのが当たり前なの? しんどくないの? 責任重大すぎない? と衝撃をも受けたのを覚えています。

男子は、石川祐希選手所属の星城高校が、決勝で大阪の大塚高校と試合をして勝利していました。私自身が関西在住とのこともあるし、好きな漫画のハイキュー!! のように身長が高くない選手でも頑張っている大塚高校を応援していたのですが、気づけば引き込まれていました。

生で何とか石川選手の出ている試合を観たい。でも高校生の大会とかってどうやって観たら良いのかわからない。

そう思っていた矢先、2013年5月の黒鷲旗に春高で優勝した星城高校が出場するという情報を雑誌で知って、観に行くことにしました。

黒鷲旗(くろわしき):黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会(くろわしきぜんにほんだんじょせんばつバレーボールたいかい)は、毎年5月初めに日本の大阪府大阪市で行われるバレーボール大会である。主催は、日本バレーボール協会と毎日新聞社(大阪本社所管事業)。大会名の通り「黒鷲旗」と呼ばれる優勝旗を懸けて争う。日本のバレーボール大会では、平年各クラブチームでの戦いの1年の総決算(大抵は11月下旬のVリーグ開幕からこの大会終了までが各クラブ所属でプレーし、それ以後は代表強化期間である)となる。(ウィキペディアより)

関西在住で、ちょうどパナソニックパンサーズの試合を観に行く機会が数回あったのもあり、Vリーグの試合も観られるしというお得感もあって、初日に仕事を午後からお休みいただいて行きました。

ちょうど、星城高校はB組に振り分けられ、そのパナソニックパンサーズとの試合があるのも楽しみのひとつでした。他にもVリーグのFC東京や、ジェイテクトSTINGSとの試合も別日にあったんですが、私が行けたのは初日だけだったので。そして、相手はチャレンジリーグ(当時のVプレミアリーグの下部リーグ)所属のチームであっても、高校生とは比較にはなりません。もちろん、3日間全試合敗退でした。

私が観た、パンサーズとの試合も同様。

でも、第一セットと第二セットの途中まで、パンサーズは控え(二軍)の選手が、高校生相手だからか試合に出ていました。Vリーグの試合では見られない顔ばかり。慣れない試合でバタバタとコートを走り回るパナの選手。リベロのY選手はレセプションにしろディグにしろ、エースの邪魔をしてしまう。散々な有様でした。星城高校もそうはいっても緊張もあるのか、第一セットは16-25という成績でしたが、第二セットは25-22でセットを取りました。

当時の星城高校は、黄金時代と言われたくらいで、石川選手を筆頭に二年生がとても強かった。春高ですら、キャプテンの三年生が一人で、他は全て二年生がレギュラーだったくらい。

もちろん、石川選手の活躍あってこそでした。

私が印象に残っているのは、唯一パンサーズの二軍チームでエースとして一軍から入っていた福澤達哉選手。彼はメンタルが崩れると一気にサボりはじめるので、ここ最近の1~2年は周囲の若手選手の影響もあってかなりイメージが改善されましたが、当時はそこまででなく。龍神ニッポンの全日本のチームでもサーブのホームランから、ネットから、とにかくメンタルに左右される選手で、更にサボってしまうこともあって、よくヤジが飛んでいました。(同じチームの選手からもヤジが飛ぶ。打ちに行けよ! サボるな!等々)

その福澤選手がこの試合ではエースなので、石川選手はサーブが廻って来ると確実に彼を狙いに行く。バンバン狙う。狙って、挙句福澤選手が踏ん張らないから、レセプションで受けても弾き飛ばされて、後ろに転がる。つまり、立ち上がれずに、攻撃に参加できない。

ずっとこんな感じでした。

もう、石川選手にしか目がいかなくなる。パンサーズはそこそこ人気もあるけれど(ゴリこと清水選手が所属しているのもあって)、星城高校が一日目ということもあって、善戦しているものだから、観客がどんどん増えていくのも凄かったです。

最終的には、第三セットあたりから、さすがにこれはヤバいと感じたのか、メンバーが一軍選手に変わったんですが、まぁ、そのあたりからは、さすがに高校生では話にはなりませんでした。

当時全日本でも活躍していたリベロの永野選手が入ると、サーブもスパイクも全然決まらないんですよね。

第三セット17-25でパナに取られはしたものの、星城高校も踏ん張って、第四セットはそれでも食いついて、22-25で負けましたが良い試合でした。

あの試合が終わって、選手達がお互いに礼をした後、観客席はスタンディングオベーション。パナファンの人も、星城のファンの人も、そうでない人も、老若男女問わずバレーボールを好きで観にきていた人たちは、星城高校へ拍手喝采していた。私もずっと手をたたき続けていた。あの歓声と拍手は今でも忘れられない。

星城高校の控えの選手や一年生の下級生たち、保護者会なのかな? 親御さんたちが、わぁ! と負けたけれど嬉しさのあまり声を上げるくらいに、かなり長いこと拍手が続いていたのが印象的でした。

石川選手を今後も応援していきたい。是非、海外にチャレンジしてほしい。当時の想いが、今は叶って(大学一年生の冬から、イタリアに短期留学したりしていましたが)海外で活躍している彼が本当に好きです。

2020年の東京オリンピック。開催国だから、本選出られるから、どこまで今の龍神ニッポンが通用するのか、観たかった。

コロナ禍もあるし、正直、延期よりも中止するべきだと思うのだけれど、夢を見たかったなぁとそれだけが悔やまれます。

何より今は、西田選手という最強に心強いオポジットが活躍してくれているので、期待は膨らむばかりです。

ちなみに、私のアイコンは、2014年冬(石川選手が大学一年生の冬に短期留学した)の2014年12月~2015年3月に所属したイタリアのパッラヴォーロ・モデナの時のユニフォーム(本人サイン入りです)なんか、彼を応援したいとか言っていた女性がネットで販売していたのを買いました。石川選手の利益になるのか、本人利用されていないか心配していましたが、お値段が手ごろなので買ってしまった。今も大事においてある。宝物です。(ぶっちゃけ日本のVリーグのレプリカユニフォームより断然お得だったんだよね)

ところで、この当時(2013年)の黒鷲旗に、パナソニックパンサーズのオポジットで全日本のエースでもある清水邦広選手は出ていませんでしたので、星城が善戦できたのかもしれません。

何故彼が試合に出なかったかというと、彼は2013年当時の2月ごろのサントリーサンバーズとのVリーグでの試合で、当時新人の深津英臣選手のトスが中々自分の思うとおりにいかず、苛立ちのあまりネットを支える支柱を殴りつけてうっかり指を骨折し、それから暫く試合には出られなかったからです。私はこれを生で見てから、清水選手をまともに評価していない。ファンの人がいたらすみません。でも嫌いな訳ではないんですよ。


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