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万年筆書き比べ ペン先の相違についてなど

万年筆には個性があり、
今回はペン先の違いについて比較した結果をご紹介する。

私が所有する万年筆は
SAILOR プロムナード(MF)と、
PILOT Cocoon(F)で、それを比較してみた。

MF/Fとは?

万年筆のペン先それぞれに
MFとか、Fと記載されており、
これは文字の太さを表している。

MFとは・・・
中細の字幅であり、手紙や日記などに適している。
年齢を問わず使い続けられる。
---SAILOR 万年筆の基礎知識より
http://www.sailor.co.jp/knowledge/original
Fとは・・・
ファインの略。やや硬めの細字。
ノート、日記、手紙、履歴書と用途の幅は広い。
---PILOT 万年筆のペン先の種類より
http://www.pilot.co.jp/library/001/pentopList.html

スペック比較

メーカーサイトから、
それぞれのスペックは下記の通り

SAILORプロムナードのスペック:
ペン先 14金中型
本体サイズ Φ17.4x136.77mm
軸径 Φ12mm
本体重量 18.2g
本体価格 10,000円+税
PILOT COCOON のスペック:
ペン先 特殊合金
本体サイズ Φ13.2x138mm
本体重量 記載なし
本体価格 3,000円+税

プロムナードのほうが
心なしかコロンした体型になっている。
COCOONのほうがわずかに重く、長い。

ペン先の特色

万年筆はペン先が一番重要ということのため、
ペン先の素材の特色について調べてみた。

金ペン:
色調は黄金色。
弾力にバラエティーを持たせられる。

特殊合金:
色調は白色。
ハード調の弾力。

価格が異なるので当然といえば当然だが、
金のほうが高級感があり、
特殊合金のほうはシンプルな見てくれである。

実際の書き心地

COCOON(ペン先:特殊合金)は
まだかって間もないこともあり、
やや硬さのある書き心地なのに対し、

プロムナード(ペン先:金ペン)は
弾力というか少しあそびのある感じがする。
プロムナードのほうが、
カリカリという感触があるので
万年筆で書いている
という満足感を感じることができる。

筆跡の違いはあるか

ペン先の違いが筆跡にでるか比較した結果は下記の通り。

こちらはCOCOONで書いたもの。

こちらはプロムナードでかいたもの。

※文章は青空文庫の「バルザックについてのノート(宮本百合子)」から
https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/2924_9206.html

細字と中細字の違いがあるので、
文字から受ける印象が少し異なるように感じる。

主観的ではあるが、
細字(COCOON)のほうが
ひらがなも漢字も柔らかい印象を受け
書いたものがそのまま現れているのに対し、
中細字(プロムナード)のほうが力強さがあるように感じる。心なしか中細字のほうは温かみがあるようにも見える。

字の細さが違うため
文字の大きさにも違いがわずかだがあり、
細字のほうが小回りがきくようだ。

で、結局どちらなの?

どちらがより優れているというのは
正直なところわからないというのが結論だ。

COCOONには小回りがきく、
見た目がシンプルで機能的という利点があるし、
プロムナードは書いていて満足感を感じられる
という利点があるが、
細かい文字向きではない部分もあるためだ。

私個人としては
長い時間文字を書くときや
手紙など特別感のある文章を書く時はプロムナードで、
手帳など細かく日常的な文章を書くときはCOCOONで書くことになるだろうと考えている。

おしまい。