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CS初心者向け、テックタッチを加速させるツール7選

これは カスタマーサクセス Advent Calendar 201825日目のエントリーです。

こんちには。ビジネスコラボツール「Aipo」の事業責任者をしている別府(@nobuhiko_beppu)です。

今年は「青本」の日本語版の出版やCS HackJCSC をはじめとするコミュニティの盛り上がりも相まって、カスタマーサクセス(CS)の成功体験や失敗談、さまざまな打ち手が共有されるようになってきました。

一方で、これから小規模なチームでCSをはじめられる方からすると、ゴールやCSのあるべき姿が明確になった分、高く険しい山に感じてしまった方も少なくないんじゃないでしょうか。

そんなCS初心者に向けて、CSの打ち手をより具体的にイメージしていただくために、弊社が導入している・あるいは導入検討しているツールやサービスをいくつか紹介します。無料トライアルできるもの、かつ導入ハードルが低いものを中心に選んでいますので、実際に試して自分たちのプロダクトに合う施策なのか感触を確かめていただければと思います。

Aipoのカスタマーサクセス

本編の前に、弊社で提供しているAipoというクラウドサービスにおけるCSの現在の立ち位置について簡単に触れておきます。

Success Flagの言葉を借りると、AipoはホリゾンタルSaaSで低ACVの事業領域です。CSの取り組みは2016年3Qよりはじめていまして、これまで行っていた訪問営業をすべて終了し、少ないリソースでより多くの顧客に接点が持てるよう Intercom 導入を行いました。

現在は、CSはセールスチームを飲み込んだ体制になっており、新規契約からオンボーディングまでワンストップでCSがみています。これは商材が非常にシンプルであること、SMBが主ターゲットでセルフサービスが確立できていることが理由となるので、少々レアなケースかと思います。今後については収益や事業のステージによって変化をしていくはずです。

従って、現在はテックタッチ中心に取り組んでいます。紹介させていただくツールもテックタッチ寄りとなっているのでその点はご了承ください!

1. Intercom

Intercom はチャットサポートを支援するツールとしてCS界隈では幅広く導入されています。Intercom を導入すると、チャットサポートだけでなく、ナレッジベースやメール配信ツール、MA(マーケティングオートメーション)ツールの役割も賄えますので、まず初めに導入検討するのが良いと思います。

Inbox
言わずと知れたチャットサポート機能。回答時間の集計やCS満足度のアンケートも自動的に取得することができます。右下のアイコンでお馴染み、ユーザーとしてお世話になった方も多いんじゃないでしょうか。

Messages
オンボーディング期のステップメール、アップデート案内、セミナー(ウェビナー)告知、特定のユーザーイベントをトリガーにしたメッセージ配信など、さまざまな用途で活用できます。また、メッセージはチャット、メール、プッシュ通知などチャネルを組み合わせて配信できるのが特徴です。

Articles
Zendesk に搭載されているようなヘルプセンターを簡単に構築することができます。顧客視点で Articles を採用するメリットとしては、チャット返信時にも文章の間にヘルプセンターの記事を差し込むことができ、ユーザーはその場(ダイアログ)で閲覧できます。つまり、ヘルプセンターの拡充を行えば、チャットサポート時の回答時間や的確さの貢献にも繋がります。

2. Slack

顧客向けのツールではありませんが敢えて挙げさせてもらいました。CSはCSチームのみで成就できるものではない、という大前提があり、コミュニケーション体制の構築は重要なポイントとなります。Intercom など主要ツールは Slack に情報を流すことができますので、顧客とのやりとりも含めてエンジニアと共有し、技術面での課題解決やプロダクトの改善を先回りで対応していく文化をつくりましょう。

3. HiCustomer

HiCustomerは顧客のライフサイクルとヘルススコアの2軸で顧客の健康状態を可視化できる国内初のカスタマーサクセス管理ツールです。CSは「プロアクティブ」を求められていますが、闇雲に行動しても再現性がありません。むしろメトリクス(ヘルススコア )の変化に対して「リアクティブ」に行動することにより、効率的で精度の高いCS活動に繋がります。 国産でかつカスタマーサクセスを商材としていることもあり、HiCustomer を利用しているだけで高レベルのカスタマーサクセスを体験し学ぶことができるのも大きいのではないでしょうか。

4. Gyazo

Intercom ではメッセージの文中に画像を差し込むことができますが、画面操作など画像を交えて説明することにより、顧客により的確に伝わりやすくなります。Gyazoを利用すればスクリーンショット画像に矢印やコメントなどの加工を誰でも即座に行えます。画像編集ソフトはいりません。チャットサポートは回答時間と的確さが鍵となりますので、弊社でも重宝しています。画像を使った説明を行ったのであれば、プロダクト内のUXに問題がある可能性もあるのでフィードバックも忘れずに。

5. Wootric

顧客の利用画面にタグを差し込むだけでNPSが取得できてしまうツールです。NPSと聞くと数ヶ月おきに一斉調査を行うイメージを持たれている方も多いかと思いますが、Wootric の場合は1日あたりの上限値や調査ボリューム、調査スロットルなど柔軟な設定ができますので、リアルタイム性が高く日々推移を追うことができます。勿論、Slack や Intercom にもスコアやコメントを受け渡せますので、次のアクションの策定にも役立ちます。

6. Inline Manual

オンボーディング時によく活用されるツールチップ、チュートリアルやチェックリスト(スタートガイド)をオンラインで構築できるツールです。組み込み型ですと Intro.js のようなライブラリもあるのですが、Inline Manual はタグ差し込みのみでセットアップできますので、エンジニアの実装コストがかからないのが非常に大きなメリットです。

7. Zoom

Zoom はウェビナーを開催するためのツールとして活用できます。最近では国内のスタートアップでも Zoom を利用したウェビナー開催が増えてきました。注意点としては、ウェビナーの参加にあたりユーザーのセットアップ(プラグインのインストール)が必要となります。告知の際には参加手順を合わせて案内するようにしましょう。

まとめ

今回紹介したテクノロジースタックをまとめると以下のようになります。もちろん、こちらに挙げた限りではありませんが少しでもイメージが膨らんだのであれば幸いです。

Intercom
・チャットサポート
・ヘルプセンター構築
・ステップメッセージ配信
・一斉メッセージ配信
・セグメントメッセージ配信
・JIT(Just In Time)メッセージ配信
Slack
・CS体制構築
HiCustomer
・ステージ・ヘルススコア管理
・アップセル機会創出とアクションプラン管理
・解約兆候検知とアクションプラン管理
Gyazo
・サポートコンテンツ作成
Wootric
・NPS自動取得
・顧客ロイヤリティ強化
Inline Manual
・インタラクティブガイド構築
Zoom
・ウェビナー開催

最後に大切なこと

CSのカタチは事業モデルやプロダクトごとに異なり、同じものはないと言っても良いでしょう。今回のエントリーでテックタッチに絞ったのもの、その辺のところを伝えたかったというのもあります。従って、当然、マッチする打ち手も千差万別になりますので、思考停止だけはせず必ずCSの原点に立ち返って実践すると良いと思います。

・顧客は誰なのか、顧客の成功は何なのか?
・顧客が見てる景色を想像できてるか?
・収益にコミットしているか?

また来年、皆さまにとって良い年でありますように!








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