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ビジネスアイデアをどう見つけるか

この記事の要約
・身近な課題を探すには限界がある
・課題そのものを探しにいかない
・業界や分野などを決め、思考の範囲を狭める
・決めた範囲内での「変化」に注目
・妨げている要因の特定に頭を使う

私は昨年からいくつかの企業のインターンシップに参加し、新規事業を立ち上げるというような課題に取り組んだことがあります。

そこで一番苦労したのが、課題を発見することでした。
最近は新規事業を考える機会が少なかったですが、同じインターン生が課題を発見しようとしていたので、自分なりに考えてみると少し変化があったのでそれをまとめてみようと思います。

新規事業などのインターンに取り組む同年代の方や企業で新規事業に取り組まれる方にとって、少しでもヒントがあれば幸いです。

課題そのものを探さない

まず最初に重要だと思うのが、どこを自分で考えて、どこは他から情報を取るのか?つまり、何に頭を使うべきかと言うことです。

インターンの話でいくと、よくある話が自分や家族などの身近な人の悩みや課題を探してみると言うのが非常に一般的な流れだと思います。複数のグループで新規事業を練り、競争させるようなインターンの場合は必ず実体験をもとにした事業案を発表するチームがあるくらいオーソドックスなアプローチです。

しかしながら私は今まで自分やチームから身近な課題が出てきてそれを事業案化した経験はありません。多くの場合、割とみんな満たされて暮らしていていきなり課題って言われても・・・という感じで出てきません(実際にはないのではなく、課題を感じるほど解像度高く物事を見てないケースが多いですが)

なので、身近な課題から始めるのはいいですが第2、第3のアプローチも知っておく必要があります。(ちなみに多くの場合、ここでなんとか捻り出そうとして時間を潰します)

例えば分野を先に決めてしまうのは非常に良いと思います。農業や漁業、医療など業界を絞ってもいいですし、採用やエンジニアなど企業内の機能や職業で区切っても良いと思います。とにかく膨大な選択肢を雑にでも狭め、考える幅を狭めてみます。

ちなみにブロックチェーンやクラウドなど解決策や価値といったHOWから狭める方法もやってみましたが、欠点があります。それは解決策ありきになって課題が見えなくなることです。結局詰めてみたけど、ニーズがなかったと言うオチになりかねないので、真っ先に取り組むのは微妙かもしれません。

加えてターゲットから決めようとする場合。例えば学生や○十代のように年齢や立場で分けてその人の課題を考えてみる方法もあります。これも有効な方法ではあるものの、特にインターンの場合注意すべきは学生をターゲットにすること。同じ大学生だから課題も見えやすいだろうと、学生の課題に挑むチームはほぼ必ずいますが、よほど強いニーズとソリューションがない限り、触れない方がいいと個人的には思います。なぜならマネタイズしにくいからです。お金がない学生相手のビジネスでは他の誰からマネタイズすることになるので、シンプルにビジネスモデルの中の利害関係者が増えます。複数の人にメリットのあるモデルにしないといけないので、難易度が格段に上がり収集がつかなくなるケースが多くあります。

さて業界や分野が決まったら、さあ課題を探そう!と思いますが、直接「〇〇業界 課題」なんて調べるのはご法度です。これまでことあるごとにこうして直接的に課題や問題を調べて、筋のいいアイデアが出たことがありません。結局ネット上に溢れている課題はもうソリューションとしてサービスが確立したものの広告用か、本当に解決が難しい難題が多いためです。

そこで直接課題を見つけにいかず、間接的に探しに行くと言う方法が有効なのではないかと思っています。

変化に注目する

業界や対象が決まったら、その界隈でトレンドになったいることや注目されていることを見つけに行きます。例えば今はどこの業界でも話題のDX。これは業界内で多くの人間が注目する大きな動きであり、変化です。

こうした変化は多くの人が取り組もうとしますが、多くの場合変化するには乗り越えないといけないボトルネックがあります。そのボトルネックになっているものの中に解決できるものがないかを探すのです。

重要なのは、主語の多様性が担保されることで打ち手が見つかる可能性が広がることです。DXに取り組もうと思うと、もう先人がいたり、リソースが足らないことも多いですが、DXを妨げる要因になるものは業界や立場、規模、業種など主語が変わることでたくさん出てきます。そうすると必ずしもデジタル領域でなくとも、解決策を提供できる課題が見つかるかもしれません。

冒頭の「どこに頭を使うべきか」と言うのは課題を探すことにではなく、変化や動向、文脈の中でネックとなっているものはないか想像し、仮説を立てることに使うべきなのではないかと私は考えています。

変化にはニーズがつきものです。多くの場合、そうせざるを得ない事情や強いニーズが源泉となって、大きなムーブメントにつながります。なぜそう言うことが起きているのか、またそれを達成できていないのはなぜかを考えてみるのは一つの手段になり得ると思います。

となると、調べるべきものは課題そのものではなく変化だと言うことになります。客観的なデータをもとにそこから当事者の心情や状況を推察することが最も価値のでる部分になるので、そこに頭を使います。

観光業に焦点を定めたのなら観光業界の課題をググるのではなくて、消費者の行き先、旅費、距離、情報収集手段、交通手段などに対して正確で最近のデータを集め、その中の傾向を観察します。それにWHYという問いを投げかけて、その奥底にある真意を発見することに努めるのです。そうすれば、変化に至った原因となる課題や問題、苦労が見えてくる可能性があります。

まとめ

今回は新規事業や事業創造の時に必ず必要になる課題の発見方法について、自分の中で時を経て現在感じることについてまとめてみました。最後の客観的データや一次情報を集めて分析し、課題を発見すると言うのはコンサルティングファームでベースとなる考え方ですね。それでも私は最近になってそういうアプローチがいいのかと情緒に落ちて理解できたんですが笑

さて最後に問題が見えてきて、いざ取り組むときのスタンスの取り方についてです。多くの場合、私たちが目にするのは本当の課題ではなく、客観的事実や現象に過ぎません。それらを課題と原因に分解してどちらに取り組むかを決めるのが、課題発見後(正確には問題発見後)のプロセスになると思います。

課題と原因の分解についてはこちらに記事をまとめているので、気になる方はぜひ

では、今日はここまで。










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